記事の内容
この記事では、シアトルにある、「ホームレスを追い出すためのアプリ」とも呼ばれている「Find it, Fix it」というアプリを紹介していきたいと思います。
「Find it, Fix it」とは、どんなアプリ?
「Find it, Fix it」とは、アメリカのシアトル市が提供しているアプリです。
住民が、街にある問題を発見したら、アプリを使ってそれを市に通報することができます。
アプリで作業をする順番は以下のようになります。
- 問題を報告するボタンを押す
- カテゴリーを選ぶ(廃車がある、排水の問題、動物の死骸、落書き、不法投棄、道路のくぼみ、信号)
- 最後に、位置情報をつけて、問題の写真をアップロードします
日本では報告をするまでもなく、こういった問題をあまり見掛けません。
なので、普段のシアトル市がどういう状態なのかは気になりますが、便利なアプリだと思います。
「Find it, Fix it」を使って、ホームレスの野営地を報告する住民
「Find it, Fix it」というアプリの用途はわかって貰えたと思います。
それだけを見ると素晴らしいアプリに見えますが、今はシアトルにいるホームレスの人達を通報する用途にも使われているそうです。
住民がホームレスの野営地を見つけると、「Find it, Fix it」を使って、「ここにホームレスが寝泊まりしているから追い出してくれ」とシアトル市に報告をします。
それだけを聞くと、ホームレスの人達は迷惑だから、通報されても仕方がないと思うはずです。
ただし、シアトル市に大量のホームレスが生まれた背景を知ると、話が変わってきます。
シアトル市には、Amazonの本社があり、4万人以上の従業員が雇用されているそうです。
その結果、何が起こったのかと言うと、地価やアパートの賃貸料が大幅に上昇しました。
2018年の住宅価格の中央値は、前年に比べて19%も上がったそうです。
月額で考えると、2017年には家賃が10万円だったアパートが、2018年には11万9千円に上がる計算です。
一年の上昇額としては、とんでもない数字です。
さらに、2011年から計算すると、家賃が約60%も上昇しているそうです。
そういった背景があり、シアトル市では学生も含めて、多くのホームレスが生まれました。
同様のことが日本で起こり、法律が借り主の味方をしなければ、きっと日本でも多くのホームレスが生まれるはずです。
まとめ
この記事では、「Find it, Fix it」というアプリと、その問題?について紹介しました。
テクノロジー企業が税収という形で街に貢献していることはわかりますが、そのせいで街に多くのホームレスも生み出しました。
そして、テクノロジーは、さらにそのホームレス達を追い詰めようとしています。
法的には問題ないのでしょうが、これが先進国の在るべき姿には見えませんね。
ちなみに、シアトル市はこの問題に対応すべく、市営住宅を建てるつもりのようですが、財源をどうしようか悩んでいるそうです。
一つの案としては、Amazonの従業員に人頭税をかけるという話もあるそうですが、それについてはベゾスが怒って、「それならばシアトルから出ていくかもしれない」と伝えたそうです。
普通に考えれば、ベゾスが怒るのも当然です。
「Amazonの従業員だけが、年間で3万円を払え!」と言われれば、誰だって怒るはずです。
シアトル市が、どのようにホームレス問題を解決するのかはわかりませんが、今後も注目していきたいと思います。
Amazonのようなテクノロジーの会社は確実に社会をよくしていますが、それでも何らかの社会問題が生まれます。
その問題を最終的に解決するのは、テクノロジーではなく倫理なのかもしれません。
Good luck!
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