記事の内容
この記事では、欧米で話題になっている「FIREムーブメント」という生き方と、その生き方が日本でも可能なのかについて説明していきたいと思います。
FIREムーブメントとは何か?
FIREは、(Financial Independence, Retire Early)の頭文字を取ったものです。
つまり、経済的に独立して早期退職をしようという生き方を指しています。
しかも、早期退職といっても、50代や60代の退職ではなく、もっと早い30代や40代からの早期退職です。
その生き方は徹底しており、FIREムーブメントを行っている人達は、早期退職をするために外で無駄なコーヒーは飲みませんし、食事もできるだけ外食を避けています。
FIREムーブメントに必要とされるお金
早期退職をするために必要な貯蓄を、彼らは年間支出の約25倍だと見積もっています。
一年で使うお金が240万ならば、必要な貯蓄は6,000万円ということになります。
そうして、そのお金を運用利回り4%で回していけば、十分に食べていけるという試算です。
一月の支出額ごとに、必要な貯蓄額をまとめたのが下記の図です。
一月の支出額 | 一年の支出額 | 必要な貯蓄額 |
10万円 | 120万円 | 3,000万円 |
20万円 | 240万円 | 6,000万円 |
30万円 | 360万円 | 9,000万円 |
日本でもFIREムーブメントは可能か?
FIREムーブメントは、主に欧米で行われていますが、それは日本でも可能なのでしょうか?
結論から言うと、不可能とは言いませんが、簡単でもないと思います。
なぜならば、日本は年功序列で20代、30代の給料は低く抑えられる傾向にあるからです。
仮に年収が500万円だとしても、手取りは400万円で、月にすると33万円です。
その場合のシュミレーションを行ってみます。
一月の貯蓄額 | 目標の貯蓄額 | 貯蓄にかかる年数 |
15万円 | 3,000万円 (一月の生活費が10万円を目指す人) |
17年 |
20万円 | 3,000万円 | 13年 |
25万円 | 3,000万円 | 10年 |
15万円 | 6,000万円 (一月の生活費が20万円を目指す人) |
34年 |
20万円 | 6,000万円 | 26年 |
25万円 | 6,000万円 | 20年 |
日本で暮らす場合だと、一月の生活費は20万円ぐらいかかることは普通です。
その場合に目指す貯蓄額は6,000万円で、月に20万円を貯めたとしても、かかる年数は26年です。
23歳から働き始めたとしても、6,000万円に到達するのは約50歳の頃です。
その間に、投資が上手くいっていれば、もっと早く到達するかもしれませんし、給与が上がっても早く到達するかもしれません。
ただし、投資は失敗する可能性もあるので、何ともいえないところです。
また、50歳になる頃までには様々なライフイベントもあるので、簡単には達成できないと思います。
日本人は人生の時間の使い方を再考すべき
日本人には、FIREムーブメントは少し難しいという話をしました。
でも、日本版のFIREムーブメントならばできるかもしれません。
FIREムーブメントの本来の意味は早期退職です。
でも、もう少し間口を広げて考えてみると、「人生の時間の使い方を再考すること」とも考えることができます。
なぜならば、早期退職とは以下のような思想の元におこなわれているものだからです。
早期退職をする理由
- 人生には仕事よりも大切なものがある
- 働かない世界には、もっと楽しいことがあるはず
- お金の一番良い使い道は、自分自身の自由を買うこと
ということは、この三つの思想を持ちながら、労働時間を減らせるならば、それは一種のFIREムーブメントとも言えるのではないでしょうか?
それが、日本版のFIREムーブメントだと私は考えています。
私はフィリピンによく行くのですが、最近では会社を辞めて、1ヶ月から2ヶ月ぐらいの期間で、フィリピンに様々な目的で来ている人達が増えていることに気付きました。
そういった人達に職種を聞くと、大体は、ソフトウェアエンジニア、デザイナー、看護師といった職種です。
主に、転職において流動性のある職種についている人達だと思います。
彼らは人生において、仕事だけには重点を置いていません。
仕事よりも大切なものを求めて、稼いだお金で自由を買って、働かない時間を作っています。
これからの時代には、多くの日本人に、このような人生を送って欲しいと、私は願っています。
まとめ
この記事では、FIREムーブメントについて書きました。
FIREムーブメントとは、「人生における時間の使い方」を再定義するものです。
私は、常々、日本人は時間の使い方が下手なだと思っていました。
GWの10連休にしても、上手く楽しめていない人達が、一定数いるようです。
でも、欧米では最低でも1ヶ月ぐらいの休暇は普通で、人によっては2ヶ月ぐらいの休暇を取ることもあります。
そういった生き方をしていれば、見えてくる世界は大幅に変わってきます。
今まで、自分が信じていたことが、実は取るに足らないことだったと気付くかもしれませんし、取るに足らないと思っていたことが、実は重要だったと気付くかもしれません。
現代の日本人は、多くの人が労働だけに人生を捧げているため、かなり疲弊しているように見えます。
FIREムーブメントの精神で、これからは多くの日本人に、仕事以外でも幸せになって欲しいと思います。
Good luck!
▼ 「幸せ」について改めて考えてみたい人は、この記事を読んで下さい
▼ 「目的のものを得たけど、何か違う気がする!」と感じている人は、この記事を読んで下さい
▼ エンジニアの生き方について改めて考えてみたい人は、この記事を読んで下さい