そろそろ、コロナ禍が流行ってから1年ぐらい経つので、この一年を振り返ってみる。
また、日本の未来についても予想を書いていきたい。
2020年に日本で起こったこと
この一年で起こったことは、主に以下の4つ。
- 失業者の増加
- 老人が死ななくなった
- 赤ちゃんの数が減った
- 株価が上がった
失業者の増加
失業者がおよそ8万人ふえた。
厚生労働省は4日、新型コロナウイルス感染拡大に関連した2020年の解雇や雇い止めは、累計で7万9608人に上ったと明らかにした。
見込みも含む。
経営に深刻な打撃を受けた製造業や飲食業が中心となっている。
死亡者数の減少
2020年は死亡者が増えたのかと思えば、反対に1万人も死亡者が減っている。
コロナ死は約3,500らしいけど、その影響は少ないようだ。
しかし、厚生労働省「人口動態統計月報」では意外な数値が並び、医療関係者を驚かせている。
9月に公開された今年1月から4月までの国内死亡者数を昨年同時期と比べると、今年の方が1万200人以上も少ないことがわかったのだ。
出生数の減少
出生数は1年ぐらい遅れるので、影響が色濃くでるのは2021年だ。
2019年の出生数は86.4万人なので、2021年の78.4万人は大幅に減少していることがわかる。
この見積もりは甘い可能性もあるので、実際にはもっと減少するかもしれない。
2020年の出生数(日本人)は、当社推計に基づく予測では、84.7万人となる見通し。
2021年の出生数は78.4万人まで落ち込む見込み。
株価の上昇
日経平均株価は、年初の23,000円から27,000円ぐらいまで上がった。
これだけ経済が落ち込んだのに、株価は上がっている。
これは、現金の価値が減ったということだろう。
インフレの予兆かもしれない。
土地や株価を持っている老人にとっては、嬉しいサプライズだったはず。
各国と比べた時の日本の対応の評価
こうして事実を並べてみると、日本はよく頑張ったと思うかもしれない。
死亡者数は少ないので、確かにそういう見方もあるだろう。
でも、将来のことを考えると現実は違う気がしている。
なぜならば、日本以外の多くの国は本音と建前を使い分けているからだ。
建前では、「多くの老人や疾患がある人にも生きて欲しい」と言う。
でも、本音では、「老人のことは知らん」と思っているのではないだろうか?
なぜ、私がそう思うのかは、先進国の死亡者数を見れば明らかだ。
国 | 人口 | 死亡者数 |
アメリカ | 3億3千万人 | 35万人 |
イギリス | 6千700万人 | 7万5千人 |
フランス | 6千700万人 | 6万5千人 |
ドイツ | 8千300万人 | 3万5千人 |
ロシア | 1億4千万人 | 18万6千人 |
日本 | 1億2千万人 | 4千人 |
日本だけ桁が違うのだ。
日本は最も平均年齢が高い国にも関わらず、これだけの死者しかいないのだ。
日本は忠実に「多くの老人や疾患がある人にも生きて欲しい」という建前を守っていることがわかる。
そして各国は、それほど老人の命を大事にしていないこともわかる。
「でも、台湾やニュージーランドはどうなの?」と思う人もいるかもしれない。
台湾やニュージーランドは、たしかにコロナの抑え込みに成功した。
でも、それは人口が少ない島国であり、かつ鎖国ができる国だからだ。
日本ほどの人口を抱えて鎖国もできない国では、抑え込みはまずできないだろう。
日本が鎖国できない理由は後述する。
2021年以降の日本で起きること
これまでに2020年に日本で起きたこと、それに対しての日本政府の対応について言及した。
では、今後、日本はどうなっていくのか?という予想についても説明していきたいと思う。
もしかしたら、日本はこの10年で壊滅的なダメージを受けるかもしれない。
今、日本政府が対応している方法は、「ワクチンができるまで頑張ろう」という戦略だ。
もし、それが成功すれば問題は解決されるだろう。
でも、ウイルスは変異する。
変異したウイルスにワクチンが効かない可能性も十分にあり得るシナリオだ。
私は、そのシナリオに沿って日本の未来について考えてみたいと思う。
ワクチンができなかった場合のシナリオ
コロナは思ったより季節要因がある。
そのため、日本では毎年、冬になると緊急事態宣言を出すことになるかもしれない。
毎年、冬になると緊急事態宣言が出るのだ。
ということは、毎年、下記のことが繰り返されることになる。
- 失業者が8万人増える
- 老人が死ななくなる
- 赤ちゃんの数が7万人減る
- 株価が上がっていく
一年ごとに、8万人も失業者が増えて、赤ちゃんの数が7万人も減っていくのだ。
そして、老人の数は減らない。
想像しただけで恐ろしい世界だ。。。
日本で鎖国はできるのか?
