この記事では、日本の3つの悪と、その悪を運用している「空気」の存在について説明します。
その3つの悪とは、堕胎、パチンコ、外国人技能実習生の制度です。
それらは、日本ではグレーゾーンにも関わらず、なぜか運用されています。
それらは駄目だとされているのに、どうして日本で運用されているのでしょうか?
堕胎
日本で堕胎が駄目な理由を説明します。
1つ目の理由は道徳的な理由からです。
堕胎とは、赤ちゃんを殺すことです。
これが道徳的に悪いことは、言うまでもないことでしょう。
レイプされた時などは仕方ないかもしれませんが、原則的に堕胎は禁止されるべきです。
2つ目の理由は、違法だからです。
日本には堕胎罪という罪があります。
しかし、母体保護法という法律を作り、それを拡大解釈することで、堕胎罪を形骸化させています。
その結果、今の日本では年間で約15万件の赤ちゃんが殺されています。
それに対して産まれてくる赤ちゃんの数は、約80万件です。
産まれてくるはずの赤ちゃんの約15%を殺している日本社会は、どこか狂っていると言わざるを得ません。
しかも、多くの人達がそれに対して声も上げません。
ちなみにカトリック色が強いフィリピン社会では、堕胎は禁止されています。
私には、フィリピンの方が先進的で正常な社会だと感じられます。
ここがおかしい!
- 堕胎は法律上でも罪!
- 少子化だと騒いでいるはずの日本で、15%の赤ちゃんが殺されている
パチンコ
日本でパチンコが駄目な理由を説明します。
その理由は、パチンコが賭博だからです。
賭博は日本で原則禁止されていて、国が運営しているところしか許可されていません。
日本でもカジノの話がたまに話題になりますが、カジノが許可されない理由は、カジノが賭博だからです。
それにも関わらず、パチンコと(少額な賭け麻雀)だけが許されています。
10万円、20万円単位の大金が動く賭博は、民間ではパチンコだけということです。
しかも、その管轄は警察がやっているというから驚きです。
「諸外国でもカジノがあるから、日本のパチンコもいいんじゃない?」と言う人もいるかもしれません。
でも、カジノの多くは一箇所に固まっているし、入場制限があるので、誰でも入れるわけではありません。
フィリピンで気軽にカジノに行けるのは、大都市に住んでいて身なりがちゃんとしている人達だけです。
カジノのターゲットはあくまでも外国人か富裕層であって、一般の国民ではないということです。
日本のようにパチンコ店が至る所にあり、誰でもいつでもすぐに入れるということはありません。
また、うるさい音響で人間の脳を破壊するのは、パチンコ店だけです。
さらに言えば、諸外国では生活保護を受け取っている人達で、パチンコをできる人はあまりいません。
なぜならば、世界の多くの国々には生活保護はありませんし、あっても食料券などがほとんどだからです。
国民の税金を生活保護費に費やして、そのお金がパチンコ店の手に渡る。
こんなおかしな事を、国民は許していいのでしょうか?
ここがおかしい!
- パチンコには誰でも気軽にアクセスできる
- パチンコ店は音響で、人をおかしくさせる
- 国民の税金から生活保護を受け取っている人でも、パチンコができる
外国人技能実習生
日本で外国人技能実習生の制度が駄目な理由を説明します。
まず、第一に、日本政府は移民をすることを決定していません。
それなのに、なぜ、海外から多くの労働者を受け入れているのでしょうか?
次に、外国人技能実習生の制度は非人道的な制度です。
技能実習生の時給は300円ぐらいの所もありますし、ブラックな現場も多いようです。
それを証明するように、多くの若い外国人が日本で亡くなっています。
日本で働く外国人技能実習生のうち、98人が2018年と19年の2年間に死亡していることが30日までに分かりました。
日本に来ているアジア人の間では、日本の労働環境がブラックであることは、かなり広まっています。
このままでは、将来に禍根を残すことは間違いありません。
今すぐに、日本は外国人技能実習生の受け入れを止めるべきです。
ここがおかしい!
- 日本では移民は、まだ認められていない
- 外国人技能実習生の賃金は、最低賃金を下回っている
共通していること
これらの3つの悪には共通していることがあります。
それは、建前では禁止しているものの、実際にはなぜか許されているということです。
- 堕胎は禁止 → 母体保護ならOK
- ギャンブルは禁止 → 3店方式ならOK
- 移民は駄目 → 技能実習生ならOK
このように、日本政府は根本的な議論をして法律を変更することはなく、全てを都合よくやりたいように書き換えています。
全てがチャンチャラおかしい謎の理論です。
日本人が大切にする「空気」
実はこのような不思議な話は、最近に始まったことではありません。
山本七平という人が、「空気の研究」という本でこの件について述べています。
至る所で人びとは、何かの最終的決定者は「人でなく空気」である、と言っている。
以前から私は、この「空気」という言葉が少々気にはなっていた。
そして気になり出すと、この言葉は一つの“〝絶対の権威”〟の如くに至る所に顔を出して、驚くべき力を振っているのに気づく。
そして太平洋戦争の遠因も、その空気のせいだと述べています。
太平洋戦争の前にすでに日本は「先立つもの」がなかったそうである。
また石油という「先立つもの」もなかった。
だがだれもそれを口にしなかった
今まで自己の通常性を無視して、「空気」さえ盛りあげれば何かができるような錯覚を抱きつづけてきた。
太平洋戦争とは、まことに痛ましい膨大なその大実験である。
つまり、日本は何か後ろめたい事をやろうとする時には、根本的な議論を進めようとはせずに、「空気」を醸成して、なぁなぁにしてコトを進めようとします。
太平洋戦争の特攻も、形式上は「志願」だったと聞いたことがありますが、それも同じ話でしょう。
これは明らかに日本人の悪い習慣です。
まとめ
この記事では、堕胎、パチンコ、外国人技能実習生の話をしました。
これらは、全て問題となるべき事案のはずなのに、なぜか人ではなく、「空気」によって実行されています。
そして、「空気」が実行しているので、いざとなった時は誰も責任を取りません。
このやり方が、近い将来、日本に不幸な結果をもたらすことは間違いありません。
我々、一人一人が声を上げることで、これらのやり方を何としても無くしていけたらと私は思います。
「空気」からの脱却こそが、太平洋戦争の敗戦を克服することなのかなと、最近は考えています。
最後に、山本七平の言葉を紹介します。
本書によって人びとが自己を拘束している「空気」を把握し得、それによってその拘束から脱却し得たならば、この奇妙な研究の目的への第一歩が踏み出されたわけである。
どうか本書が、そのために役立ってほしいと思う。
Good luck!
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