科学的に、そのような理論を証明することができますか?
記事の内容
残念ながら、科学的には選択肢が少ない方が、クライアントにとっては優しいようです。
なぜならば、人間の一時的な記憶容量には限界があるからです。
この記事では、そのような「選択の科学」と「決断疲れ」について説明していきたいと思います。
有名なジャムの購入実験の話
これはアメリカで行われた実験です。
スーパーの入口近くに、二通りのパターンでジャムの試食コーナーを設け、顧客がどのように反応をするか試しました。
2つの試食コーナー
- 24種類のジャムを並べた試食コーナー
- 6種類のジャムを並べた試食コーナー
顧客が100人いたと仮定します。
24種類の場合
- 60人が試食に立ち寄る
- 2人がジャムを購入
6種類の場合
- 40人が試食に立ち寄る
- 12人がジャムを購入
試食する人数は、ジャムの種類が24種類の時の方が多かったのですが、購入した人数はジャムの種類が6種類の時の方が多いという結果になりました。
この実験が証明したことは、「人間は選択肢が多すぎると、選択することを放棄してしまう」ということです。
その理由は、人間の処理能力には、限界があるからだそうです。
その減少は、「決断疲れ」と呼ばれています。
具体例を挙げながら、決断疲れの例を紹介していきたいと思います。
決断疲れの例
オバマ大統領とジョブスは決断数を減らしています
オバマ大統領は、決断の数を減らそうとして、グレーか青のスーツしか着ないことにしていたそうです。
スティーブ・ジョブズが、常に同じ服を着ていたのも同様の理由だと思います。
MTGで、どうしても通したい案件がある時
もし、社内のMTGで、どうしても通したい案件がある時に、できることは2つあります。
1つ目は、会議を夕方以降に設定することです。
朝から様々なことを決断してきた人達は、すでに「決断疲れ」を起こしているからです。
2つ目は、会議では重要な案件を、最後にさらりと入れましょう。
その時には、きっと、「何でもいいからOK」という気分になっているはずです(笑)
史実に沿っているかはわかりませんが、漫画の「センゴク」でも、秀吉の弟が、秀吉のMTGの技術について、このように評しています。
「発言を通したい時は軍議後半、皆が考えている時にスッと出す」
フランス料理店のお任せコース
フランス料理店が、「お任せコース」を用意している理由の一つには、こういった理由もありそうです。
一部のお客は、膨大なメニューの中から、料理を選ぶことが嫌になってしまうからです。
また、レストラン側は、コースメニューに、「お客が自分で選んだ時には入らないであろう料理」を混ぜることで、客単価を上げているのだと思います。
不動産営業マンの常套手段
不動産を売る時にも、決断疲れを狙った営業方法が使われていることがあります。
最初の方に、いまひとつの激安物件や、予算を大幅に超える高級物件など、顧客が買わないであろう物件をたくさん紹介した後で、最後に予算より少し高めの優良物件を見せることがあるそうです。
決断疲れを起こしている客は、その時に、「もうそれでいいです」という可能性が高いそうです。
面接される順番が人生を左右することもあります
イスラエルで、受刑者を仮釈放するか否かを決定する委員会で、ある実験を行ったそうです。
それは、最初の方に判断される人達と、後の方に判断される人達を見比べて、どちらが釈放される可能性が高いかを見るという実験です。
つまり、朝の8-9時の時間帯に、「釈放するか否か」を判断した場合と、朝の11-12時の時間帯に判断をした場合に、受刑者の釈放が許される割合に違いがあるかどうかという実験です。
結果は、朝の8-9時の時間帯の方が、受刑者が釈放される割合は多かったそうです。
つまり、後半になると、委員会の人達は疲れてしまって、「とりあえず、釈放しない」という判断になってしまったようです。
また、休憩を挟んだ場合だと、休憩後の方が、「仮釈放を許可する割合」が増えたそうです。
まとめ
この記事では、「決断疲れ」に関する具体例を書きました。
この事実を知っていれば、様々な局面で応用が効きそうですね。
もし、自分が疲れているなと思ったときは、一度、休むことをオススメします。
Good luck!
この記事は、こちらの本を参考にしました。
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