記事の内容
「プログラミングをやる人は頭がいいイメージ」は、確かに世間には存在するようです。
IT人材白書のデータを見ても、高卒のエンジニアは、およそ5.5%ぐらいです。
でも、実際のところ、日本で働く分には学歴は関係ない気がします。
私は今までに中卒や高卒のエンジニアを何人も見てきました。
この記事では、その詳細について説明していきます。
目次
IT人材白書のデータで学歴のデータを確認してみます
IT人材白書2017年によると、高卒でIT技術者になった人の割合は5.5%で、専門学校卒が13.8%なので、決して大きい数字とは言えません。
ただし、この数字を見ても特別に悲観をする必要はありません。
なぜならば、大卒でエンジニアになっている人でも、文系出身の方も多くいるからです。
ということは、IT技術者になるためには、高学歴の理系スキルは特に必要ないということです。
ここがポイント!
- 高卒や専門学校卒のエンジニアは、約20%います
- 文系卒のエンジニアは、約40%います
プログラマは、頭がいいの?
プログラマは、なぜか学歴が高くて頭がいい人だと思われがちです。
「職業は何?」と聞かれて「プログラマです」と応えると「頭がいいんだ」とよく言われます。
それは日本人に限ったことではなく、色々な国の人と話した時に言われます。
私としては、「自分は頭がいい」とは思っていないので、いつも回答に困っています。
なぜ、そう思われているのかは不思議ですが、おそらくは世界的に有名な経営者であるビル・ゲイツ、ザッカーバーグ、スティーブ・ジョブズといった天才達が、みんなプログラマだからではないでしょうか?
でも、世間で働いているプログラマーはそういった天才ばかりではありません。
誤解を払拭するためにも、最近のWeb業界に目を向けてみましょう。
最近、Web業界に入ってきている人達
2013年ぐらいから、Web業界に新卒で高い学歴を持った人達が入ってくるようになりました。
国立大学や関関同立といった優秀な私大を卒業した人達です。
東大生や京大生なんかもいるようです。
その背景には、いくつかの理由が考えられます。
様々な理由
- 新卒の給料が最初から450万円以上と高給
- web業界が将来性があるように見える
- DeNAが球団を買収したことで、業界のイメージが向上した
- Lineなどのサービスが身近になったので、作っているサービスが想像しやすくなった
私も若者と話す機会が多くありますが、実際に作っているプログラミングが、Webやアプリ上で動くことを見るのは、非常に楽しいようです。
また、手に職がつくことも魅力的に映っているそうです。
シャープや東芝、東電といった安定と思われていた大手企業の業績不振を目にしていれば、それも当然かもしれません。
大手企業に勤めていれば自分の人生は安泰という時代は、既に終わりつつあります。
新卒だけではなく、優秀な学歴を持った第二新卒もWeb業界に入ってきています。
NTTデータ、富士通といった会社を1、2年で辞めて、Web業界に入社する人達がいます。
大手に勤めたものの、下請けの会社に出向して、「現場で人に命令することが仕事」という状況が嫌だったようです。
自分にスキルが身につかなくても、会社のために頑張っていれば将来的に報われるという滅私奉公的な考え方は、徐々に廃れつつあります。
特にエンジニアは、滅私奉公の考え方を嫌う人達が多くいます。
このように、優秀な新卒や第2新卒がWeb業界に流れてきているというのが現在の状況です。
ここだけ読むと、「プログラマはやっぱり学歴が高くて頭がいいんだ」と思われるかもしれませんが、私の見方は違います。
私が過去に働いてきた、Webの黎明期に働いていたプログラマ達を紹介します。
私が一緒に働いてきたプログラマ達の経歴
2000年代にWeb業界で働いていた人達は、正直なところ、社会のはみ出し者も多くいました。
なぜならば、学歴が高くてシッカリした人達は、Sier系の富士通やNECといった企業や、電機業界の東芝、ソニーといった会社にいくことが多かったからです。
普通に頭がよい人達は、何をやっているかよくわからないライブドア、サイバーエージェント、グリー、DeNAに入社しようとは思っていませんでした。
その時点でWeb系に行く人達は、よほどの先見の明があるか、突出した才能のある人達だったような気がします。
普通の大卒にとって、Web業界は決してメインストリームではありませんでした。
当時、Web業界にいた人達の例を紹介します。
華麗な経歴(笑)
- 前職は料理人
- 前職は先物取引の営業
- 前職はパチンコ屋の店員
- 前職は劇団員
- 中卒
- ホントか知らんけど、車の盗難で保険金詐欺をやっていた人(笑)
- 医者の息子で、前職はニート
そうそうたる顔ぶれです(笑)
ウソでもなんでもなく、ホントにそういう時代でした。
なぜならば、繰り返しになりますが、学歴が高くて優秀な人達は他の業界で働いていたからです。
これを読んだら、「なんだ、俺でもプログラマになれそう」と思ったのではないでしょうか?
結局、プログラマは実力主義
ここまで読んできたところで、「プログラマに学歴が必要」というのは、イメージだけであることがわかって貰えたはずです。
高学歴な人達がメガベンチャーに就職してプログラマになっているのは、ここ数年の話で、ここ数十年の長い期間で見れば、学歴は全く関係ありません。
結局は、プログラマは実力主義で、プログラミングができる人が重宝されます。
大学で学んだプログラミングスキルだけでは、現場では役に立たないことの方が多く、経験がものを言います。
実力さえあれば、資格も必要はありません。
例えば、基本情報処理のような資格も、持っているに越したことはありませんが、なくても実力さえあれば関係ありません。
まとめ
ジョブスといった天才的な人達や、Web業界で一部の華やかな人達が目立つため、「プログラミングは学歴が高くて頭がよい人達がやるもの」というイメージが、多くの人達についているかもしれません。
でも、10年ぐらい前までは違いました。
食い詰め浪人みたいな人達が、多く働いていたのがweb業界でありプログラミング業界です。
そのため、今の新人は先輩社員に学歴を聞かないようにしましょう。
きっと、お互いにビックリするはずです(笑)
プログラマになるためには、学歴は関係ありません。
何も持っていない自分に、一つ一つスキルを足していけば、誰でもプログラマになれるはずです。
ただし、海外において日系企業以外で働く場合は、学位を求められることが一般的です。
少なくとも、先進国ではまず学位を求められます。
海外で、しかも日系企業以外で働きたい人には、学歴は関係があるということになります。
Good luck for your engineer life!
▼ 効率よくプログラミング学習をしたい人は、この記事を読んで下さい
▼ 文系出身で不安に感じている人は、この記事を読んで下さい
▼ 独学で実務経験に近いものを学びたい人は、この記事を読んで下さい