記事の内容
この記事では、「Dari K」という会社が、インドネシアで、どのように現地の人の心を動かしたのかという話を元にして、「他人の行動を変える方法」を紹介したいと思います。
完全にただのポエムです。
Dari K(ダリケー)とは、どういった会社なのか?
ダリケーは、インドネシアで生産されるカカオに注目して、カカオの輸入からチョコレートの販売を行っている会社です。
インドネシアは、世界第3位のカカオ生産量を誇っています。
しかし、今までインドネシアのカカオは、日本へは、ほとんど輸入されてきませんでした。
なぜならば、生み出されるカカオ豆の品質が低かったからです。
ダリケーは2011年の創業以来、インドネシアのスラウェシ島で、カカオ農家の意識の改革と品質の向上に取り組み、日本への輸出拡大を成功させました。
Dari Kは、どのように現地人の行動を変えたのか?
ダリケーが、「どのように現地人の行動を変えたのか」という話をする前に、まずはインドネシアのカカオ豆の品質が低かった理由を説明します。
端的に言うと、インドネシアでは、カカオ豆を発酵させていませんでした。
では、なぜ、現地の人はカカオ豆を発酵させていなかったのでしょうか?
その理由は、カカオ豆を発酵させても、させなくても買い取り価格が変わらなかったからです。
それを知ったダリケーは、発酵後のカカオ豆の買い取り価格を高くしました。
それにも関わらず、多くの農家は面倒くさがって、カカオ豆をあまり発酵させませんでした。
なぜなら、農家の人はすでに自給自足ができており、貪欲にお金を欲しがってはいなかったからです。
ようするに、「言われたからやろっかな〜」ぐらいの消極的な気持ちにしかなっていませんでした。
そこでダリケーは、農家の人をどう変えるか考えた結果、カカオ豆を作って、実際にチョコレートを作ることにしました。
それも、「カカオ豆を発酵させずに作ったチョコレート」と「発酵して作ったチョコレート」の2種類を作って、農家の人達に試食してもらいました。
それまでは、農家の人達は、カカオ豆がチョコレートになることは知っていても、本物のチョコレートを食べたことはありませんでした。
そのため、「発酵させればチョコレートが美味しくなるという理屈を頭では知っていても、舌では理解していませんでした。さらに言えば、チョコレートがこんなに美味しいものだということすらも知りませんでした。」
そうして、2つのチョコレートの味の違いを理解した後は、農家の人達の意識は大きく変わりました。
ダリケーの戦略は、それだけではありません。
農家の人達は、誰がチョコレートを食べるのかイメージできていなかったので、あまり愛情を持ってカカオ豆を育成してませんでした。
ダリケーは、このままでは最高のカカオ豆は作れない考えて、農家の人達と一部の消費者がコミュニケーションを取れる場を設けました。
その結果、農家の人達は、「友人(消費者)の人達の喜ぶ顔を見たい」と思って、愛情をかけてカカオ豆を育成するようになりました。
最初の頃に比べると、大幅に農家のマインドセットが変わっていることがわかります。
他人の行動を変えるには、どのようにしたらいいのか?
この話をもう少し抽象化してみると、他人の行動を変えるために必要なことは、以下のようになります。
他人の行動を変える方法
- 金銭的な動機づけをする
(発酵させたカカオ豆を高く引き取る) - ある事柄を変えたら、どう改善するのかを心の底から納得してもらう
(発酵させてないカカオ豆と発酵したカカオ豆から作るチョコレートの食べ比べ) - 最終的なユーザーの喜ぶ顔を想像してもらう
(農家と消費者がコミュニケーションを取れる場を設ける)
おそらく、この話は農家の場合だけではなく、様々なサービスを作る時にも応用が効くはずです。
まとめ
この記事では、ダリケーの話を通して、「他人の行動を変える方法」を紹介しました。
人によっては、金銭的な動機づけをしても相手が変わらなかったら、「変わらない相手が悪い」と匙を投げるかもしれません。
また、「心の底から納得をしたはずなのに、何で彼らは変わってくれないんだ?」と怒る人もいるかもしれません。
少なくとも、今までの私はそうでした。
でも、これからは、人を変えようと思う時は、上記の3つをやるまで、諦めずに根気よく相手に対して接してみようと思います。
Good luck!