「会社に残って経験を積んだ方がいい」という意見もあれば、「転職した方が年収が上がる」という意見もあるので、どちらが正しいのかよくわかりません。
記事の内容
そういった質問は、よく経験の浅いエンジニアから耳にします。
今回は、この3つのブログを読んで思ったことを書いていきます。
そして、それが質問に対する回答になっているはずです。
タイトルだけを見ると、あまり議論になっておらず、感情的になっていることがわかります。
私は私なりに、この記事を通して思うところを書きました。
私のブログだけを読んでもわかりづらいと思うので、時間がある方は他の3つの記事を読んでから、私のブログにも目を通して下さい。
私の記事が他の方々と異なる点は、解決方法も書いているところです。
目次
エンジニアが一年程度で、転職した方が良い理由
1年の実務経験を積んでから転職すれば、大幅に年収が上がる可能性がある
これは、もう完全に同意です。
Web業界のエンジニアは、転職をして年収を上げるのが普通です。
なぜ、そうなっているのかと言えば、普通に一つの企業で働いていると、年収の上げ幅がよくても5%ぐらいしかないからです。
仮に年収が600万円だとしたら、年間で30万円の昇給です。
一般的に考えると決して悪い数字ではありません。
でも、IT業界で転職をすると、年収が100万円アップというのは、よく聞く話です。
「100万円アップ」+「一時金で数百万円」という話もあるぐらいです。
そう考えると、「何で一つの企業にいないとアカンの?」という話に自然となります。
「IT人材白書2020」によると、転職して年収が1割以上も増加した人は、なんと30%以上もいるそうです。
ちなみに、一般的な大企業の年収の上げ幅は、3%以下だと言われています。。。
未経験者を採用している会社の技術力は高くない可能性が高く、技術力の成長も望めない
未経験者を採用している会社には、その会社なりの理由があります。
それは、「スキルのある経験者を雇えない」or「スキルのある経験者に見合った給料を出せない」のどちらかです。
そのため、仕方なしに未経験者を雇って、教育をしているわけです。
別に、その会社もボランティアで教育をしているわけではありません。
冷静になって考えてみた時に、「スキルのある経験者を雇えない会社」というのは何らかの問題を抱えていることは間違いありません。
そういった環境に長くいても、成長が望めるはずもありません。
自分のいる環境が気になる人は、この記事を読んでみて下さい。
経営者が、「1年程度で辞めるやつ」を採用したくない理由
「エンジニアを教育したコストを回収できない」という理論は、企業側からしたら、もっともです。
ただ、私が気になったことは、「未経験エンジニアは、いつになったら教育にかかったコストを会社に返済しているのか?」という点です。
返済時期の終わりを見せずに、「会社は教育したコストを回収したい」と言っても、都合が良すぎる気がします。
そのためか、ブログを読んでいても、ただの感情論にしか見えませんでした。
ちなみに面接で、「長い間、働くフリ」をするのは、そんなに難しくはないと思います(笑)
面接における、企業と個人の化かし合いは今に始まったことではないので、微妙な記事だなと思います。
誰かから搾取して自分が得するという考え方を推奨するな
この記事も、かなり感情的になっている気はしました。
下記の文章はダウトで、イザとなったら、会社は「ルールを変えることはできない」と言いながら、会社のルールのせいにして、個人を切り捨てます。
そのため、会社が被害を受けた時だけ、「中にいる個人のことも考えてくれ!」というのは、ちょっと違うかなという気がします。
会社とは法人だが、法人とはあくまでも法律上の存在であって、そこに実在するのは生身の人間である。
次の文章に関しては同意です。
ただ、この記事も、いつからいつまでが「個人が会社から搾取の時期」で、いつからが「会社が個人から搾取をしている時期」なのかを伝えていません。
その辺りの曖昧さを考慮すると、結局は感情論なんだなと言わざるを得ません。
経営者の言うことを真に受けていると、いつの間にか、会社から搾取さている状況に陥りがちです。
誰かから搾取して自分が得しようという考え方。
私は搾取という行為が大嫌いなのだ。
