この記事では、IT業界にプログラマを増やす方法を考えていきたいと思います。
記事の内容
IT業界は、今、未曾有のプログラマ不足に悩まされています。
都内でのwebプログラマの有効求人倍率は8倍ぐらいを推移しています。
経済産業省が作っている資料によると、2020年で29万人、2030年だと最大で約80万人ものプログラマが不足すると言われています。
それにしても、なぜ、プログラマはここまで不足しているのでしょうか?
IT業界でプログラマが減り続けた理由
IT業界は、3Kと呼ばれていた業界です。
「きつい」「厳しい」「帰れない」「給料が安い」という状況が30年以上も続いていました。
そのような環境では、当たり前ですが、プログラマが増えるはずもありません。
その背景には、「プログラマはブルーワーカーであり、上級SEが設計したものをプログラマが実装する」という考え方がありました。
そのため、大手Sierに勤めるSEが設計したものを、下請け企業に勤めるプログラマが実装するという体制が長らく取られていました。
その結果、Sierに勤めるSEの給料は高くなり、プログラマの給料は自然と安くなりました。
そして、その状況を嫌って、多くのプログラマは設計を手掛けるSEを目指していました。
それが、「プログラマ35歳定年説」と呼ばれるものです。
こうして、プログラマの供給数は減り続けて、コードを書かないエンジニアが増えていきました。
残念なことに、コードを書けないエンジニアには、あまり価値がありません。。。
IT業界でプログラマが育たない理由
IT業界では、上司は部下をあまり育てようとしません。
詳細は別の記事に書いたのですが、主な理由は3つです。
- 部下が育つと、給料の高い自分が閑職に追いやられる可能性がある
- プログラマの離職率が高いので、部下を育てても無駄になる可能性が高い
- 自分の勉強で忙しい
メルカリの制度を導入したら、プログラマは増えていくかもしれない
上記の内容を簡単にまとめると、下記のようになります。
- プログラマの仕事はきつい
- プログラマの仕事は厳しい
- プログラマの仕事をやっていると、残業時間が長い
- プログラマの仕事は給料が安い
- プログラマとして頑張っても左遷される可能性がある
- プログラマは部下を育てるメリットが少ない
- プログラマは自分の勉強で忙しい
当然ですが、これではプログラマを目指す人が増えるはずもありません。
それを以下のようにすれば、プログラマが増えていくはずです。
- プログラマの仕事はきつくない
- プログラマの仕事は納期などに厳しくない
- プログラマの仕事は残業時間が少ない
- プログラマの仕事は給料が高い
- プログラマとして頑張っていたら、何らかのメリットを享受できる
- プログラマは部下を育てるメリットがある
- プログラマは自分の勉強で忙しい
勉強時間を減らすことは難しいと思いますが、それ以外のところは大幅に改善余地があります。
上の4つはすぐに改善できるにしても、「何らかのメリット」をどうするかは思案のしどころです。
そんな時に、先日、メルカリさんの記事を読みました。
私は専門家ではないので、詳細な説明は省きますが、簡単に言えば「株式を従業員に配る」という制度をメルカリさんは導入しています。
この制度があれば、「プログラマとして会社のために頑張ること」や「部下を育てること」にも意味が生まれてきます。
つまり、仮に自分が何らかの事情で、社内において不運な人事に見舞われたとしても、会社さえ成功していれば、成功の果実(お金)を手にすることができます。
以下の文章は、記事からの引用です。
創業当時から、進太郎さん(代表取締役会長兼CEO)は「成功したときの果実や失敗したときの痛みは、全員で分け合うべき」という強い想いを持っていて。
多くの企業では、「成功した時の果実」は経営者だけが手にします。
それはそれで、資本主義としては間違っていません。
でも、それならば、「プログラマが部下を育てないで、自分のことだけしか考えないこと」も資本主義としては間違っていません。
現実問題、今、5年以上の経験を持っているプログラマとしては、後進のプログラマが育たなくても一向に構わないはずです。
ただし、そういったことを続けていると、日本のIT業界自体が縮小して、GAFAなどに吸収されてしまいます。
それを避けるためには、経営者と従業員が一つの船に乗る必要があり、そのためには株式を従業員に積極的に配ることが最善だと考えています。
このような施策は、すでにアメリカでは取られており、同じことをやることによって、日本にもプログラマが増えていくはずです。
Good luck for your engineer life!
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