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「公益」資本主義のレビュー【書評】

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記事の内容


この記事では、「公益」資本主義 の紹介をします。
この本著者ではある「原 丈人」さんは、岸田文雄首相に助言する立場の人間みたいです。
そのため「公益資本主義」という考え方は、岸田首相が提唱している「新しい資本主義」に影響を与えているそうです。
ですから、この人の考え方がわかれば、今後の日本の方向性も少なからずわかるはずです。

全体的な印象

まず全体的な印象としては、原さんは日本が好きで、欧米的な考え方があまり好きではないようです。
そのため本の内容も、その方向に偏っています。
「日本の良い所」と「アメリカの悪い所」を比較して、読者をミスリードしているような印象を受けました。
本来は、「日本の良い所とアメリカの良い所」と「日本の悪い所とアメリカの悪い所」の両方を比較するべきです。
今の日本とアメリカの現状認識が間違っているように見えます。

違和感を感じた箇所

アメリカの資本主義と日本の資本主義を混同している

アメリカン航空の経営陣は、従業員に対して340億円の給与削減を求めます。
従業員にすれば、会社が倒産したら失職してしまう。
経営陣の要求を吞むことは、背に腹替えられない決断だったに違いありません。
この大幅な給与削減のおかげで、アメリカン航空は危機を脱することができました。
ところが、経営陣はその功績によって、200億円のボーナスを受け取りました。

他にも例を出しています。

バークレイズ銀行は、人員削減を繰り返し、経営陣はやはり多額のボーナスを受け取りました。

著者は資本主義がよくないことの例として、アメリカを例に出しています。
でも、それはアメリカの行き過ぎた資本主義がよくないわけであって、今の日本には当てはまるとは思えません。
上記の二つは両方とも、アメリカの行き過ぎた資本主義の話です。

景気が悪いのは誰のせいか?

世界経済の危機が一向に終わる気配を見せないのも、日本国内の景気が上向かないのも、すべての原因は「会社は株主のもの」という考え方にこそあるのです。

この考え方は一方的な決めつけです。
アメリカは今でも成長していますし、日本の景気が悪い理由の一番は、老人にお金を使い過ぎているせいです。

金融資本主義はゼロサムゲーム

ゲームの前も後も、全体のお金の総額は100万円ですから、新しい価値や富はどこにも生まれていない。
まさにギャンブルと同様に、文字通りのゼロサムゲームです。
誰かが勝って富豪になり、他のみんなは負けて貧困層になり、中間階級層は消えていく。
まさにこれが、いまの世界の姿なのです。

今の金融資本主義を非難していますが、ゼロサムゲームなのは限られた取引だけです。
長期的に見れば、株価は常に右肩上がりです。
つまり、常に新しい価値が生まれています。

日本はいい国

世界のさまざまな国を自分の目で見てきたからこそ、「日本が世界で一番いい国だ」と、私は自信をもって言えます。
世界のほとんどの国は貧困の中にあって、毎日の食べ物を確保するのに精一杯で、戦禍が続く国では、生き延びるだけで必死です。
ですから、世界中の国々が豊かで安全な日本のようになりたいと願っています。

半分は賛成ですが、どうでしょうか?
そんなに「いい国」で、ここまで少子化が進むのは、変な話です。
日本にはいい所もありますが、悪い所もあります。

層の厚い中間層

経済が世界的に停滞している中で、それなりに安定した雇用を維持し、層の厚い中間所得層を持っているのは世界で唯一、日本だけだからです。

日本の世帯年収の中央値は、すでに437万円まで落ちています。
これで「層の厚い中間所得層」と言うのは、ちょっと無理があるように思います。
著者には、昔の日本のイメージが残っているのでしょうか?

金融緩和について

どれほど金融緩和をしても人々はお金を使わず、消費は伸びません。

金融に関する知識は、ちょっと怪しいなと感じました。
金融緩和をしても、人々がお金を使わないのは当たり前の話です。
なぜならば、金融緩和では主に株式市場を通して、お金持ちにしかお金を配っていないからです。
お金持ちにお金を配っても、お金持ちがさらにお金を使わないのは当たり前のことです。
例えば、すでに車を2台持っている人にお金を配っても、3台目を買う人は少ないはずです。

消費を伸ばすには、お金を持っていない人達にお金を配る必要があります。

日本の雇用

逆に日本が他国より秀でているのは、雇用の安定です。
日本はこの美点を失ってはいけません。

この意見はどうかなと思います。
雇用が安定しすぎていると、従業員はぬるま湯に浸かりすぎて、勉強をしなくなります。
それこそが、今の日本企業に起こっている現象です。
多くの日本人に心当たりがあるのではないでしょうか?

