記事の内容
別の記事で、「錯覚資産」という概念について触れました。
この記事では、私が考えるエンジニアの錯覚資産の作り方について説明していきたいと思います。
別の記事のリンクは、記事の最後に紹介しています。
錯覚資産とは何か
別の記事を読んでいない人もいると思うので、改めて説明しますが、錯覚資産とは、「誰が見ても、わかりやすい成果」のことを指しています。
これだけを聞いてもわかりづらいと思うので、具体例な事例で紹介していきます。
例えば、Aさんというエンジニアが、技術的に難しい課題を解決して、成果を出したとします。
それは素晴らしい成果なのですが、技術的に難しい課題ゆえに、上司には理解してもらえません。
でも、成果のアピール方法を工夫して、「サーバー台数を30%削減して、サーバー費用を10億円から7億円に削減しました」と言えば、上司もその素晴らしい成果を理解することができます。
さらに、その成果を社外の人もいる勉強会で発表すれば、社外に対しても、Aさんはできるエンジニアだと印象づけることができます。
このような、わかりやすい成果を錯覚資産と呼んでいます。
錯覚資産の作り方
- 技術的に難しい課題を解決 ← 成果
- サーバー費用を10億円から7億円に削減できたことをアピール ← 成果を錯覚資産に変えた
- 社外の人もいる勉強会で費用の削減を発表する ← 錯覚資産の拡大!
エンジニアの仕事は、難しいゆえに、一般の人からは、なかなか理解して貰えない仕事です。
だからこそ、錯覚資産が重要になってきます。
錯覚資産は、このような社内だけのケースだけでなく、様々な形で作成できるものです。
次章以降で、具体的な錯覚資産の作成方法を考えていきたいと思います。
錯覚資産を生み出すための、いくつかの方法
錯覚資産を作るためには、色々な意味で自分を知ってもらう必要があります。
性格、能力、その人の考え方、働き方など、幅広く知ってもらいましょう。
そして、何より「思い浮かびやすい人」になりましょう。
私の場合だと、「フィリピン」「エンジニア」「フリーダイビング」といったキーワードで、思い浮かべてもらえるような人材を目指しています(笑)
ブログを作って、自分のスキル概要を書く
まずは、自分のプロフィールページを作って、どういう能力を持っている人なのか知って貰いましょう。
今までやってきたこと、英語力、資格など、何でもいいと思います。
その能力の善し悪しを判断するのは、あなたではなく、それを読む人です。
あなたが、くだらないと思うことでも、書いておきましょう。
自分の技術メモをQiitaに書く
あんまり格好つける必要はないと思うので、自分の今の能力を正直にアピールしましょう。
htmlやcssの基本的な事でも良いと思いますし、Rubyの基礎的な事でも良いと思います。
一ヶ月後に、自分が同じ作業をしようと思った時に、自分の助けになるような記事を書けばいいのではないでしょうか?
もしくは、新たにエンジニアになる人を意識した記事でもいいと思います。
レベルが高い人であれば、勿論、そのレベルにあった記事を書くことがベストだと思います。
自分の作品を作って、Githubにソースコードを上げよう
自分がイチからプログラムを開発できる人ならば、自分で作品を作って、それをGithubに上げるのも良いアピールになると思います。
エンジニアは手を動かせる能力が、最も重要視されます。
それをアピールするためには、作品を公開することが一番です。
SlideShareでプレゼンを作る
SlideShareは、仕事用にも娯楽用にも使えるプレゼンツールです。
これに、自分の成果をまとめて発表するのもいいと思います。
Twitterで発信をする
「このキーワードならあの人!」みたいなイメージを作るには、Twitterが一番です。
Twitterで発信をしていると、ある層には、確実にメッセージを届けることができます。
普通にTwitterを楽しみながら、住んでいる場所や自分の望む働き方をアピールしましょう。
最近だと、Twitterによる転職なんかも話題になりました。
リンク先にある記事に書かれている人の転職先はレッドハットだそうなので、Twitterの資産を上手に活かした例だと言えます。
Youtubeで発信をする
Youtubeによる発信は、動画の作成に時間がかかるので、なかなか簡単ではありません。
でも、Youtubeによる発信は、お金もそうですが、知名度のアップにも繋がるので、地道にやっていくことで、それも錯覚資産に繋がるのかなと思っています。
Youtubeで発信しているエンジニアだと、勝又さんが有名ですね。
資格を取得する
エンジニアが資格を取得することは、実力の向上にも繋がりますが、一種の錯覚資産とも言えます。
例えば、マイクロソフトの「ちょまど」さんは、プロフィールに「応用情報技術者」と書いている時期もありました。
あれを書いていると「お、ちゃんとしたエンジニアでもあるんだ!」と周りから思って貰えます。
「なんちゃってエンジニア」と「ちゃんとしたエンジニア」との違いは大きいですね。
今は超有名人なので、流石に書かなくなったようですが。
錯覚資産からの恩恵
ここまで読んだところで、「錯覚資産を持ったところで、実際にそんなに恩恵があるの?」と疑問に思う人もいるはずです。
私の場合は、知名度はまだまだですし、大した錯覚資産を持ってはいません。
しかしながら、それでも、Twitter経由で仕事の話が舞い込んできたことが何度かあります。
また同僚の話ですが、Githubを公開していたら、メガベンチャーからヘッドハンティングを受けたという話を聞いたことがあります。
その同僚の場合は、そのヘッドハンティングで年収300万アップを成し遂げていました。
二つとも、そこまで大きな話ではありませんが、錯覚資産は着実に成果を出しています。
人生の成功は、その人の能力云々より、打席に立つ回数を増やすことで達成されやすくなります。
見方を変えれば、あなたが普通の人でも、打席に立つ回数を増やせれば、成功することができるということです。
そして、錯覚資産を使えば、打席に立つ回数を少なからず増やすことができます。
情報が拡散されやすい現代では、錯覚資産作りは大きな成果を作りやすいことは間違いありません。
この記事を読んだ人が、今すぐにでも錯覚資産作りに取り掛かることを祈っています。
この記事は、この本を参考にして書きました。
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