記事の内容
私達は、「貨幣で繋がる空間」と「関係性の空間」の中で生きています。
この記事では、それぞれの空間の説明と下記のような図を用いて、一般的な日本人やフィリピン人の空間での過ごし方について説明していきます。
我々が生きている3つの社会空間
我々が生きている空間には、大まかに言えば2つの空間があります。
一つは、恋人、友人、家族といった関係性で作る空間です。
この記事では、その関係性をさらに2つにわけて、愛情空間と友情空間としています。
もう一つは、金銭の受け渡しを通してやりとりする貨幣空間です。
関係性の空間(愛情空間と友情空間)
関係性の空間には、恋人や友人だけでなく、同僚や友達未満?のような人達も含まれています。
その関係性の空間に抱えている人数は、多い人でも50人未満でしょう。
関係性の空間の中で、多くの幸せと不幸が生み出されます。
恋人がいれば人生は楽しいですし、友人関係が充実していても楽しいはずです。
一方で、大きな不幸であるパワハラやセクハラも、関係性の空間の中で起こります。
人間が大きな不幸を感じるには、「継続的な不幸」が必要です。
例えば、女性が電車の中で、単発的な痴漢にあったとします。
しばらくの間は怖いし気分も悪いとは思いますが、やがては不幸だとは思わなくなります。
なぜならば、人間には忘却する機能があるので、多少の不幸ならば忘れることができるからです。
しかし、社内のセクハラの場合は継続して起こります。
そうすると、人間は、それを大きな不幸だと感じるようになります。
また、殺人の半分以上は親族間で起こり、他の殺人でも知り合いのケースがほとんどです。
通り魔のような、偶発的に起きる殺人は稀です。
介護問題は、関係性の空間の中だからこそ、問題になります。
介護を関係性の空間から貨幣空間に移せば、問題は起こりづらくなります。
そう考えると、大きな幸せと不幸を生み出すのが関係性の空間の特徴だと言えます。
貨幣空間
貨幣空間は、お金でやりとりする空間なので、多くの人が含まれています。
コンビニの店員、駅員、飲食店の店員など、全てが貨幣空間に含まれる人達です。
パパ活、キャバクラ、風俗なども貨幣空間に含まれます。
貨幣空間は、お金を介したコミュニケーションなので、お金さえ払えば全てが平等です。
メルカリで物を買う時には、相手の素性を気にする人はいません。
たまには、ちょっとしたトラブルはあるかもしれませんが、大きな問題は起きません。
なぜならば、基本的には、全てが金銭的に解決されるからです。
ただし、貨幣空間が大きな幸せを生み出すこともありません。
例えば、Aさんが月に10万ぐらい払って、パパ活で知り合った女性と仲良くなったとします。
それでAさんが幸せになれるかと言えば、そんなことはありません。
もちろん、多少は幸せになれるのですが、「関係性の空間」で付き合っている女性と比べると雲泥の差です。
つまり、大きな幸せも不幸もないのが、貨幣空間と言えます。
ちなみに、関わる人間の多さで言えば、貨幣空間の方が圧倒的に多いのですが、我々の幸せに大きく関係するのは、50人以下で構成される愛情空間と友情空間です。
学生時代の社会空間の在り方
学生は、どのように、この空間で生きているのかを説明したいと思います。
学生とて、客観的に見た場合、多くの生活は貨幣空間で起こっています。
でも、彼らの主観から見た場合は違います。
友人と恋人が、学生生活の多くを占めています。
つまり、客観的に見た場合と主観的に見た場合とでは、空間を占める割合が大きく異なっています。
そのため、時にはそれが原因で、学生は親と喧嘩することがあります。
それが、一般的には反抗期と呼ばれています。
ソロ男の社会空間の在り方
ソロ男とは、荒川和久さんが提唱している概念です。
端的に言ってしまえば独身男性のことですが、もう少し詳しく説明すると、「意図的に結婚しない独身男性」のことを指しているようです。
言うならば、独身生活に満足している男性のことなのかもしれせん。
ソロ男の生活空間もグラフにしてみましょう。
ソロ男の特徴は、「客観的に見た空間」と「主観的に見た空間」が、ほとんど同じという点にあります。
ようするに、ソロ男は何をする時でも貨幣空間で生きているということです。
趣味をするにしても、特別な友人とするわけではなく、お金を払ってヨガや空手などをします。
麻雀をするにしても、学生時代ならば仲間内でしたが、社会人になってからはフリー雀荘に行って見知らぬ人と打ちます。
また、性欲処理は風俗に行って金銭的に解決します。
年に1、2回は旧友と親交を深めることもあるとは思いますが、基本的には全ての日常生活を貨幣空間で済ませています。
そうして、そろ男は「小さな幸せ」と「小さな不幸」を感じる生活を送っています。
既婚者の社会空間の在り方
次に既婚者のグラフを見てみましょう。
既婚者の場合も客観的に見た場合は、ソロ男とほとんど変わりません。
ほとんどの生活を貨幣空間で過ごしています。
しかしながら、主観的に見ると大きく異なります。
既婚者にとって大事なことは家族であり、それが生活の多くを占めています。
家族というのは、法律的な面でも特別です。
身内の犯罪をかばっても罪に問われないこともありますし、身内を介護しないと罪に問われることもあります。
また、一人前だと認められている成人が罪を犯しても、テレビ局が親のところに行くのは日本では自然なことです。
愛情空間がこれだけ大きくなると、幸せの揺れ幅は上にも下にも大きく動きます。
幸せな家族は微笑ましいものですが、一方で殺し合う家族がいるのは、生活に占める愛情空間の割合が大きすぎるからでしょう。
フィリピン人の社会空間の在り方
最近は、フィリピンでも、都会の方では社会の在り方が変わってきています。
ここで紹介するフィリピン社会は、田舎の方の話です。
フィリピンの田舎社会では、客観的に見た場合でも、生活に占める家族と友人の割合が多いです。
なぜならば、フィリピンの家族だと10人以上の家族は珍しくありませんし、近所で働いている店員は普通に友人だからです。
そのため、「客観的に見た場合」と「主観的に見た場合」で差があるとは思いますが、いずれにせよ、家族と友人関係が生活の多くを占めています。
それが、フィリピン人の幸福度が高い要因の一つだと思います。
一方で、隣人を殺す事件が起きるのもそのためです。
自分の理想をこの図から探してみよう
自分の人生に迷っている人は、「今の自分がこの図を使った場合にどうなっているのか」「自分の理想の図はどう在るべきなのか」を考えてみて下さい。
私の場合は、幼い頃から人より貨幣空間が多くを占める中で生活をしてきたせいか、貨幣空間の方により馴染みがあります。
それでも学生時代は、ごたぶんにもれず、友人関係や恋人を大事にしてきたつもりですが、社会人になってからは、次第に貨幣空間に身を置き始めました。
そうして、今ではソロ男としてドップリと貨幣空間に浸かっています。
「結婚が怖い」というのは、「貨幣空間」が「愛情空間」に侵食されることを恐れているということが、この図を見ることでハッキリと理解できました。
私の希望としては、「愛情空間」や「友情空間」が、ほどよくある空間がいいなと思いますが、そんなものは学生時代にしか存在しないのかもしれません。
もしくは、発展途上国に移住するといいのかもしれません。
この記事を書くにあたっては、この本を参考にしました。
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