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損保ジャパンの配置転換に至るまでの経緯【それってリストラ?】

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記事の内容


損保ジャパンが、国内損保事業の人員を4000人を減らして、介護事業へ配置転換をするニュースが話題になりました。
この記事では、損保ジャパンが介護事業を買収した時から、配置転換までの経緯を追っていきたいと思います。

「ワタミの介護」を210億円で買収

損保ジャパンは、2015年10月に「ワタミの介護」を210億円で買収しました。

ここがポイント

  • 買収後も介護事業を継続する
  • 介護事業を成長分野と位置づけて、本格進出する

以下は日経新聞の記事からの引用です。

損保ジャパン日本興亜HDは買収後も現在のサービス内容を原則維持する方針だ。
生損保以外の収益源を求めて介護分野に関心を寄せており、これまでは介護事業者への出資を通じてノウハウの吸収に努めてきた。
高齢化で需要が拡大すると判断し、ワタミの介護事業買収で本格進出する。

「メッセージ」を260億円で買収

損保ジャパンは、2015年12月に「メッセージ」を260億円で買収

ここがポイント

  • 損保ジャパンの売上高は、介護業界で2位
  • 売上高は、当時で1143億
  • 介護事業を成長分野と位置づけて、収益の柱に育てる

以下は日経新聞の記事からの引用です。

損保ジャパン日本興亜ホールディングス(HD)は18日、介護事業大手のメッセージを買収すると発表した。
TOB(株式公開買い付け)を実施し、出資比率を現在の3.5%から51%以上に引き上げ子会社にする。
取得額は少なくとも260億円以上となる見通しだ。
10月に発表した居酒屋大手「ワタミの介護」に続く介護事業者の買収で、ニチイ学館に次ぐ業界2位に浮上する。

メッセージの2015年3月期の連結売上高は前の期比6%増の789億円、営業利益は10%増の73億円だった。
損保ジャパン日本興亜HDは10月に「ワタミの介護」の買収を発表し、会社名を「SOMPOケアネクスト」に今月改めた。
両社を合わせた売上高は1143億円となり、ベネッセホールディングスの介護事業(873億円)を上回る規模になる。

損保ジャパン日本興亜HDは介護事業を成長分野と位置づけ、国内の生損保事業と海外事業に並ぶ第4の収益の柱に育てる構えだ。



介護業界の売上高

SOMPOが損保ジャパンと同じグループの会社です。
SOMPOグループは、売上高は介護業界の第2位で、かなり本気であることがわかります。
ただし赤字なので、早急に業績を回復させたいはずです。

会社名 売上高(2018) 営業利益
ニチイ学館(介護部門) 1511億円 145億円
SOMPO(介護部門) 1250億円 -14億円
ベネッセ(介護部門) 1118億円 88億円

国内損保事業から介護事業に4,000人を配置転換

損保ジャパンは、2019年6月に国内損保事業から介護事業に4,000人を配置転換すことを発表しました。

ここがポイント

  • 損保事業の人員を4000人減らして、2万7000人から2万3000人にする
  • 4000人は、介護やセキュリティーなどの事業に配置転換される
  • IT、主にRPAを活用することで、定形業務の生産性を高める

以下は日経新聞の記事からの引用です。

損害保険ジャパン日本興亜は2020年度末までに、国内損保事業の従業員数を4000人減らす。
17年度に比べて人員を2割弱、削減する。
IT(情報技術)の活用で生産性を高めるほか、新卒採用も絞る。
介護やセキュリティーなど市場が伸びる事業への配置転換も進め、効率化を急ぐ。

損保ジャパンは20年度末までに国内損保事業の人員を4000人削減し、全体で約2万3000人まで減らす。
21年度に100億円規模の収益改善効果を見込む。

損保事業では定型業務を自動化するロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)の活用を進める。

この記事を深読みしてみます。

会社側は、リストラしたかった4000人に対して、割増退職金を払う必要がありません。
一人辺りの割増退職金を1000万としても、リストラする際に必要だった400億円を会社側が支払う必要がなくなっています。
両社の買収額の合計が470億円なので、リストラするために必要だったお金で、ほぼ2社を買収できていた計算になります。
さらに言えば、社員が配置転換を断った場合の退職金は、減額される可能性もあるので、会社としては大喜びです。

会社側としては、下記のどちらにお金を出したいのかは、誰が考えても明白です。

会社がお金を出したいのは、どっち?

  • リストラに必要なお金;400億円
  • 2社の買収に必要なお金;470億円



損害保険や生命保険各社が介護事業を拡大

ソニー生命保険や明治安田生命も、介護付き有料老人ホーム事業を拡大する方針です。

ここがポイント

  • 東京海上ホールディングスや明治安田生命保険も介護関連事業を拡大する
  • 保険料収入は伸びないけど、介護事業は伸びる

以下は日経新聞の記事からの引用です。

損害保険や生命保険各社が介護事業を拡大している。
損保ジャパン日本興亜ホールディングスは2日、居酒屋大手ワタミの介護子会社を買収すると発表。
東京海上ホールディングスや明治安田生命保険も介護関連事業を拡大する方向だ。

保険会社の介護事業に対する関心は高い。
訪問介護事業をグループ会社で手掛ける東京海上も今年6月、サービス付き高齢者向け住宅の運営に参入すると発表した。
ソニー生命保険などを傘下に持つソニーフィナンシャルホールディングス(ソニーFHD)の子会社は来年4月に都内で有料老人ホームを新設。
明治安田生命も介護付き有料老人ホーム事業を拡大する方針だ。

厚生労働省によると、介護保険の給付費は2025年度に約20兆円となり15年度の2倍に膨らむ見込み。
人口減の影響で保険料収入が伸び悩む生損保市場とは対照的だ。

この記事を深読みしてみます。

東京海上ホールディングスや明治安田生命保険で働いている社員も、将来的には配置転換という形で介護事業に回される可能性が高そうです。

まとめ

この記事では、損保ジャパンの配置転換に関するニュースをまとめました。
損保ジャパンの配置転換は、リストラとも取れますが、企業としては配置転換する4000人の社員に頑張って欲しいという気持ちもありそうです。
なぜならば、介護事業は成長産業のはずなのに、現在は赤字だからです。
しかも、損保ジャパンだけが赤字という状態です。
「損保事業の効率化」+「赤字の部門の立て直し」というのは、経営者ならば、当たり前のように考えるべきことです。
移動することになる4000人の社員には、是非、介護事業で頑張って欲しいですね。

ただし、SOMPOケアでは、2018年度に1600人が離職しているそうです。
介護の離職率は17%で、他業種の平均に比べて2%も高い状態です。
介護の現場で働くことになる社員は、苦労することになるかもしれません。

今後は、他社でも同じことが起こりそうなので、そういったニュースも注視していきたいと思います。

Good luck!

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