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エンジニアに将来性はあるのか?【35歳を過ぎてもエンジニアでいたい人に見て欲しい】

更新日:

今は、エンジニアは売り手市場だと聞いていますが、将来的にはどうでしょうか?
40歳、50歳になった時にどうなっているのか心配です。

記事の内容


その心配はもっともですし、少なからず私も心配しています。
ただし、心配はしているものの、web業界の未来とエンジニアの将来は明るいと思います。
将来的には、全ての業界がweb業界に吸収されていく形になり、webエンジニアやプログラマは、かなり重宝されるはずです。
この記事では、私がそう思う理由を説明します。
ただし、将来のことは誰にもわからないので、盲信はしないようにして下さい。

過去10年を振り返ってみて

外れたプログラマ35歳定年説

未来を予測するためには、過去が参考になります。
まずは、10年ぐらい前の過去まで遡って、IT業界を見ていきます。

2007年当時は、「プログラマ35歳定年説」という常識がはびこっていました。
それは、エンジニアは35歳を過ぎたら、コードを書かずにPM(プロジェクトマネージャー)になれという常識です。
詳細はこの記事の最後に書きましたが、当時のエンジニア達は「プログラマ35歳定年説」を聞いて、自分達の将来を心配していたものです。
ところが、2018年にフタを開けてみれば、面接で「ジョージさんは、PMだけでなくコードも書けるんですよね?」と聞かれる始末です(笑)
現場にもよると思いますが、現在は、プロジェクトマネージャーよりもコードを書ける人の方が重宝されています。
つまり、「プログラマ35歳定年説」は大幅に外れました。

また、当時は、「30代以降になると文系の人は出世して給料が上がっていくが、理系の人の給料はあまり伸びない」といった話をする人もいました。
理系といえば、「ノーベル賞をもらった島津製作所で働く田中さん」のイメージを持つ人もいたはずです。
(彼はノーベル賞をもらうまでは、社内ではあんまりうだつの上がるタイプではなかったそうです。不思議ですね。)
ところが、今、webエンジニアの年収はドンドンと上昇していますが、銀行のような文系職だと、景気のよい話はあまり聞きません。
むしろ「銀行員は仕事がAIにとられるので、リストラされるだろう」といった話があるぐらいです。
ここでも、10年前の予測は外れています。

過去の10年を振り返るとわかるように、ITの進化が早すぎるせいで、10年後の未来を予測することは難しくなっています。
それでも、一応、未来を予測をしている人はいるので、この本を読んでみるのも面白いかもしれません。

10年間で少しだけ上がった給与

10年間の給与の推移が気になる人もいると思うので、それについても説明します。
dodaの資料を使って、2009年と2019年の年収を比較します。
10年前に比べると、エンジニアの職種が大幅に増えたので、簡単に比べることはできません。
参考程度として下さい。
下記の図を見る感じだと、おおむね年収は上がっています。

職種が増えたということは、それだけ仕事が増えたということを意味しています。
伸びている業界であることが、よくわかります。

職種 2009年の
平均年収
2019年の
平均年収
ITコンサルタント 599万 611万
プロジェクトマネージャー 597万 656万
SE・プログラマ 435万 422万
ネットワークエンジニア 426万 457万
サーバーエンジニア 450万 467万
テクニカルサポート 418万 419万
データサイエンティスト 522万
システム開発/運用 471万
パッケージ導入 451万
スマホアプリ 442万
制御系ソフトウェア 435万
Webサービスエンジニア 429万
データベースエンジニア 414万
社内情報システム 464万
デバッグ/テスター 387万
運用/監視/保守 383万
ヘルプデスク 347万

サーバーエンジニアについては、年代別にも見てみましょう。
20代は下がっていますが、経験を積んだ年代の年収は上がっていることがわかります。
この10年間の日本で、30代の年収が上がっている業界はIT業界ぐらいではないでしょうか?