こんな未来になるぐらいだったら、日本も島国だから台湾のように鎖国すればいいと思う人もいるだろう。
鎖国してコロナを抑え込めば、こんな未来にはならないと考えるかもしれない。
でも前述した通り、日本はそれができないのだ。
その理由は観光業と労働力不足だ。
そもそも、2010年ぐらいまでの日本は、それほど外国人向けの観光業には前向きではなかった。
「日本の文化を知らない、マナーが悪い外国人なんて面倒なだけ」というのが観光に携わる人達の考え方だろう。
それでも、外国人向けの観光に舵を切ったのは、若者が減りすぎて観光業が成り立たなくなったからだ。
ということは、「鎖国をする」ということは、観光業への死刑宣告になるということを意味している。
もう一つの理由は、労働力不足だ。
今、日本の低賃金労働は、多くの外国人が支えてくれている。
介護、コンビニ、漁業、農業、建築などは、外国人がいないと成り立たなくなると言われている。
ただ、正確に言うと、「成り立たなくなる」というのは誤りかもしれない。
もし、外国人労働者がいなくなったら、日本人労働者の奪い合いになって、労働者の賃金が大幅に上がってしまうのだ。
時給800円では人を雇えなくなり、時給は2,000円ぐらいに上がるかもしれない。
時給アップは労働者には嬉しいけど、時給は物価にも反映される。
それはつまり、ラーメンも一杯2,000円になってしまうということだ。
それでも、働ける若者は何の問題もない。
でも、お金を稼げない高齢者にとって、インフレは死活問題だ。
高齢者の貯金は、みるみる内に目減りするだろう。
そうして、お金がない高齢者は亡くなることになる。
こうして流れを見ると、「鎖国政策」は「姥捨政策」と同じ意味になってしまうことがわかる。
これが、日本が鎖国できない理由だ。
まとめ
日本の未来は、ワクチン次第になっていることがわかってもらえたと思う。
このような未来にならないことを切に願っている。
ちなみに、他の国はどうなるんだろうか?
おそらく、別にワクチンがなくても経済成長を続けるだろう。
なぜならば、他の国は本音では、「老人が死ぬこと」を大して気にしていないのだから。
アメリカでは、老人が死んで、子供がたくさん産まれている。
日本では、老人があまり死なずに、子供があまり産まれていない。
それは、この図を見れば明らかだ。
国 | 出生数 | 死亡者数 |
アメリカ | 375万人 | 35万人 |
日本 | 84.7万人 | 4千人 |
こうしてアメリカでは世代交代が進み、コロナなど気にする必要のない若い世代が増えていく。
反対に日本では、コロナに罹ったら死んでしまう老人が増えていく。
日本は、今、再び、(これから産まれてくるはずの)若者世代を犠牲にした神風特攻をしているように見える。
そして、神風特攻をした太平洋戦争での結果は誰もが知っているはずだ。
それと同様に、日本は再び惨めな敗戦をすることになるかもしれない。
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