記事の内容
この記事では、フリーダイビングというスポーツの説明、私がフリーダイビングに興味を持ったキッカケやフリーダイビングを素晴らしいと思う理由について、説明していきたいと思います。
私が素潜りに興味を持った理由
まず、最初にスポーツとしてのフリーダイビングではなく、私が素潜りに興味を持った理由について説明します。
20代の頃の私は、ご多分に漏れず、将来や仕事について迷っている若者でした。
ITエンジニアだったものの、当時の私のスキルは大したことがありませんでしたし、エンジニアの需要は今ほど旺盛ではありませんでした。
そのため、なんとなく食べてはいけるものの、将来に大して漠然と不安を持っていました。
特に、「将来に対する不安」「達成感や充実感」などに対する不安が強かったように思います。
そんな時に、桜井章一さんという麻雀で有名な人に、人生相談をしたところ、桜井さんは快く応えて下さりました。
その時の回答は、以下のようなものでした。
俺達のように日本は冬の頃、逆に常夏の国へ行ってさあ、きれいな可愛い熱帯魚や美しいサンゴなんか見ないで、
恐いと思う鮫に自ら近付く。社会生活の安定ばかりでなく、大自然に近寄ってさあ、やれなかったちょっと危ない体験が出来れば、社会じゃ出来ない達成感みたいのが生まれるよ。
鮫って危ないからお大事にね(笑)
私が想像していた回答とは全く違いましたし、決してすぐに役立つような回答ではありませんでしたが、この回答が心の中にずっと残っていました。
そうして、「私は、いつしか素潜りをやりたい」と思い始めていました。
桜井章一さんは、非常にユニークな視点を持っている方なので、興味がある方は著書を読んで見て下さい。
桜井さんは、サイバーエージェントの藤田さんや、将棋の羽生さんとも対談本を出しています。
私がフリーダイビングに出会ったキッカケ
それからしばらくして、私はフィリピンでブリッジSEとして働くことになりました。
長年、続けてきたオンライン英会話がキッカケで、フィリピンという国が好きになったからです。
その時に、「何かフィリピンらしい趣味を始められないかな?」と思って趣味を探していた時に出会ったのが、フリーダイビングでした。
海に潜ったことのある人ならわかると思いますが、海に潜るのためには一定のスキルが必要です。
いざ素潜りをしたいと思ったところで、多くの人は、「耳抜き」ができないので深く潜ることはできません。
そのため、私は海に潜るテクニックを教えてくれる先生を必要としており、それがフリーダイビングのスクールでした。
最初に潜った時は、いきなり大海原に放り込まれて大変でした(笑)
海に浸かっていると身体は冷えますし、波にも酔いました。
勿論、耳抜きもできません。
でも、何度か通っているうちに、5m、10mと潜れるようになり、次第に耳抜きもできるようになりました。
フリーダイビングを始めて3年ぐらい経ちますが、今ではFIMで40mまで潜れるようになっています。
人間の身体とは、つくづく不思議なものだと思います。
フリーダイビングとは?
ちなみに、フリーダイビングとは、どういう競技でしょうか?
基本的には素潜りと同じですが、フリーダイビングの場合はロープに沿って深く潜ることを目的としています。
海女さんのように、海に潜って獲物を獲ることはありません。
海で行ういくつかの種目を紹介します。
CWTB(コンスタント・ウェイト・バイフィン)
2つのフィンを着けて垂直に何m潜られるかを競う
CWT(コンスタント・ウェイト)
1つのフィン(モノフィン)を着けて垂直に何m潜られるかを競う
CNF(コンスタント・ウェイト・ノーフィン)
フィンを着けずに垂直に何m潜られるかを競う
FIM(フリー・イマージョン)
フィンを着けずにロープをたぐって垂直に何m潜られるかを競う
海の種目では、事前に自分が潜る深度を申告し、その深さにセットされたガイドロープに沿って潜り、潜った深度で点数が決まります。
事前に申告した深度より深く潜ることができないのが、大きな特徴かもしれません。
このYoutubeは、AlexeyがCWTで130m潜った時の映像です。
Youtubeを見ると、競技の想像がしやすいかもしれません。
こちらは、ThibaultがFIMで潜った時の映像です。
フリーダイビングの魅力
競技の映像だけを見ると苦しいだけのスポーツに思われてしまうかもしれません。
フリーダイビングを経験したことのない方からは、「潜って上がるだけで、何が楽しいの?」とよく言われます(笑)
言葉で表現することは難しいのですが、私の場合は大きく分けて2つの魅力があると考えています。
一つは、「心地よさ」で、もう一つは「マインドフルネス」としての効果です。
心地よい
海に潜ると最高に心地よくなれます。
「なぜ?」と言われても言葉では表現できないのですが、太古の昔、人間が海に住んでいたからかもしれません。
