天皇家とは何者なんだろうか?

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最近、眞子様の問題で天皇家の話題が、ニュースによく上がるようになっている。
コメント欄を見ると、多くの人が眞子様の結婚に反対しているようだ。
天皇家はやはり、国民にとって神聖なものなのかもしれない。
でも、俺の中での天皇家とは、そこまで特別な存在ではない。
既得権益の一つであり、文化の象徴という程度のものだ。
良くも悪くも、「日本の象徴」なんていう大それたものではない。
この記事では、私がそう思う理由を述べていきたいと思う。

基本的な天皇家の役割

「天皇家とは何か?」と日本人に質問すれば、多くの人は「日本の象徴です」と回答するだろう。
でも、それってよくわからない言葉だと思わない?
日本人だと教科書でそう習うから、多くの人はそれでも納得するのかもしれない。
でも外国人に「天皇家とは何か?」って聞かれて、「日本の象徴です」と回答しても、外国人は理解してくれないだろう。
おそらくは、イギリスやタイの王室と同じように考えてくれるとは思うけどさ。

じゃあ、本来の天皇家とは何か?
天皇家とは、「政権の正当性を証明する機関」というのが正しい定義だろう。
大昔の天皇家は本当の王様だったけど、豪族が力を持つようになってからは、天皇家はそういった機関の一つになってしまった。
日本では、天皇家の許可なしに権力者の頂点に立つことはできない。
だから、鎌倉幕府、室町幕府、江戸幕府なんかは全て朝廷から許可をもらっている。
日本で権力の頂点に立つためには、天皇家に許可をもらうのが唯一の方法だ。

時の権力者にとっては、天皇家は鬱陶しい存在だったとは思うけど、誰もがきっと歴史に名を残す悪者にはなりたくなかったのだろう。
そのため、明智光秀や豊臣秀吉なんかも天皇家には一定の敬意を払っている。
明智光秀なんかは、織田信長を殺したすぐ後に朝廷にお金を払いにいっているぐらいだ。
他にもやることは沢山あったはずなのに、朝廷にお布施を払いに行くことを優先しているということが、当時の朝廷の権威の大事さを物語っている。
すぐに、豊臣秀吉によって倒されたので意味のないお布施になったけどさ(笑)

ここまでの所を読むと、「やっぱり天皇家は偉いんだ!」と思ってしまう人もいるかもしれないけど、それは全くの誤解だ。
天皇家とは悪く言ってしまえば「コウモリ野郎」で、時の権力者にすり寄っていくだけの存在で、状況が変わればすぐに裏切ってしまう(笑)
明智光秀が倒されたら豊臣秀吉にすり寄る。
徳川家が弱ったら新政府にすり寄る。
進駐軍が来たら、マッカーサーにすり寄る。

良くも悪くも、そういった存在なのだ。
よく言えば、世渡り上手な一族とも言えるし、それが伝統なのだろう。
だからこそ、2千年以上もの間、天皇家と貴族は生きのびてこられたのだ。

江戸時代の天皇家と貴族の扱い

現代人が持っている「天皇家のイメージ」は、教科書の内容か「戦前のイメージ」のどちらかだろう。
でも、その少し前の江戸時代は、どうだったのだろうか?
実は江戸時代、1603年〜1868年の間は、天皇家とはメチャクチャ貧乏で、ほぼ何の価値もない存在だった。
孝明天皇の食卓に生ゴミが並んでいたというのが、当時の状況だったらしい。
天皇家と取り巻きの貴族(今でいう宮内庁)は、み〜んな貧乏だった。
(ちなみに、孝明天皇は明治天皇の父親です)

こんな時代にも、たまには「天皇家は尊い」と発言してしまう人もいたのだが、そういった人達はみんな死刑にされてしまった。
なぜならば、江戸時代の神様は「徳川家康」だったから。
「尊王思想」というのは、もっとも危険な思想の一つだとみなされていたのだ。。。
徳川家康は天皇家の怖さを本当によく理解していたのだと思う。
だからこそ、殺さない程度に天皇家と貴族を弾圧したのだ。
しかし、どれだけ対策をしても、徳川家康の予想通りになってしまった。
家康の予想通り、260年後の未来に薩長は天皇家を掲げて江戸幕府の倒幕運動をしたのだ。


天皇家の復権はあるの?