日本に必要なのは、むしろ雇用の流動化です。
2年分ぐらいの給料を出したら、従業員を金銭解雇できるような仕組みを整えるべきです。
企業が従業員を70歳、75歳まで雇用し続けるのには無理があります。

日米企業の比較

東レの炭素繊維やリニア新幹線といった、何十年もの時間と巨額の投資を必要とする技術は、株主資本主義に毒されたアメリカからはもう出てこない。
逆に言えば、そこにこそ日本の強みは残されています。

実際に多くのイノベーションは、アメリカから出てきています。
Amazon、Google、Apple、テスラといった企業は革新的なサービスを次々と出しています。
仮想通貨産業や宇宙産業を手掛けているのも、アメリカ企業です。

残念ながら、これは事実誤認でしょう。
新しい技術の多くはアメリカから出てきて、日本からはあまり出てこないというのが現実です。

賛成できる箇所

金融機関の使命について

ごくわずかな手数料だけ取って借り手に安全に資金を提供するのが金融機関の使命であって、金融業は、自らの企業価値や株価上昇を第一目標とすべきではないのです。

この意見には私も賛成です。

成長戦略

真の経済成長とは、真面目に働く全員の実質賃金が上がり、それによって消費が増えることです。
そのために必要なのは、新しく魅力ある産業の創出でなければなりません。

革新的な技術で新しい産業を創出し、世界経済を牽引する基幹産業に育て上げ、誰もが欲しがる新しい製品やサービスを送り出さなければ、本当の富を生み出すことはできません。

真面目に働く人達が報われる社会。
そして、成長産業を創出する。
私も賛成です。

歴史観

グローバル化は、18世紀の植民地主義の時代に始まりました。イギリス、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリア、オランダ、ドイツといったヨーロッパの国々が、豊かな資源と労働力を持つアフリカやアジアへ押し寄せたのです。
そして、「おまえたちの文明や文化は劣っている。だから英語を使え」、あるいは「ドイツ語を使え」「フランス語を使え」「スペイン語を使え」と迫りました。
圧倒的な経済力を見せつけて憧れを抱かせる一方で、言うことを聞かなければ軍事力で脅す。

19世紀と20世紀のグローバル化とは、世界の多様性を奪い、一元化することでした。
宗主国が、現地の言語や文化を奪い、宗主国の言語だけでなく法律や教育制度を「優れたもの」として押し付けたのです。

この辺りの歴史観は、私も賛成です。

自動翻訳機について

そしておそらく20年以内に、何語であろうと即座に変換できるスマホサイズの自動通訳機が登場します。
これが現在のスマホ並みに世界に普及すれば、外国語が話せることは特別の技能ではなくなります。
2040年頃には、語学を学ぶことは趣味になっているでしょう。
語学の勉強そのものが好きだとか、外国人と話すのが楽しいから、という理由で外国語を学ぶ人は残っても、正確さが要求されるビジネスの会話や国際会議では、自動通訳機を使う時代が到来するはずです。

将来的には、言語学習の価値が減っていくと予想しています。
私も賛成です。

 利益の分配

会社が利益を上げたときには、それまで会社を支えてきた人たちに利益を優先して分配すべきなのです。
これは、「会社は公器である」という考え方に基づいています。

従業員に利益を分配すべきというのは、大賛成です。
ですが皮肉なことに、従業員に利益を分配しているのは、著者が非難しているアメリカの資本主義とアメリカ企業です。
日本企業は、従業員に利益を分配してくれません。
最近、アメリカのAmazonは、従業員の給料を大幅にアップさせました。
そして同時期に、NTTでは、元ドコモ社員の給料を大幅にダウンさせました。

著者の理想と、アメリカ社会、日本社会に対する見方は、やはり偏っているように見えます。

株の保有期間で税率を変える

5年間保有した株については売却の税率を5%まで下げ、10年以上保有していた場合には0にします。

この意見には大賛成です。
是非、導入して欲しいです。

税金を先進国で最低水準にする

ちなみに以前から私は、法人税、住民税、消費税、個人所得税、贈与税、相続税などのすべてを2020年頃までに先進国で最低水準にすることを国の政策にすべきだ、呼びかけてきました。

大賛成です。
是非、導入して欲しいです。

新産業への投資の税金控除

たとえば、所得税の10%分をIPS細胞など先端技術ベンチャー事業に投資した場合、年間総額1兆円などの上限を定めて、税額控除を行うのです。

企業が投資をしやすくなるための制度です。
大賛成です。

著者が考えるゴール

国民の給与所得がきちんと上がっていくことです。
イメージは、池田勇人総理が主導した所得倍増計画の21世紀初頭バージョンです。

私も大賛成です。

まとめ

この記事では、岸田首相のブレーンである著者が書いた「公益」資本主義 について紹介しました。
現状の社会に対して、事実誤認の箇所も見られますが、いい事も書かれています。
是非、減税や新しい産業への投資を進めて欲しいですね。

この記事に書いた内容は、この本から抜粋しました。

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