確かにWebエンジニアに成るためには、パソコンが一つあれば、それだけで十分です。
6、7年の実務経験を積んで、フリーランスになれば年間で1000万円以上を稼ぐこともできます。
でも、誰でも簡単にエンジニアに成れるならば、世の中はエンジニアだらけになっているはずです。
この記事では、世の中がそうなっていない理由を説明していきたいと思います。
記事の内容
Webエンジニアに成るためには、パソコンが一つあれば、それで十分だと聞いています。
その上で、6、7年の実務経験を積んだ上で、フリーランスになれば、年間に1000万円以上を稼ぐことができるとも聞いています。
これらの話は、本当なのでしょうか?
各職業の参入障壁と年収
まずは、他の職業につくためには、どれぐらいの時間とお金がかかるのか見ていきましょう。
医者
医者になる費用;5000万〜1億円
医大に通う期間;6年間
研修医としての修行期間;2年間
医者の年収;1500万円以上
医者になるための金額は、中高や大学の学費を考えると、1億円近くはかかるそうです。
また、医者として一人前?になるための期間は8年もかかるようです。
年収も高いですが、投資額もかなり高いですね!
トヨタ自動車
大学を卒業する費用;3000万
大学に通う期間;4年間
トヨタに勤務する期間;30年間
トヨタに勤める50代の社員の年収;1000万円以上
トヨタに入社するためには、基本的には大学を卒業する必要があります。
それからトヨタに30年間勤務して、ようやく年収1000万円に届きます。
公認会計士
大学を卒業する費用;3000万
公認会計士の試験の勉強時間 ;2年間
実務で働く期間;2年間
会計士の40代の年収;1000万円以上
公認会計士になるためには、まずは、公認会計士試験の1次と2次を突破しなければいけません。
試験に受かっても、それからさらに2年間の実務経験が必要で、最後に公認会計士試験の3次試験に受かれば、ようやく公認会計士になれます。
そこから、20年間ぐらい働くと、ようやく年収1000万円に到達します。
公認会計士を取るために、会計大学院に行けば、さらに費用がかかります。
タクシーの運転手
大学を卒業する必要はありません。
タクシーの運転手になる費用;一種と二種免許の合計で60万円、車の経費を合わせて100万円ぐらい
条件;一種免許の取得後、3年以上を経てから、二種免許を取得する必要があります
タクシー運転手の年収;300万円以上
タクシー運転手になるためには、運転免許証の一種をとってから、3年後に二種免許を取得する必要があります。
大卒である必要は特になく、普通免許をとってから3年後にはタクシードライバーになれるので、かなり難易度は低い気がします。
ただし、年収もそれ相応で、300万円前後しかありません。
エンジニアになるための参入障壁と年収
最後に、エンジニアになるための条件を見ていきたいと思います。
日本でエンジニアになる場合は、大学を卒業する必要はありません。
エンジニアになるための費用;PC代と勉強するサイト代で、50万円以下
エンジニアになるための勉強時間;3ヶ月から半年ぐらい。
実務で働く期間;3年間
エンジニアの年収;500万円
実務で働く期間;7年間
エンジニアの年収;1000万円
年収は目安ではありますが、都内でフリーランスになれば、現実的に目指せる数字です。
インターンの学生の時給が3,500円で、メガベンチャーの新卒が年収500万円の時代です。
経験を積めば、月収90万円、100万円は普通に貰える時代です。
どうして、Webエンジニアは1000万円を稼ぐことができるのか?
各職業の比較
こうして考えると、エンジニアになることは、医者になることや、公認会計士になることに比べて、圧倒的に費用対効果の高い投資であることがわかります。
エンジニアになるための費用は、タクシー運転手になるための費用よりも安く済みます。
エンジニアになるための時間は、タクシー運転手よりもかかりません。
そして、エンジニアが稼げる金額は、医者には及ばないものの、公認会計士と同様です。
1000万円を稼ぐのに到達する時間は、エンジニアが一番、早いです。
そういった条件をまとめたのが、下記の図です。
職業 | 一般的に 必要な学歴 |
かかる費用 | 勉強時間 | 1000万に 届く期間 |
医者 | 大学に6年間 | 5千万から 1億円 |
8年 | 8年から10年 |
トヨタ自動車 | 大卒 | 3千万円 | 入社試験の突破 | 30年間 |
公認会計士 | 大卒 | 3千万円 | 2年間 | 20年間 |
タクシー運転手 | 高卒 | 100万円 | 3年間 | 難しい |
エンジニア | 高卒 | 50万円 | 半年 | 7年間 |
こうして、表にしてみると改めて不思議です。
エンジニアは、各職業のいいとこ取りみたいになっています!