常に権力者にすり寄る天皇家だけど、たまに「俺が本当の権力者になりたい」と考える天皇も出てくる。
それが、教科書にものっている後醍醐天皇だ。
後醍醐天皇の建武の新政とは、「天皇家が権力の座につくよ!」と宣言したものだけど、アッサリと足利尊氏によって倒されてしまった。
でしゃばりすぎた天皇陛下は、こうして歴史の表舞台から姿を消していくことになる。

また、明治天皇の父親である孝明天皇は、(でしゃばりだったせいか)権力者にとって邪魔だったらしく、貴族によって毒殺されたという話がリアルに残っている。
35歳の若さで死んだことが理由の一つだけど、毒殺説は根強くささやかれている。

もっとも最近の話では、昭和天皇がマッカーサーと会談した時の会話が印象的だ。
「あなたが戦争を止めたいと思っていたならば、なぜ戦争を止めなかったのか?」とマッカーサーは昭和天皇に尋ねたらしい。
それに対して昭和天皇は、「もし、私がそのような発言をしたならば、周りの人達に気が狂ったと思われて監禁されただろう」と回答している。
この発言からも、天皇とは決して権力者ではなくて、権力者の傀儡として動いている存在であることがわかる。

天皇家の価値とは何か?

ここまで読んだところで、「じゃあ天皇家の価値って何だろう?」とみんな考えたはずだ。

それは私も悩んだけど、私が考える「天皇家と宮内庁の価値」とは、文化の継承者、もしくは文化の守り人だ。
天皇家とは神道のトップに君臨する存在。
日本三景である「安芸の厳島神社」は、有名だけど、そういった神社のトップにいるのが天皇家ということだ。
「安芸の厳島神社」ができたのは593年らしいけど、それが2020年現在も存在しているのって、スゴいことだろう。
ルイス・フロイスというポルトガルの宣教師が1500年頃に書いた本にも、「厳島神社」の名前が出てくる。
500年ぐらい前に書かれた本に出てくる厳島神社が現存している。
それは間違いなく素晴らしいことだ。
そんな風に歴史が続いている国は、世界でも珍しいはずだ。
しかも、その厳島神社は今でも手入れされているのだから。

そういった歴史と繋がっている遺物は、厳島神社だけでなく伊勢神宮などもそうだし、きっと他にも多くあるはずだ。
それらが守られてきたのは、「神道」や「天皇家と宮内庁」の方々のお陰だろう。
そう考えると天皇家と宮内庁の存在は偉大だとしか思えない。

少し話は変わるけど、日本で外国人からの一番人気の観光地は京都だ。
その京都を長らく京都らしく守ってきたのも、「天皇家と宮内庁」の方々だろう。
そう考えると、「天皇家と宮内庁」は、「伝統的な日本」を守る防波堤のような存在なんだと思えてくる。
それは同時に金銭的にもかなり価値の高いことだ。
日本が日本らしく無くなったら、日本に関心を持つ外国人は激減するだろう。
私が海外に行った時に関心を持つのは、その国の繁華街なんかではなく、その国に存在する伝統的な何かだ。
ただの人口的な国では何も面白くない。
そこに伝統の息吹を感じるからこそ、人は世界を旅行するはずだ。

今後の天皇家について

最後に、「これからの天皇家はどうしていくべきなのか?」についても、意見を述べたいと思う。
天皇家のことは、やはり天皇家と宮内庁の方々が決めるべきだ。
ただし、天皇家は「自分達の役割」を明確にアピールしていくべきだろう。
ただ税金をもらって胡座をかいているのは違うし、自由な恋愛がしたいならば皇室を離脱して民間人になるべきだ。
天皇家も普通の人なのだから、誰もそれを責めはしない。
でも、神道のトップであり文化の守り人であるならば、それ相応の格式や品格を持つべきだろう。
俗っぽいことをしていては、誰もそこに魅力を感じない。
江戸時代の天皇家や宮内庁のように、慎ましく暮らしていけばいい。
フリーランチは許されない。
税金で暮らしていくならば、それ相応の覚悟を持って欲しい。

この記事は、これらの本を参考にして書きました。

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