この記事では、「ディベートで提案されたリスクを無視するのは止めよう」という話をしたいと思います。
最近は、ユーチューブなどの影響もあり、様々な場所でディベートを見かけるようになりました。
それ自体は非常にいいことです。
でも、ちょっと議論が稚拙だと感じることがあります。
ある人が社会的に新しい提案をした時に、他の人がその提案に対するリスクを発言します。
そして、なぜか、そのリスクを無視する発言を耳にすることがあります。
同性婚の話
例えば、同性婚についての話があったとします。
Aさん;
同性婚は認められるべきだよね。
Bさん;
同性愛は本人達の自由だけど、同性婚は偽装結婚をすることで、税金や年金の優遇が受けられるから社会的に問題が起こるよ。
多くの人が、お金目当ての同性婚をするようになる。
Aさん:
偽装結婚は今でもあるから、関係ないよ。
こんな感じで、AさんはBさんが提案したリスクを無視します。
これでは、議論が進むはずもありません。
考えうる正しい回答の一つとしては、「同性婚をする人は同居しなければならない」とか「同性婚をする人は20年間は離婚できないようにする」といった気軽な同性婚を防ぐ方法なはずです。
こうしていれば、同性婚について前向きな検討ができるようになります。
共用トイレの話
渋谷の共用トイレについての議論はこんな感じでした。
Aさん;
共用トイレは、男性に待ち伏せされたり、盗撮カメラを仕掛けられる恐れがあって怖いかも。
だから女性用のトイレが欲しいです。
Bさん;
そういう犯罪行為は警察に通報しましょう。
これも同じで、BさんはAさんが提案したリスクを無視します。
ここで求められる回答は、「周辺の監視カメラの数を増やしましょう」とか「中に人がいるかどうかが、すぐにわかるセンサーをつけましょう」といったものであるはずです。
女性に対するAEDの話
女性に対して、AEDが使われる件数が少ないことは、たびたび話題になっています。
Aさん;女性に対してもAEDを使いましょう。
Bさん;男性は、後で訴えられるケースを考えると、迂闊に女性にはAEDを使えない。
Aさん;訴えられるケースは、まずないですよ。
Bさん;少しでも訴えられるケースがあるなら、男性は女性にAEDを使うことはできません。
これも同じで、AさんはBさんが提案したリスクを無視します。
ここで求められる回答は、「男性が絶対に訴えられない保証」です。
例えば、「一旦は119番通報して、専門家に話を聞いてからならば訴えられない」というルールを制定すれば、男性は安心して女性にAEDを使うことができます。
まとめ
こういった議論を聞いていて、みんなディベートが下手だなと私は感じました。
みんな、自分の都合だけを押し付けているだけです。
それでは、何も議論は先に進みません。
一旦、相手の意見を飲み込んだ上で、その上で適切な意見を提案しましょう^^