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令和元年が45歳定年制の始まりかもしれない【終身雇用は幻想です】

更新日:

令和になってから、リストラのニュースが多くなった気がします。
それはなぜでしょうか?

記事の内容


2018年以降にいくつかのリストラがあり話題になっています。
でも、実はリストラされた社員の人数は、ここ20年近くの間で最も少ない数字です。
それにも関わらず、ここまでリストラが話題になっている理由を説明します。

2018年度以降のリストラとその特徴

2018年以降に、いくつかの名だたる大企業が早期退職を募集しました。
主な企業名と対象となる人数をあげていきます。

企業名 早期退職の
人数
従業員に
対する割合
リストラした時の
営業利益(見込み)
前年度との
営業利益の比較
NEC 3,000人 2.8% 500億円 21%のdown
セブン&アイ 3,000人 2%
富士通 2,850人 2% 1,400億円 23%のdown
協和発酵キリン 1,600人 40% 3,350億円 2%のdown
ジャパンディスプレイ 1,266人 27%
大正製薬 948人 15% 330億円 10%のdown
サッポロビール 900人 30% 52億円
コカ・コーラ 700人 4% 127億円 13.5%のdown
アステラス製薬 600人 10% 2,340億円 9.7%のup
ノーリツ 600人 7%
オンキヨー 400人 30% -10億円
オンワード 350人 10% -240億円
アルペン 300人 10% 12億円 60%のdown
千趣会 280人 15% -7億円 17%のdown
カシオ 200人 1.5% 350億円 18%のup
日本ハム 200人 10% 300億円 39%のdown
毎日新聞 200人 10% 13億円 100%のup
富士通フロンテック 159人 4%
TATERU 160人 33% -60億円(2019の1Q) 大幅なdown
エーザイ 100人 3% 900億円 17%のup
味の素 100人 531億円
昭文社 80人 18% 9千万円
LIXIL 上限なし -150億円

これらのリストラの特徴は、多くの企業が営業利益が黒字であるにも関わらず、リストラを行っている点にあります。
今までの日本企業であるならば、それはタブーとされてきたはずです。
一体、日本企業に何が起きているのでしょうか?

(注)TATERUは、顧客の預金残高などの書類を組織的に改ざんした影響で、急激に経営が悪化したようです。

早期退職社募集の推移

2018年度だけに目を向けていても、全体像が掴めないので過去のリストラにも目を向けてみます。
実は、ここ20年間のリストラ数は大幅に減り続けています。

特に、2002年や2009年と比較すると、圧倒的にリストラが減っていることがわかります。

退職募集の人数 リストラ実施企業数
2002 39,732 200
2009 22,950 191
2018 4,126 12

2002年にリストラが行われた理由

2002年には、なぜ、4万人弱ものリストラが行われたのでしょうか?
一つ目の理由は、ITバブルが2000年頃に弾けたからです。
二つ目の理由は、小泉政権下で不良債権の処理が行われたからだと言われています。

これらの理由から察するに、2002年のリストラは、企業が赤字だったから従業員をリストラしたはずです。



2009年にリストラが行われた理由

2009年に、2万3千人ものリストラが行われた理由はリーマンショックです。
リーマンショックとは、アメリカ経済の影響を受けて日本経済も大打撃を受けた事件です。
その影響で経済が停滞し、多くの正社員や派遣社員がリストラされました。
当時、年越し派遣村は、テレビやニュースで大きな話題となりました。

この時も、多くの企業が赤字になっていました。

減り続けている正社員と増え続けている非正規社員

上記の図を見て、過去と2018年のリストラ数を比較すると、今が素晴らしい時代になったのかと錯覚してしまいそうになりますが、事実は異なります。
なぜならば、ここ20年間で、大きな構造的な変化が起きているからです。

2018年度のリストラを理解するためには、その構造的な変化を知る必要があります。

2010年から2015年あたりに、正社員数が減ったランキング

下記の図は、2010年から2015年の正社員数の減少数を表しています。
パナソニックの13万人を筆頭にして、多くの企業が正社員数を減らしていることがわかります。
もちろん、60代以上の方の退職者も数に含まれているはずですが、それにしても、大幅に減っていることがわかります。

減っている正社員と増え続ける非正規社員

下記の図を見ると、ここ10年間で男性の正社員数だけが減り、女性の正社員数や非正規社員だけが増えていることがわかります。
ちなみに、男性と女性との間には、年間で250万ぐらいの給与格差があります。
その差が公平なのか不公平なのかという話や、男女の能力差については、ここでは論じません。
確かなことは、企業が「賃金の安い人材」を求めているということです。
だからこそ、女性の社員と非正規社員が増え続けているのでしょう。
さらに言えば、2018年より前も企業は給与が高い人材のリストラをしたくて、したくて仕方がなかったはずです。
でも、既存の社員を思ったようにリストラすることはできませんでした。
そのため、非正規社員の割合は、当然のことながら若年層に偏っています。

でも、団塊の世代が退職して状況が変わりました。
もう、政府や企業は、人口のボリュームゾーンの人達に気兼ねをすることなく給与が高い人材のリストラをすることができます。
その結果、企業がリストラを始めたのが2018年度です。
その対象は、能力に見合っていない高い給与を貰っている45歳以上、男性の正社員です。

属性 2008年 2018年 増減数
男性の正社員数 2,367万人 2,339万人 -28万人
女性の正社員数 1,043万人 1,137万人 +94万人
男性の非正規社員数 560万人 669万人 +139万人
女性の非正規社員数 1,205万人 1,451万人 +246万人



まとめ

この記事を要約すると、以下の4点にまとめられます。

ここがポイント

  • 企業は利益を出しているのに、リストラをしている
  • 企業は団塊の世代の世代に気を遣う必要がなくなり、給与が高い社員のリストラをするようになった
  • (給与の高い正社員が減っているので)リストラの数は減っている
  • 賃金が安い労働者の数だけが増えている

この傾向は今後も続くと思われるので、これからも、給与が高い45歳以上の男性社員のリストラは続くと思われます。
これは、以前から一部の識者の間で言われていた、「40歳定年制」が行われつつあるということです。

40歳定年制というのは、以下のような内容です。

新卒から40歳までの雇用は保障するが、そこから先は自己責任。
40歳までにスキルを磨いて労働市場の中でひとり立ちできるように頑張るのです。
能力を磨けばそのまま同じ会社で雇用され続けてもいいし、より良い条件の会社に転職もできる。

スキルがある人にとっては、何の問題もありませんが、企業に属しながら胡座をかいてきた人にとっては辛い内容かもしれません。
数十年後になって、令和を振り返ってみれば、「令和元年が40歳リストラ制の始まりだった」と言われている気がします。
令和を生き抜くためには、転職や副業をして、一つの組織だけで通用する力ではなく、どの会社にいっても役立つような汎用的なスキルを身に付けることが必須なのかもしれません。

この記事は、この本の一部を参考にしました。

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