通常であれば、こういった職業には人が殺到して、世間はエンジニアだらけになっていてもおかしくありません。
でも、現実はそうはならずに、エンジニア不足はずっと続いています。
どうして、このような産業構造になっているのでしょうか?
その理由ですが、エンジニアの入口に立つことは簡単ですが、一人前のエンジニアになるためには、いくつかの難しい条件をクリアすることが必要とされるからだと、私は考えています。
でも、その条件は曖昧で、詳細に説明はされていません。
だからこそ、エンジニアは参入障壁が低いけれど、稼げる職業になっているのだと思います。
トヨタの場合であれば、誰もが、「トヨタ自動車の入社試験を突破すること」は難易度が高いことだと知っています。
また、「トヨタの入社試験を突破」することは、「学歴、大学の成績、人格、教養の全てにおいて高いレベルの人材であること」という条件についても、多くの人が知っているはずです。
でも、エンジニアの場合は、「一人前のエンジニアになることは、難しいこと」とはあまり知られていないため、それでエンジニアの入口に殺到するが人が多いように見えます。
では、一人前のエンジニアになって、1000万を稼ぐためには、どうすればいいのでしょうか?
1000万円を稼ぐWebエンジニアになるために
具体的にエンジニアとしての入口に立ってから、一人前になるための行動指針をお伝えします。
継続して学び続ける
まずは、継続してプログラミングを学び続ける必要があります。
私のエンジニアとしての業界経験は10年以上ですが、それでも定期的に勉強を続けています。
インターネット、Web業界の進化のスピードは早いので、新しい技術が次々に出てくる一方で、様々な技術がすぐに陳腐化してしまいます。
エンジニアは、それらをキャッチアップしていくために、継続して勉強を続けなければいけません。
そういった意味では、エンジニアであり続けることは、トヨタの社員になることよりも辛いかもしれません。
よさそうな環境に思い切って飛び込む力
IT業界は、玉石混交なので、よい環境もあれば悪い環境もあります。
そして数量的には、残念なことに、悪い環境の方が多い気もしています。
そのため、よさそうな環境を見つけたら、試しに飛び込んでみる力が必要とされます。
例えば、「都内には、いい企業が多いので、2、3年は都内で経験を積んだら?」と提案をされた時に、どう対応するかが、いいエンジニアになるための分岐点になります。
大学生であるならば、プログラミング学習のために大学を休学はしたくはありません。
また、地方に住んでいる人は、地元に残って仲のよい友人や家族と過ごし続けたいと考えています。
そこで、現状を捨てられない人は、何も変わらないし、一人前のエンジニアにもなれません。
自分がやりたいことに蓋をして、いい環境でプログラミングをすることを選択できる人が、一人前のエンジニアになれる人だと思います。
ただし、若い時に大学などで情報工学の勉強をして、すでに経験を積み上げている人は、この限りではありません。
可愛がられ力(育成してもらいやすい性格)
最後に、「可愛がられ力」もあるに越したことはありません。
IT業界は、職人の世界なので、人からノウハウを教わる場面が多くあります。
誰でも、嫌な奴を教育したいとは思いませんし、反対に「こいつは可愛い奴や」と思われたら、色々なことを先輩社員から教えて貰えるようになります。
その点では、「可愛がられ力」も大事な要素な気がします。
ただし、私は「可愛がられ力」は持ってはいないものの、なんとかエンジニアとしては一人前になれたので、必須条件というわけではありません。
まとめ
この記事では、各職種の参入障壁や一人前のエンジニアになるための行動指針を伝えました。
エンジニアになったばかりの人達や、これからエンジニアになろうとする人達を見ていると、2つの内のどちらかが欠けている人が多いように見えます。
「エンジニアとして就職したから、勉強をする気になれない」「家族や恋人の事情があるから、上京はできない」「現職があるから、急がしくて勉強できない」といった状況は全て理解することはできます。
ただし、そういった人達の多くは、エンジニアにはなれたとしても、エンジニアとして一人前になることは難しいように思います。
「これからエンジニアになって稼ぎたい」と思っている人には、どんな職業よりも少ない投資額で、最速で年収1000万円に到達できるエンジニアという職業の意味を改めて考えて欲しいなと思います。
Good luck for your engineer life!
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