2009年のサーバーエンジニアの平均年収は以下の通りです。

  • 25-29歳;421万円
  • 30-34歳;486万円
  • 35-39歳;526万円

2019年のサーバーエンジニアの平均年収は以下の通りです。

  • 20代;385万円
  • 30代;537万円
  • 40代;613万円
  • 50代;654万円

平均年収ランキング2010
平均年収ランキング2019

次に日本社会の先をいくアメリカ社会に目を向けてみます。

日本を先行するアメリカ社会

アメリカ社会では、50歳になってもコードを書き続ける人は珍しくありません。
そしてエンジニアの給料は上がり続けていて、RubyやPythonを使えるエンジニアの平均年収は1,300万だそうです。

エンジニアの努力もあるとは思いますが、アメリカ社会におけるIT企業の強さとITエンジニアの需要の底堅さを感じさせます。
今やApple、Amazon、Microsoft、Googleの4社が時価総額100兆円を越えています。
今後も、これら4社とFacebookは世界を支配し続けていくのでしょう。

ちなみに、アメリカのエンジニアは、安価に働くフィリピン人やインド人と価格競争をしつつも、常に給料が上がっています。
途上国と価格競争をしつつ、エンジニアの給与が上がっているということは、エンジニアの需要は本物だと言えます。

一方で、フィリピンにおいて、リモートワークでアメリカの会社と仕事をするエンジニアもいるのですが、彼らは月給50万円ほどで働いています。
フィリピン人の月給は4、5万円なので、一般人の年収をわずか一ヶ月で稼いでいる計算です。
日本では、あまり聞かない夢のような話です(笑)

また、アメリカ社会ではリモートワークが浸透しています。
2017年のNY timesの記事によると、43%以上の人が一定量の仕事をリモートワークでこなしているようです。

Last year, 43 percent of employed Americans said they spent at least some time working remotely, according to the survey of more than 15,000 adults.

アメリカ社会の特徴

  • アメリカでは、50歳になってもエンジニアはコードを書き続ける
  • アメリカでは、ITエンジニアの需要が高い
  • アメリカでは、ITエンジニアの給料が上がり続けている
  • アメリカでは、リモートワークが浸透している

次に日本社会の未来を予測してみます。



将来の日本社会を予測してみる

変化する働き方

日本社会では、最近になって副業が解禁されましたし、「働き方改革」もよく言及されています。
そして、日本は急速に高齢化社会が進みます。
これらの状況を考えながら、日本はアメリカ型社会の後追いをする傾向にあるということも考慮すると、日本の将来はきっとこのようになっているはずです。

将来の日本はこうなっている?

  • エンジニアは50歳になってもコードを書き続ける
  • エンジニアの給料は上がり続ける。
    英語圏のように価格が安いオフショア先(インドやフィリピン)もないので、目立った下げ圧力はない。
  • リモートワークが一般的になる。
    週2、3回のリモートワークは普通になっているかもしれません

ちなみに、エンジニアが働く年齢については、経済産業省も似たような予測をしています。
2030年には、50代以上のIT人材の割合が、現在に比べて3倍になっています。
(彼らがコードを書き続けるは限りませんが)

変化する仕事内容

働き方だけではなく、仕事内容も大幅に変わるはずです。
10年間で、dodaに書かれている職種が9個も増えました。
ということは、これからの10年間でも同じぐらいの仕事が増えるかもしれません。

例えば、現在、ネットワークエンジニアという仕事と職種が激減し始めています。
その代わりにできた職種が、クラウドエンジニアです。
クラウドエンジニアとは、アマゾンAWSや、マイクロソフトAzure、グーグルGCPといったクラウドサービスを扱うエンジニアです。
ネットワークエンジニアの延長線上にある職種ではありますが、別物だと捉えて勉強しないことには、クラウドエンジニアになることはできません。

このように、既存の技術を踏まえた上で、新しい技術の習得が必要になる仕事は、多く出てくるはずです。

将来の仕事内容

  • 新しい職種や仕事が、さらに増えているかも?

不足するIT人材

IT人材は、大幅に不足すると言われています。
経済産業省の資料によると、2030年で最大で79万が不足すると言われています。
政府の見積もりは甘いことが多いので、実際はもっと不足するかもしれません。

ただし、AIや技術の発達によって、反対にエンジニアの仕事が減る可能性もあります。
また、2020年には、小学校でプログラミングの義務教育が始まります。
教える先生が不足しているので、どのような成果が出るかはわかりませんが、エンジニアが増える可能性はありますね!

