記事の内容
ファクトフルネスでは、4つの所得レベルを定義しています。
この記事では、その定義に基づいて、フィリピンの所得レベルを見ていきたいと思います。
ファクトフルネスで定義している4つの所得レベル
ファクトフルネスでは所得レベルを4つにわけているので、まずは、その定義を説明していきたいと思います。
レベル1
レベル1のスタートは、一日に100円からです。
子供の仕事は、バケツで水を運ぶことや薪を拾ってくることです。
食事はお粥などです。
もし、ヒドい病気になってしまうと、抗生剤などを買うお金はないので、そのまま命を落としてしまいます。
世界には、こういった人達が10億人はいます。
レベル1の人々
- 日給は100 - 399円 (50 - 200フィリピンペソ)
- 月給は2,000 - 8,000円(1,000 - 4,000フィリピンペソ)
- 移動手段;徒歩
- 食事;お粥
- 火を扱う手段;薪
レベル2
レベル2のスタートは、一日に400円からです。
自分が育てた作物以外に、鶏を飼って卵を食べることもできます。
また、お金に余裕がでてきたので、自転車なども購入することができます。
世界には、こういった人達が30億人はいます。
レベル2の人々
- 日給は400 - 1,599円 (200 - 800フィリピンペソ)
- 月給は8,000 - 32,000円(3,000 - 16,000フィリピンペソ)
- 移動手段;自転車
- 食事;お粥、卵
- 火を扱う手段;ストーブ
レベル3
レベル3のスタートは、一日に1,600円からです。
手元の資金に余裕ができ、家には水道管がきます。
また、電気を引くことで、電化製品を購入することができ、そのお陰で食料の貯蔵も可能になりました。
世界には、こういった人達が20億人はいます。
レベル3の人々
- 日給は1,600 - 3,199円 (800 - 1,600フィリピンペソ)
- 月給は32,000 - 64,000円(16,000 - 32,000フィリピンペソ)
- 移動手段;自転車、バイク
- 食事;先進国に近い食事
- 電化製品;電気を使えるので、冷蔵庫や冷暖房を使うこともできます
- 火を扱う手段;ガスや電気コンロを使うし、水道からお湯も出る。
- 娯楽;家族で旅行に行くこともできます。
レベル4
レベル4のスタートは、一日に3,200円からです。
レベル4は、既に裕福な消費者だと言えます。
学校には、12年以上は通っています。
バイクや車なども購入することができます。
世界には、こういった人達が10億人はいます。
レベル4の人々
- 日給は3,200円以上 (1,600フィリピンペソ)
- 月給は64,000円以上(32,000フィリピンペソ)
- 移動手段;自転車
- 食事;先進国な食事。月に1回は外食をする。
- 電化製品;電気を使えるので、冷蔵庫や冷暖房を使うこともできます
- 火を扱う手段;ガスや電気コンロを使うし、水道からお湯も出る。
- 娯楽;飛行機を使って、旅行などもできます。
フィリピンの所得レベルの確認
上記の定義に沿って、フィリピンの家族を当てはめていきたいと思います。
資料は、こちらのTABLE 1を使いました。
(もし、表の見方が間違っていたら教えて下さい。)
ちなみに、ファクトフルネスの定義は個人で、この表では家族の収入が使われているですが、その違いは考慮していません。
(レベル1と2ぐらいの人は、個人と家族で財布が同じ気もしますが?)
また、フィリピン人の家族は、平均すると5人ぐらいが一般的なようです。
年収の分類 | 世帯の数 | 平均年収 | 平均月収 | レベル |
4万ペソ (8万円) |
35万5千人 | 3万4千ペソ (6万8千円) |
2,900ペソ (5千8百円) |
レベル1 |
4 - 6万ペソ (12万円) |
90万1千人 | 5万5千ペソ (11万1千円) |
4,600ペソ (9千2百円) |
レベル2 |
6 - 10万ペソ (20万円) |
326万8千人 | 8万7千ペソ (17万3千円) |
7,200ペソ (1万4千円) |
レベル2 |
10 - 25万ペソ (50万円) |
1030万人 | 17万ペソ (34万円) |
14,200ペソ (2万8千円) |
レベル2 |
25万ペソ以上 (50万円以上) |
788万人 | 55万ペソ (55万円) |
46,000ペソ (9万2千円) |
レベル4 |
フィリピン人の多くの家族は、収入の定義に照らし合わせると、レベル2に当てはまりそうです。
でも、彼らの多くはバイクも持っていますし、電化製品も持っています。
そのため、私の目からは、レベル3の人が多いように見えます。
その理由は、フィリピン人の10%を占める、海外で働く出稼ぎ労働者が理由かもしれません。
フィリピンの出稼ぎ労働者
フィリピンでは、人口の1割にあたる約1,000万人が海外で働いています。
2017年通年の「フィリピン人海外出稼ぎ労働者」からフィリピンへの送金額は、前年比4.3%増の280億6,000万ドルです。
およそ、2兆8千億円もの外貨を稼いでいます。
2兆8千億を1,000万人で割ると、一人当たりの年間の送金額は28万円になります。
その送金額が、上の図には含まれていないので、所得額に比べて、フィリピン人の生活がリッチに見えるではないかと思います。
(根拠のない推論で、申し訳ありません。)
ちなみに、オンライン英会話の講師の時給は200円ぐらいです。
200円 × 8時間 × 20日を一ヶ月の労働時間だとすると、それだけで32,000円になります。
また、2、3年の経験を持つWebエンジニアの給料は60,000円以上です。
まとめ
この記事では、フィリピンの統計を使いながら、おおよそですが、フィリピン人の所得レベルを分類してみました。
フィリピン社会には、レベル1からレベル4までの幅広い所得層が存在するのが特徴ですね。
日本では、貧困やら格差社会だと言われることがあっても、それは全てレベル4の中での出来事です。
でも、フィリピンではレベル1からレベル4までが混在しています。
そのような社会だと、より格差社会を感じやすい気がします。
フィリピンの絶対的な貧困層は、1,000万人以下ぐらいまで減ってきているように見えます。
フィリピンの人口が1億人で、絶対的な貧困層は1割だとすると、貧困層はかなり減ってきているのかもしれません。
これからのフィリピン社会では貧困層はさらに減っていき、明るい未来が待っているのかもしれません。
この記事は、この本の一部を参考にして書きました。
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