「最初から1年で会社を利用して1年で辞めてやるつもりで入社するのは違うだろ?」とも言っていますが、「会社を辞めるつもり」で入社する若い世代はむしろ普通です。
もしかしたら、期間は1年ではなく3年かもしれません。
でも、いずれにせよ、「その内、キャリアアップのために転職しよう」と考えているのは、自分の将来を真剣に考えている証拠です。
日本が終身雇用でなくなった以上は、そう考える若者が増えるのは当然のことです。
筆者は、「採用制度のバグ」と言っていますが、そのバグによる被害を誰もこうむりたくはありませんし、個人は全力でそのバグを避けるべきです。
終身雇用の時代ではないので、一社に勤めあげていても、突然、リストラされる可能性があります。
個人として、それに対する対応方法を模索しておくことは、当然だと言えます。
少し話は変わりますが、エンジニアの採用バグについては、他の人も言及しています。
エンジニアは転職すると年収が100万円以上アップするというIT業界のバグのせいで数年在籍して新しいスキルや経験を得たら次の職場に転職するのが最適解になっています。紹介会社を肥やすだけなので会社はちゃんと給料を上げるようにしましょう。
— たろまる (@tenche1204) November 4, 2019
IT企業の従業員の給料テーブルをグラフで見てみよう
具体的に、一社に勤めた場合と、転職した場合の年収グラフが、どのようになるのかを見てみましょう。
このグラフで示す青線が、未経験者が普通に一つの企業で勤め続けた場合の年収イメージのグラフです。
少しづつ年収が上がり、10年後には500万ぐらいに到達しているはずです。
先程も述べたように昇給率は、一般的な数字としては決して悪くありません。
次に、赤線が転職しながら企業に勤め続ける人の年収イメージのグラフです。
転職を何度かするたびに、ピョコンと年収が跳ね上がり、10年後には700万ぐらいに到達する可能性が高くなります。
一つの企業に勤め続けた場合と比較して、年収で100万から200万ぐらいの差になります。
10年間を合計した所得だと、1,000万円ぐらい差が出るのではないでしょうか?
従業員の企業への貢献度はオレンジ線で表しています。
オレンジ線と青線の差が、従業員が一社に勤め続けた場合に、企業の利益になります。
一年目に関しては、青線がオレンジ線を上回っているので、企業が従業員に投資をしていることがわかります。
赤線と青線の差が、従業員が転職した場合としなかった場合の差になります。
ここがポイント
- 一年目のエンジニアは貢献度が低い
- 一年目は、会社がエンジニアに教育という投資をしている
- 一社で働き続けると、エンジニアは10年間で少なくとも1,000万円の損をする
IT系の会社ではリストラは多いです
会社は黒字なのにリストラされるパターン
IT系にありがちな、「突然、リストラされる場合の年収グラフ」も確認します。
なぜ、これを説明するのかと言えば、IT系の会社で働くリスクを知っておいて欲しいからです。
これなしでは、Web業界は語れないと言っても過言ではありません。
IT系では、従業員の会社への貢献度が急に0になることがあります。
貢献度が0でも、従業員はそのまま給料を貰い続けることができますが、社内に仕事がない状態になります。
もう少しわかりやすい言葉で説明すると、とつぜん会社側から、「あなたは必要ありません」と言われます。
例えば、オレンジの会社がメインの事業を「SNS から〇〇ストへ移行した時」などは、こういった感じになりました。
今まで、SNSを手掛けていたエンジニアは、社内ではやることがなくなるので、お払い箱になりがちです。
また、六本木のゲーム会社が、ゲーム事業を「WebからNative」に移行したときも、Webしかできないエンジニアはお払い箱になりがちでした。
IT系の会社にいると、とつぜん会社から、「あなたは社内ニートです」と言われることがあります。
そもそも、Sier業界が流行った理由は、企業側がこのような「突然のリストラ」に備えるためなので、IT業界では、リストラは日常茶飯事だと言えます。
Sier業界の場合だと、こういった場合に、エンジニアは他の会社に行かされますが、Web系だと「社内ニート」になります。
Web系であっても、エンジニアは、常にこのリスクを想定しておかなければいけません!
