いつからだろう?
私は、日本社会に居場所を見つけられなくなった。
学歴競争に負けたわけではない。
いい企業に入れなかったというわけでもない。
新卒の就職活動は失敗したけど、何度か転職を繰り返してメガベンチャーと呼ばれる企業には入社できた。
だから、なんというか、みんなが「居場所を見つけられなくなった人」から連想しやすいような社会的な落伍者になったわけではない。
それでも、私は日本社会に居場所を見つけられなくなった。
会社に居場所を感じられなくなり、社会に居場所を感じられなくなり、家庭にも居場所を感じられなくなったからだろう。
会社というのは非常に難しいところだ。
会社では頑張って成果を出しても、必ずしも評価されるわけでもないし、出世できるわけでもない。
出世には運も必要だ。
また、一時的には出世できたとしても、サービスが廃れて部署も地位もなくなることもある。
時には会社ごとなくなることさえある。
そうなると、会社での地位はイチからやり直しだ。
人間関係だって色々ある。
自分がパワハラをしたこともあるかもしれないし、されたこともある。
そんなことをいくつかの会社で繰り返している内に、ラットレースに疲れてしまった。
今はもう、「パワハラ」「長時間労働」「出世競争」、そういったことにはなるべく関わりたくない。
日本の社会は、習い事でも男性に厳しいように感じている。
例えば、ヨガスクールだと、「男性禁止」と書いてあるところがある。
その他の習い事でも「男性は女性を口説かないで下さい」みたいな貼り紙があったりする。
日本では、どうも男性はあまり有り難い存在ではないらしい。。。
おそらく、そういった主張をしている運営の人達は、そこまで悪気はないのだとは思う。
でも、そういった主張をいくつかの場所で見ていると、なんとなく気分が落ち込んでしまう。
家庭に関しては私は独身なので、やはり居場所はない。
会社や習い事先では、「女性をあまり口説いてはダメ」となっているので彼女を見つけるのも簡単ではない。
2回ぐらい職務質問や自転車泥棒の疑いをかけられたことも、なんとなく嫌な気分になった。
なんで歩いていたり、普通に自転車に乗っているだけで警察に呼び止められてアレコレ詮索されなければいけないんだろう?
こんな事のために税金を払っているのかと思うと、非常に情けない気持ちになったことをよく覚えている。
日本は男性という属性だけで差別されている気がしてならない。
こういった嫌なことの積み重ねで、私は疎外感を感じ始め、そして日本ではどこにも居場所を見つけられなくなってしまった。
日本の引きこもりや独身の人数を考えると、そう感じる人は、きっと私だけではないのだろう。
日本ではニートが70万人、引きこもりが100万人ぐらい居るらしい。
彼らはきっと、日本社会に居場所を見つけられなくなった人達だ。
そんな時に、オンライン英会話を通してフィリピンという国を知った。
フィリピンは日本とは全く違う国だった。
フィリピンは外国のはずなのに、あまり疎外感を感じない。
なぜかと言えば、挨拶や世間話がめっちゃ多いからだ。
マンションのガードマンや、受付の人とも気軽に話すことがある。
なんなら、スタバなどの店員と話すことすらある。
習い事などでも、気軽に仲間に入れて貰える。
女性から男性に声を掛けてくれることもあるぐらいだ。
休憩スペースでくつろいでいると、「これを食べる?」みたいに声を掛けられることは何度か経験した。
なんというか、フィリピン人は人懐っこいのだ。
会社でも、それは同様だったりする。
会社では、頻繁に誰かしらの誕生日パーティーがあったりする。
別に、それは偉い人に限ったことではなく、平社員のためにも誕生日パーティーがあるのがいい。
休日に、みんなでどこかけへ出掛けたりもするし、クリスマスパーティーもある。
みんながみんな仲良しというわけではないにしろ、大学のサークル的な感覚はある。
日本の会社とは雰囲気が全く異なることは間違いないだろう。
フィリピン社会は、人との挨拶が多く、そして人との交流が多い。
また、男性が女性に声を掛けることは、どこでも制限はされていない。
そうして、俺はずっとフィリピンにいたいと思うようになった。
日本で疎外感を感じる人は、是非、フィリピン社会を体験して欲しい。
もしかしたら、私のように人生が変わるかもしれない。