でも、エンジニアになれなくて困っている人の話も同様に聞きます。
状況がよくわからないのですが、どういうことなのでしょうか?
将来的に、エンジニア不足は解決されそうですか?
端的に言えば、Web業界に限らずIT業界は、「実力があるエンジニア不足」です。
そのため、エンジニアになれない人が多くいることも、エンジニア不足も事実です。
また、将来的にもエンジニア不足が解消される見込みはありません。
この記事では、私がそう思う理由を説明していきたいと思います。
本記事の内容
- Web業界は弱肉強食の世界
- Web業界では、ちゃんとした先生はいません
- どうすれば、その問題を解決できるのか?
- まとめ
Web業界は弱肉強食の世界
ここ数年、Webエンジニアが人気だという話をよく聞きます。
「月収50万円は楽に稼げる」「リモートワーク」「子育てをしならがでも働くことができる」といった話です。
それらの情報は決してウソではありませんが、Web業界は弱肉強食の世界でもあるということも知られて欲しいです。
先日、私の職場では、業務委託としてあるエンジニアが職場にジョインしましたが、1週間でクビを切られてしまいました。。。
それもまたWeb業界の一つの現実です。
Web業界では、ちゃんとした先生はいません
学生はともかく、社会人がWeb業界でエンジニアとして働くための明確なキャリアパスは存在していません。
「あれ?巷のプログラミングスクールはどうなの?」と思う人もいるかもしれません。
プログラミングスクールは、初心者がWeb業界でエンジニアとして働くための手助けをしてくれるかもしれませんが、教育の質は残念ながらあまり高くありません。
悪徳な経営者によって、初学者を半ば騙すようなビジネスになっているケースが多々、散見されます。
勿論、全てのスクールが悪いとは言いません。
でも、Web業界はエンジニア不足という構造的な問題を抱えているので、いいスクールは少ないと言わざるを得ません。
これだけ、Web業界でエンジニア不足が叫ばれているのですから、当然のことながらプログラミングスクールで働く講師のエンジニアも不足しています。
そして、エンジニアの給与問題もあります。
経験を積んだエンジニアであれば、都内で月収80万円ぐらいは普通に稼げます。
そのエンジニアが、プログラミングスクールで講師をやった場合に、月収で80万円を稼ぐことができるのでしょうか?
おそらくは、稼げないはずです。
そういった状況の中で、自分の給与を犠牲にしてまで、生徒にプログラミングを教えようとする奇特な人は、ほとんどいません。
さらに悪い情報があります。
それは、Web業界のエンジニアは先生だろうとも、誰にも守られていないということです。
学校の先生は国によって守られていますが、Webエンジニアの先生は一切、守られていません。
例を挙げると、英語の教師が公立の学校に勤めれば、一生の仕事が保証されます。
自分の意志で辞めない限りは、仕事をクビになることはありません。
日本では英語の先生が英語を話せないことで有名ですが、それでも英語の先生がクビになることはありません。
それにも関わらず、給与は自動で上がっていきます。
でも、Web業界のエンジニアは、先生になったとしても、一生の仕事は決して保証されません。
そして、自分の教え子の方がプログラミングを上達したら、エンジニアの先生はクビになる恐れすらあります。
学校の先生の市場価値と給与の関係を図にしたものが、以下のグラフになります。
横軸は年数で、縦軸の数字は抽象的な数字であり、数字自体に具体的な意味はありません。
一般的に、学校の先生の市場価値は年数と共に下がっていきますが、給与は年数に比例して上がっていきます。
一方で、こちらがエンジニアのグラフです。
落ちる市場価値に比例して、給与も下がっていきます。
誰にも守られないというのは、2番目のグラフになるということです。
こんな状況の中で、誰が積極的にプログラミングを教えようとするのでしょうか?
どうすれば、その問題を解決できるのか?
この状況を解決するためには、国や企業がエンジニアをもっと守るべきでしょう。
セーフティネットがない状態で、「もっと後輩を指導してあげて!」と叫んだところで何の意味もありません。
大企業でも、成果主義を導入した結果、先輩社員が後輩を教えなくなり、技術の伝承が進まなくなったのは有名な話です。
それもそのはずです。
技術を後輩に教えた結果、自分が首になることがわかっているならば、誰も積極的に教えるわけがありません。
それを変える方法は二つです。
一つ目の方法はエンジニアの雇用を守ることです。
これは従来の日本の大企業、もしくは公務員のようなやり方です。
二つ目の方法はアメリカ型です。
実力や成果に応じて、それなりの金額を払う方法です。
エンジニアの給与を、20年間で一生分の給与を稼げるぐらいの高賃金に設定する必要があります。
もしくは、高額なストックオプションを配るとかでもいいと思います。
どちらかの方法で、エンジニアの心理的安全性を確保すれば、エンジニア教育も普及しやすくなるはずです。
まとめ
この記事では、Web業界の一つの側面である厳しい現実について説明しました。
国が税金を投入することで、この問題が早期に解決されることを祈っています。
また、これからプログラミングを学ぼうとした人は、この記事を読むことでWeb業界に入ることを少し躊躇されたかもしれません。
でも、必要以上に恐れることはありません。
まずは独学をするなり、無料のプログラミングスクールにいくことで、業界に対する適性を確認してみて下さい。
プログラミングの勉強を続けることが苦ではない人は、きっとWeb業界でもやっていけるはずです!
Good luck for your engineer life!
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