どうすれば、寛容性を身に付けることができますか?
記事の内容
寛容性とは、他人への思いやりとも言えます。
そして他人を思いやるためには、まずは自己を思いやる必要があります。
それをセルフコンパッションと呼んでいますが、この記事では、セルフコンパッションの身につけ方を紹介していきたいと思います。
日本人に足りないのは寛容性
最近、日本では「寛容さが失くなってしまった」とよく言われています。
そして、それに対して、「そんなことないよ、日本社会は寛容さで溢れている」と反論する人は、まずいません。
156の国を対象にした2019年の世界幸福度ランキングが発表されましたが、日本は58位でした。
中でも寛容さは92位という状況でした。
そのようになった理由には大きく分けて、2つあると考えています。
生き方に多様性が生まれて、仲間意識がなくなった。
1つ目の理由は、家族の形が多様になったからです。
1990年ぐらいまでは、多くの人が結婚をして、男性は通勤電車に乗って会社で働き、女性は家で子育てをしていました。
そのような均一な社会であれば、誰もが「お互い様だから仕方ないや」と思えたはずです。
でも、今の時代はそうではありません。
結婚をする人もいれば、独身の人もいます。
働く女性もいれば、子育てをする女性もいます。
そういった状況の中では、「お互い様だから仕方ないや」とは思うことはできません。
独身の人からすれば、子連れの存在は迷惑に思えるかもしれません。
子育てをしている人から見れば、独身は気楽な存在に見えるかもしれません。
それが、日本社会から寛容さを失わせた理由の一つです。
質を追い求める日本人の性格
昔から、物づくりやサービスに関する品質にかけては、日本人には定評があります。
おそらく、質を求めて細かい作業をさせたら、世界のトップレベルではないでしょうか?
ただし、それは従業員の負担の上で成り立っています。(ただ、それを負担と思わずにやってしまうのが日本人のスゴい所ではありますが)
例えば、車や工芸品を作る時や高級レストランのサービスでは、その性格が功を奏しています。
でも、スーパーやコンビニで働く人達に対して、その質を求める必要があるのでしょうか?
暇な時は店員同士で話していても問題はないと思いますし、別に立っている必要もないと思います。
疲れたら座って休んでいてもよさそうなものです。
例えば、フィリピンのレストランやコンビニで働く店員は、暇な時は談笑をしていますし、携帯もいじっています。
でも、それに対して文句を言うお客もいません。
店員には、そこまでは求めないというスタイルです。
日本でも、安い賃金で働く人達には、そこまで高品質を求める必要はないと思いませんか?
「まぁ、いっか〜」という寛容な気持ちを持つようになれば、きっと、みんなが楽になるはずです。
セルフコンパッションとは?
どうすれば、そのような寛容な気持ちを持つことができるのでしょうか?
寛容性とは「他人を大切にすること」と言い換えることもできます。
そして、他人を大切にするためには、まずは「自分を大切」にする必要があります。
その自分を思いやる力を、「セルフコンパッション」と呼んでいます。
日本人の寛容性を高めるためには、このセルフコンパッションが有用ではないかと思っています。
なぜならば、日本人は自分に厳しい人が多く、それを他人に押し付けてしまう人も多いからです。
ということは、自分に少し甘くなれば、他人に対しても優しい気持ちを持つことができるはずです。
もしかすると、「他人に甘くしたら仕事の成果が落ちてしまう」と考える人もいるかも知れませんが、むしろ、他人を思いやった方が仕事の成果が上がることの方が多いようです。
そこで、セルフコンパッション力を高める方法を紹介します。
セルフコンパッションを高めるためには、以下のような質問を複数人でディスカッションをします。
これらの質問をみんなで考えることで、他人の失敗を受け入れることができるようになり、自分や他人を思いやる方法を学ぶことができます。
そして、結果が出ないことに対して自分を責めることはせずに、自分に思いやりを示した方が結果が出るということも同時に学びます。
- なぜ、そのような恥ずかしい行動をとってしまったのか?
- 次に同じようなことがあったら、どのように改善しますか?
- 他の人達がリーダーシップを取れるように促すためには、どうしたらいいと思いますか?
- チームメンバーが失敗から学び、自己批判的にならないために、リーダーとして何ができると思いますか?
まとめ
日本は、従来は他国に比べて、他人を思いやる気持ちが強いことで有名でした。
東日本大震災の時に、暴動などが起こらなかった事については世界中が日本人を称賛していました。
また、日本企業の終身雇用制度についても、最近はマイナス面が強調されることもありますが、それと同じぐらいに「従業員を育てる文化」が素晴らしいという称賛の声もあります。
ただ、最近は、日本人の生真面目な性格が、悪い方に出ることが多いように見えます。
まずは自分自身を大切にするところから始めて、他人を思いやる気持ちも合わせて思い出して欲しいですね!
Good luck!
この記事は、こちらの本を参考にしました。