今でも、人間には、陸上では使うことはできないけれど、水中にいると目覚める機能が備わっています。
ダイビング・リフレックス、ブラッドシフトという機能で、それらはイルカのような水生生物に備わっている機能です。
それらの機能は、海に入ると、イルカほど強い能力ではないものの、人間も無意識に使うことができます。
ダイビング・リフレックスが機能していると、脈拍数が落ちるので、陸上では呼吸を止めていて息が苦しくなる時間でも、海中ではさほど苦しくなりません。
陸上で1分間、息を止めることは難しいのですが、水中で息を止めていると、1分間はあっという間です。
リラックスしながら心地よく眠っているような感じで、1分間が過ぎていきます。
息を止めながら、何もせずに海中に沈んでいく状態を「フリーフォール」と呼んでいるのですが、フリーフォールはフリーダイビングの中で、最も心地よいものとだと思います。
母なる海に入って、普段、使われていない機能を使うことが、私の身体の何かを満たしてくれるのかもしれません。
マインドフルネスの効果
海に潜る前には、まず最初に呼吸を整えます。
1分から2分ぐらい呼吸をして、心拍数を落としてから深く潜り始めます。
呼吸を整えて、一呼吸で潜ってから水面に返ってくるまでの間、余計なことはなるべく考えないようにします。
考えたとしても、「幸せなイメージ」ぐらいなものです。
大自然の中で潜っていると、潜ることに必死なため、余計なことを考えている暇はありません。
常に、自分の内なる声に耳を傾けています。
だからこそ、嫌なことを強制的に忘れることができます。
悩み相談の回答によくあるのが、「嫌なことは考えないようにしましょう」というものです。
そんなことは誰でもわかっているのですが、「嫌なことを考えないこと」の難易度は意外と高いものです。
嫌なことを考えないためには、スポーツをしたり、他の何かに集中をするべきです。
そんな時の選択肢の一つとして、フリーダイビングは最高だと思います。
私は、フリーダイビングをマインドフルネスの一種だと捉えています。
マインドフルネスについては、こちらの本に詳しく書かれています。
フリーダイビングから学んだこと
私がフリーダイビングから学んだことを一つ挙げるならば、それは「謙虚さ」だと応えます。
フィリピンに来る前、私は都内の六本木で働いていました。
六本木ヒルズで働いていたせいか、ちょっとした優越感を持っていた気がします。
また、競争の激しいIT業界にいたせいもあり、「人に負けたくない」「技術力をつけたい」「英語力をつけたい」といった上昇志向に囚われていました。
上昇志向を持つのは良いことですが、それも行き過ぎると決して人間を幸せにはしません。
むしろ、人間を鬱にして、不幸にしてしまう可能性の方が大きいかもしれません。
いずれにせよ、都内で働いている時、私はあまり幸せを感じていませんでしたし、必要以上に「自我」が強かったように思います。
それからフィリピンに来て、フリーダイビングに出会いました。
フリーダイビングを始めた頃の私は、いつもの癖で似たようなレベルの人と競おうとしていました。
でも、次第に、他人と競うことに意味はないことに気付けました。
フリーダイビングの世界では、他人と競うことに決して意味はありません。
「あいつが50mを潜ったから、俺も50mを目指す」という考えた方をする人は、ほぼいません。
なぜならば、そのような考えた方をしていては、あっという間に命を落としてしまうからです。
例えば、格闘技の世界ならば、私が空手の有段者と戦ったとしても、相手が私の弱さに気付いてくれるので、大きな怪我をしたり、殺されるようなことはありません。
「勘違いしたアホな奴だな」ということで終わりです(笑)
でも、大自然はそのような情けをかけてはくれません。
フリーダイビングにおける無謀な挑戦は、文字通り、「死」に繋がります。
ですから、私は常に「自分の状態」「自分の内なる声」に耳を傾けています。
インストラクターからは、よく「ask your body」と言われています。
大自然に潜るというのは、結局は自分との対話なんだなと、私は理解しました。
そういった環境に身を置いているせいか、「他人との競争癖」は、次第に減っていきました。
常に自分のペースで、「心地よさ」「楽しさ」を追求するようになりました。
そしてその指針は、私の人生そのものも豊かにしてくれています。
まとめ
この記事では、私がフリーダイビングをするようになったキッカケ、フリーダイビングの魅力などについて紹介しました。
この記事を読んだだけで、フリーダイビングの魅力が伝わるとは思っていません。
でも、少しでも興味を持ってくれた方は、是非、私に連絡をして下さい。
一緒にフリーダイビングをやりましょう。
Good luck!
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