ちなみに、このような「突然のリストラ」は、会社の業績が良いときでも起こります。
会社が赤字でリストラされる場合
当たり前のことですが、会社が赤字で、会社が倒産することもよくあります。
いくつかの例を挙げておきます。
Origami
オリガミは売却に当たり、社員185人のうち約9割にあたる160~170人規模のリストラを実行する。
キャッシュレス決済のフロントランナーだった同社は競争激化により、事実上の経営破綻に追い込まれたかたちだ。
BANK
目の前のアイテムが、一瞬でキャッシュに変わるアプリ「CASH」や現代版の物々交換サービス「モノ払い」、“あと払い”専用の旅行代理店アプリ「TRAVEL Now」を手がけてきたBANKを解散する、と代表の光本勇介が9月12日、ブログで発表した。
セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ
自動で衣類を折り畳む家電を開発していた注目のスタートアップ企業が4月に経営破綻した。
斬新なアイデアで総額100億円超の資金を集めたが、開発が難航し行き詰まった。
解決方法を考えよう
ここまでのポイントをまとめると、以下のようになります。
ここがポイント
- エンジニアは、転職して年収を上げないと10年間ぐらいで、最低でも1,000万円ぐらいは損をする可能性があります
- 会社はオレンジ線と青線の差(会社への貢献 − 従業員の給与)を利益にしたい
- エンジニアは、サービスがすたれて、「社内ニート」になり、リストラされるリスクを抱えている
- エンジニアは、会社やサービスがなくなる危険と常に隣り合わせ
この状況を正しく理解した上で、一つの企業で働き続けたい人は、なかなかいません。
なぜならば、従業員にとって会社に残るメリットは限りなく0に近いからです。
では、どのようにこの問題を解決したらいいのでしょうか?
技術や勤怠ルールなどで、魅力のある会社にする
最先端の技術を使える会社や、リモートワーク、フレックスなどが許されている会社は、誰にとっても魅力的です。
そういった環境を整えれば、離職率は下がるはずです。
勤続年数に応じた退職金を出す
例えば、3年間、働いて辞めた場合は退職金を100万円、5年間、働いた場合には500万円を出すというルールを作れば、1年間で辞めようとする人は減るのではないでしょうか?
企業は、最初の教育コストを気にしているようなので、従業員に最初に出す給料は、時給1,000円ぐらいでもいいと思います。
その変わりに、数年後にはボーナスを出すような設計にすれば、両者ともに幸せになれます。
リクルートは、こういった制度を採用しているそうです。
会社の成長に応じた利益を受け取れるように、株を渡す
多くの会社では、会社が成長したとしても、従業員には大した利益はありません。
せいぜい、ちょっとしたボーナスが入るぐらいです。
それでは、従業員が自分のキャリアを捨ててまで、一つの企業で長く働きたいとは思えません。
それを避けて、会社の成長が従業員の利益に繋がるようにするために、メルカリさんのようにストックオプションを配りましょう。
そうすれば、エンジニアは、IT業界に特有の「突然のリストラ」によるリスクを軽減することができますし、一つの企業で頑張ろうと思えるはずです。
IT業界がこのような感じになることで、みんなが働きやすくなれば、きっとエンジニアが増えていくはずです。
まとめ
この記事では、「経験を積んだエンジニアは転職した方が得」という話をしました。
Web業界について、セカンドオピニオンを聞きたい人は、勝又さんの本も読んでみて下さい^^
また、この記事を完全には信じられないという人は、情報収集のためにも転職エージェントに相談してみましょう。
エージェントなりの意見を教えてくれるはずです。
ちなみに、dodaを使うと、「面接のフィードバック」を貰えるという特典がついてきます。
エージェントを使わないで何回も面接をしても、「面接のフィードバック」が貰えないために、いつまで経っても自分の弱点に気付くことができません。。。
残念なことに、そういった駆け出しエンジニアを多くみてきました。
そういった悲劇を起こさないためにも、素直にdodaを利用すべきです。
私に基礎的な面接スキルを教えてくれたのはdodaの担当者でした。
面接が苦手という方は、是非、dodaに相談してみましょう。
dodaは親身に相談にのってくれますし、面談の練習などをしてくれる時もあります。
一年目で、まだ経験が足りないと判断されたら、素直に「あなたには経験が足りないので、数年後に改めて相談に来て下さい」と言ってくれますし、転職のチャンスがありそうならば転職先を紹介してくれます。
もちろん、dodaの言うことが全て正しいとは限りませんが、このブログの情報と合わせて考えながら、最後は自分で納得のいく道を選んで下さい。
ちなみに、外資系を狙いたい人にはエンワールドがオススメです。
転職エージェントを一社しか使ってはいけないというルールは特にありません。
むしろ、2社ぐらいの転職エージェントを使うことは普通です。
これから転職活動を始めようと思っている人は、是非、2社とも登録してみて下さい。
担当者の当たりハズレもあるので、2社登録することは本当にオススメできる方法です。
レバテックさんの「ITエンジニア転職白書2021」によると、過半数以上の人が転職をすることで、年収50万円以上も上がっているそうです。
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