また、どうすれば高付加価値な人材になることができますか?
記事の内容
この記事では、第4次産業革命によって我々の仕事がどう変わっていくのかを説明していきます。
また、合わせて、そのような時代に求められる人物像についても説明します。
目次
第4次産業革命とは?
第4次産業革命とは、簡単に言うと、あらゆるものがインターネットで繋がり、それらがAIに制御されている世界です。
例えば、道路からは従来のタクシーがなくなり、代わりにスマホから自動運転のタクシーを呼ぶことができるようになります。
また、病院でのレントゲン写真の診断はAIがやるようになり、病気の早期発見に繋がります。
診断は家からでも、できるようになるかもしれません。
家のトイレに、尿のデータを病院に送信するようなシステムがついて、病気の早期発見に繋がるような仕組みが出来ている可能性もあります。
このように、生活の隅々でAIが利用されて、全てがインターネットに繋がっている世界が、第4次産業革命によって作られる世界です。
第4次産業革命による就業構造の変革
第4次産業革命によって、我々の仕事は、良くも悪くも大きく変化します。
こちらの図は、「IT人材白書2018」に書かれている内容です。
この図のポイント
- トップ層の人材は、GAFAに流出
- AIを使って、AIと一緒に働く仕事が減少
- 日本に残る多くの仕事は、AIと同レベルの仕事
これらについて、もう少し詳細を説明していきます。
GAFAで働くトップエンジニア
GAFAのAIエンジニア達は、AI開発のコアな部分を開発しています。
Googleでいえば、TensorFlowのような機械学習のライブラリを開発しているはずです。
Amazonならば、Amazon Rekognitionのような製品を開発していると思われます。
日本国内のエンジニアがGAFAに流れる理由
最近、NTT系列で働く人達が退職して、GAFAに転職する退職ブログが話題になりました。
NTTによると、系列会社で働く35歳以下の若者の3割が、GAFAに転職してしまうそうです。
その理由の多くは、給料と仕事内容です。
GAFAにいけば、年収は2倍から4倍(予想)ぐらいに増えますし、仕事に関しても世界レベルの仕事に携わることができます。
冷静に考えると、転職しないで国内企業で働き続ける方が不思議です。
国内のトップエンジニアが、GAFAを始めとした海外企業にいく流れは、当面の間、止まらないと思います。
AIと共に働く人達
トップが先細りになれば、当然、ピラミッドの中間も細ってきます。
とはいえ、少ないながらもAIに関連する仕事は残ります。
彼らは、TensorFlow、Rekognition、その他のAIを仕事や生活に組み合わせて使います。
エンジニアに限らず、そういったツールを組み合わせて仕事に使うことができる人は、需要があると思います。
最近、囲碁のプロ棋士がAIを使っていることが話題になりました。
囲碁の世界では、既にコンピュータの方が人間より強いので、囲碁の棋士のアイデンティティが問われています。
強さだけを問うならば、残念なことに、人間の価値はすでにありません。
でも、強さだけではないからこそ、未だに「囲碁のプロ」が存在しています。
そんな苦しい状況の中で、囲碁のプロ達がAIを利用して、共存の道を図っているのは、非常に興味深いなと感じました。
10年、20年後の世界では、囲碁だけではなく、あらゆる職場で、このような話がされているのだと、私は想像しています。
しかし、AIが打つ手は自分一人では理解できないことも多い。
だからこそ、棋士のみんなで協力して研究できる場があればいいなと考えました。
人間を超えたとはいえ、AIが苦手とする局面もまだまだあるのが実情です。
そういう部分に関しては、人間と力を合わせて探索を行う必要があるでしょう
「研究に使うツールが1つ増えたというイメージ」とこともなげに話してくれた。
今はAIが打った手を判断するのには、プロのスキルが必要ですが、今後はその“理解の間”も埋まっていき、アマチュアも含めてもっと裾野が広がっていくでしょう。
研究会では、みんなで試行錯誤しながら『人間の新しい役割』を模索しています。
AIと関係ないところで働く人達
第4次産業革命の後でも、職人、一流のサービスマン、営業マンといった人達は、そのまま活躍しそうな気がします。
例えば、一流のホテルでの接客はAIでも代替できるかもしれませんが、それでは一流感は出ません。
なぜならば、「ホテルの一流感」は、一流のサービスマンによって作られると人間が感じるからです。
大工のような職人も同様です。
AIでできることが大幅に増えるはずですが、それを人間が美しいと感じて、満足するかは別の話です。
満足感を人間に与えてくれるのは、一流の人間だけだと思います。
このような高付加価値の仕事は、AIとは関係なく残り続けるはずです。
AIができるような低賃金の仕事をする人達
第4次産業革命の後に、日本で大幅に拡大する仕事は、AIでもやれるような仕事です。
もちろん、雇用の問題もあるので、すぐには置き換えられることはありません。
でも、そういった仕事が低賃金の仕事になることは避けられません。
AIに代替されそうな仕事の例を挙げていきたいと思います。
バス、タクシー、トラックの運転手
この仕事は、Google、トヨタを始めとして、多くの企業が取り掛かっています。
運転手の人手不足もあるので、意外と早く置き換わるかもしれません。
最初は、高速道路のトラックや田舎のバスからでしょう。
経理の仕事
現時点で、すでにFreeeのような便利なソフトができています。
この流れのまま、自然に、人間がやる経理の仕事が失くなっていきます。
もちろん、多少は残るとは思いますが、多くの雇用が失われることは、間違いありません。
銀行の融資
お金を融資する仕事を人が判断することは、減ってきます。
売上状況などを元に、自動で融資をできる額が決まるようになるはずです。
Amazonなどが、既にそういったシステムを提供しています。
レジ係
スーパーやコンビニのレジ係は、必要なくなります。
現時点でも、コンビニでは自分で会計するシステムが導入され始めています。
将来的には、Amazon Goのような、会計すら必要のないシステムが導入されるのではないでしょうか?
スマホを持ちながら、コンビニに入って商品を選び、出口から出てくれば、決済は完了しているはずです。
高付加価値な人材になるための情報編集力
AIが仕事をしてくれるようになり、多くの仕事が低賃金化する中で、我々は、どうすれば高付加価値の仕事に就くことができるのでしょうか?
言い方を変えれば、どうすれば、AIと共に働くことができるようになるのでしょうか?
それには、情報編集力が必要だと言われています。
情報編集力とは、「正解がないか、正解が一つではない問題」を解決する力です。
少し言い方を変えると、「正解がない問題に対して、新たな説得力のある仮設」を提示する力です。
どんどん単純な正解がなくなる成熟社会の問題解決には、情報編集力は必須になると言われています。
今までの世の中で必要だったのは、情報処理力でした。
でも、情報処理力が得意なのは、人間ではなくてAIやコンピュータです。
そのため、これからは、コンピュータが苦手とする情報編集力を身につけた人が、高付加価値な人材になることができます。
情報編集力の概念は、この本に書かれています。
まとめ
この記事では、IT人材白書で紹介されている「第4次産業革命による就業構造」ならびに、高付加価値な人材になる方法について説明しました。
第4次産業革命が終わるには、あと10年以上はかかると思います。
それまでに、なるべく高付加価値な人材になっておきたいところですね。
Good luck!
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