記事の内容
これからの日本では、20代から40代の社員の労働意欲が下がって労働生産性が下がるという話を説明します。
その理由は、今後の日本では少子高齢化が進んでいくからです。
高齢者の比率
現在、日本の人口は1億2,600万で、65歳以上の高齢者は3,600万人もいます。
それが2040年になると、日本の人口は1億900万人になり、65歳以上の高齢者は3,900万人になります。
つまり、人口比に対する老人の数が圧倒的に増えることになります。
さらに言えば、高齢者の中でも後期高齢者が増えていきます。
過去10年の年齢別就業者
高齢者というくくりではなく、年代別に分けた就業者を2008年から2018年まで見てみます。
45歳以上の年齢がジワジワと増えて、44歳以下の年齢が徐々に減っていることがわかるはずです。
この傾向は、これからさらに激しくなります。
その理由は2つあります。
一つ目の理由は、単純に上の世代の人口が多く、下の世代の人口が少ないからです。
2つ目の理由は、政府は企業に対して、従業員を70歳まで雇うように依頼(命令)しているからです。
そのため、企業は年配の従業員を解雇したくても、簡単には解雇をすることができません。
これがどのように企業に影響するのかを、これから説明していきたいと思います。
何歳になっても雑用的な仕事をします
今までは、雑用的な仕事は20代の若者が受け持ってくれていましたが、これからは30代や40代になっても、そのような仕事を続けることになります。
例えば、電話取りや飲み会の手配といった仕事です。
それ以外にも、誰かがやらなければいけない様々な雑用があると思いますが、それらが30代の仕事になっていても何ら不思議ではありません。
斬新なアイディアが出てこなくなります
これだけ従業員の高齢化が進むと、斬新なアイディアは出てこなくなり、古いアイディアしか出てこなくなります。
人間は40代を越えると、なかなか新しいことに挑戦しようという気持ちになれません。
多くの人は、どうしても保守的な気持ちが強くなります。
そのため、例えば、slackのような効率的なツールを覚えずにメールに固執したり、スマートフォンへの対応が遅れたりします。
そうして多くの日本企業は、若い世代が活躍しているアメリカや中国といった海外勢に負け続けることでしょう。
ポストは不足します
団塊の世代のサラリーマンを描いた漫画で有名な「課長島耕作」の主人公は、36歳で課長になりました。
今の世代で、「36歳になったら課長になれる」と考えている人は少ないとは思いますが、若くして課長になれる人は、一部の優秀な人を除いて夢物語になります。
自分が30代、40代になっても、若手はほとんど入ってきませんし、上の世代は多くいるのでポストは詰まっています。
そして少子高齢化の影響で、日本国内で事業をしている会社の売上は、自然に落ちていきます。
それは、例え社長が優秀であっても残念ながら、避けられません。
そんな環境の中で、課長、部長になるのは至難の技だと言わざるを得ません。
ちなみに、もし団塊世代のサラリーマン像を見たかったら、島耕作シリーズを読んでみて下さい。
45歳あたりでリストラされます
最近、トヨタの社長が、「終身雇用は難しい」と発言して話題になりました。
今までは常識だった終身雇用が、これからは非常識になっていきます。
では、どのタイミングで社員がリストラされるのかと言えば、40歳から45歳の間だと推測されます。
なぜならば、その頃には出世競争にもおおよその決着がついており、これから出世する人と平社員との明暗が分かれているからです。
出世コースにのっている人は社内に残り続け、平社員の中でも評価が低い人は、リストラされることになります。
まとめ
この記事では、日本の年齢別就業者の状況と、それに伴う会社の構造の変化について書きました。
このような状況では、多くのサラリーマンはモチベーションを維持できなくなるので、若者の労働生産性ですら落ち込むはずです。
また、高齢者の労働生産性に期待できないのも当然のことです。
このような状況に対して個人レベルで、どう対応すべきなのかはわかりませんが、基本的には稼ぐ力を身につける他はないのかと思います。
もしくは、Web業界のような年配の方が少ない業界に入れば、若い頃から活躍できるチャンスを貰えるかもしれません。
Good luck!
なお、この記事はこれらの本を参考にしました。
この記事が面白かった人は、こちらの記事も読んでみて下さい。
-
これからの日本では、時間通りには電車やバスが動かなくなります
目次1 最近、見たツイート2 高齢者の比率3 バスの乗り降りにかかる時間4 電車の乗り降りにかかる時間5 まとめ 最近、見たツイート 最近、下記のようなツイートを見ました。 これは、多分、気のせいでも何でもなくて、事実なんだろうなと思います ...
-
令和元年が45歳定年制の始まりかもしれない【終身雇用は幻想です】
令和になってから、リストラのニュースが多くなった気がします。 それはなぜでしょうか? 目次1 2018年度以降のリストラとその特徴2 早期退職社募集の推移3 2002年にリストラが行われた理由4 2009年にリストラが行われた理由5 減り続 ...
-
正社員の働き方は二極化して40歳に審判が下されます【令和時代の幕開け!】
目次1 幹部候補の社員2 地域限定の社員3 40歳定年制について4 まとめ 幹部候補の社員 ユニクロの幹部候補とは、以下のような人材のようです。 初任給が25万5千円スタートというのは、日本企業らしからぬ素晴らしい待遇だと言えます。 「ユニ ...