記事の内容
この記事では、IT業界で働く人やエンジニアの数を見ていきたいと思います。
エンジニアの数
エンジニアの数をどのように数えようかと思ったのですが、ここでは「基本情報処理技術者試験を取得した人」をエンジニアとして数えることにします。
もちろん、基本情報を取得していなくても立派なエンジニアになる人もいますし、取得してもエンジニアにならない人もいます。
でも、この記事では、そういった数は気にしないことにします。
下記のグラフは、情報処理の合格者数の推移です。
このグラフを見てもらえればわかりますが、エンジニアの供給量というのは、30年前からさほど変わっていないようです。
平均すると、毎年、およそ29,000人のエンジニアが生まれています。
ちなみに、合格者数を1984年から合計すると約97万人になります。
これは国勢調査が発表している「IT人材はおよそ90万人」と一致するので、あながち間違っている数字でもなさそうです。
ちなみに、90万人のエンジニアのうち、70万人がIT産業で働き、20万人が他の産業で働いているようです。
全業界で働く15歳から34歳の労働人口
次に15歳から34歳で、全業界で働いている人の数を見てみます。
2005年以降の落ち込みが顕著です。
2004年では2,000万人ぐらいだった労働人口が、今では1,700万人に減っています。
ただ、興味深いことに、若者の人口と「若者でエンジニアになる人」の数が比例していません。
それは、人口あたりのエンジニアになる数は、増えているということを意味しています。
下記のグラフは人口あたりのエンジニアになる割合を示しています。
ただ、グラフで見るとほとんど横ばいでした。
2005年以降に、急激に伸びた時期もありますが、おおむね、0.1%から0.2%の間に収まっています。
2017年の若者はおよそ1,700万ですが、エンジニアになる人は23,000人です。
若者の約0.14%だけが、エンジニアになるようです。
(すでにエンジニアになっている人の計算はしていないので、概数です。)
2000人に3人なので、随分と狭き門です。
ただ、このグラフはちょっと不自然な気もします。
2005年以降に労働人口が減ったタイミングで、人口あたりのエンジニアになる人が倍になっています。
つまり、2005年だと1000人に1人がエンジニアになっていたのに、2008年頃には1000人に2人がエンジニアになっています。
理由は2つ考えられます。
- Web2.0が流行り始めた頃なので、その人気に合わせてエンジニアになった人が増えた。
ただ、その理由だと2010年以降の落ち込みは説明がつきません。 - 政府が合格者数をコントロールしている。
基本情報は難易度が毎年、変化しますし、難易度調整の加点などもあります。
その可能性は十分にありそうです。
IT業界で働く人の数
最後にIT業界で働く人の数も見てみましょう。
これはエンジニアではない人も含まれています。
IT業界で働く人は、ここ10年で50万人以上、増えています。
人口減社会で、他の産業で働く人が横ばいか減少傾向にある中で、IT業界だけは伸びています。
IT業界の人気の高さが伺えます。
でも、まだまだIT業界で働く人達は少ないようです。
建設業で働く人達は500万人もいますし、製造業で働く人達は1,000万人もいます。
まとめ
では、最後に統計からわかったことを改めて書きます。
ここがポイント
- 日本の若者世代(15-34歳)の労働人口は減り続けていて、現在はおよそ1,700万人
- 毎年、エンジニアになる人はおよそ29,000人
- 若者の0.1%から0.2%がエンジニアになる。1000人に2人程度
- エンジニアではないけど、IT業界で働く人の数は増え続けていて、現在は210万人
Good luck for your engineer life!
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