将来のエンジニア数

  • 2030年には、最大で79万人が不足!
  • 教育の向上により、エンジニアが増えるかも?

上記のことを踏まえて、エンジニアはどのような生存戦略を立てたらよいのでしょうか?


エンジニアの生き残り戦略

ここまで読んできたところで、漠然ながらも、10年後の未来が見えてきたのではないでしょうか?
楽観的な未来にも見えて、悲観的にも見えてきます。
そういった未来が見えるなかで、将来もエンジニアとして生き残っていくための戦略を説明します。

何歳になってもコードを書く

これは、必ずしもプロジェクトマネージャー(PM)になることを避けろと言っているわけではありません。
PMの立場になって全体を知ることは大事なことです。
でも、「俺はPMだから、コードを書く必要はない」と言い切ってしまうのは危険です。
どのような未来にも対応できるようになるために、コードを書けるPMを目指しましょう。

変化に強くなる

ここ数年で、大幅に職種が増えて、インフラエンジニアの仕事が激減したことは、すでにお伝えしました。
同じことは、これから先も十分に起こる可能性があります。
AndroidやiOSなどに使われる言語が変わったとしても全く不思議ではありません。
例えば、Androidアプリを書く言語は、徐々にJavaからKotlinに変わりつつあります。
また、iOSとAndroidアプリ開発を同時に行えるクロスプラットフォーム開発も流行りつつあります。
そうなっていくると、KotlinやSwiftといった言語はあまり使われなくなり、JavaScriptやDartといった言語が人気になるかもしれません。
何かが無くなったら、その代わりに何かが生まれてくるのがIT業界です。
新しいものを常にキャッチアップできるような姿勢がエンジニアには求められます。

他者との差別化を図る

今もエンジニアは増え続けていますが、幅広い範囲を対応できるエンジニアは、さほどは増えていないように見えます。
デザイン、フロント、アプリなど、ユーザーに見せる側のエンジニアは増えています。
でも、SQLやOS周りをさわれるエンジニアの数はあまり増えているようには見えません。

エンジニアの仕事は積み重ねです。
フロントができる人は、そこにアプリ、SQL、OSなどを積み重ねましょう。
アプリができる人は、フロントなどを積み重ねましょう。
そのように、常に何かを積み重ねられるエンジニアになれば、若いエンジニアを恐れる必要は何もありません。
もちろん、国語力、英語力、数学力といった基礎学力も武器になります。
今、自分が持っていないことを嘆くのではなく、これから一つ一つ何かを積み重ねていく自分の姿を想像しましょう。

英語を話せるようになる

これから、日本人も欧米人と英語で仕事をする機会も増えてくるはずです。
また、オフショア開発などで、フィリピン人やベトナム人と英語で話す機会もあるかもしれません。
ということは、英語が話すことができれば、チャンスが増えることは間違いありません。
とはいえ、エンジニアが必要とする英語力は、まずはTOEIC600点ぐらいで十分です。
最初は、オンライン英会話などで、英語に慣れ親しみましょう。
オンラインなので家にいても始められますし、月額で8,000円程度なので、お手軽に始めることができます。

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まとめ

IT業界はここ20年間、顕著に成長しましたし、今後も成長は続きます。
ただし、IT業界でも伸びる分野と、そうでない分野があります。
残念なことに、企業の御用聞きであるSierは、あまり伸びる要素はありません。
それは富士通のリストラをみれば明らかで、多くのSierは沈んでいく一方でWeb業界は盛り上がっていくはずです。

エンジニアとして長くやっていくためには、そういった環境の変化を丁寧に見極めた上で、キャリアプランを立てていく必要があります。
web業界ならびに、webエンジニアの将来は明るいと思います。
後は、どれだけ古い技術と新しい技術の両方に対して詳しくなれるかが、生き残りの鍵かと思います。

Good luck with your engineer life!

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