今回は、私が海外に住み始めてから社会の見方が変わった話について書きます。
私は日本にいる時に、日本の悪い所ばかりが気になっていました。
そして、「その悪い所はどうすれば直るんだろうか?」と常々、考えていました。
でもその悪い所は、実は良い所の裏返しであることがほとんどです。
つまり、悪い所を取り除こうとすれば、日本の良い所も失われるということです。
この記事では、それについて詳しく説明していきたいと思います。
日本の悪い所と良い所を書き出してみよう
まずは、日本の悪い所を書き出してみます。
悪い所
- 日本企業はブラック体質
- 日本は税金が高い
- 家族の絆が弱い
- 男女が平等ではないと言われることもある
反対に良い所も書き出してみます。
良い所
- 美味しい食事
- 街が綺麗
- 素晴らしいサービス精神
- インフラが整っている
- 公的な社会保障が整っている
- 格差の開きが少ない
- 男性がよく働く(専業主婦は約700万人もいる)
次に、良い所と悪い所で関連する項目をグルーピングします。
「犠牲」と「受益」は表裏一体なところが、ポイントです。
サービス精神
- 日本企業はブラック体質(犠牲)
- 素晴らしいサービス精神(受益)
- 美味しい食事(受益)
社会
- 日本は税金が高い(犠牲)
- 街が綺麗(受益)
- インフラが整っている(受益)
- 公的な社会保障が整っている(受益)
- 格差の開きが少ない(受益)
家族と社会保障
- 家族の絆が弱い(犠牲)
- 格差の開きが少ない(受益)
- 公的な社会保障が整っている(受益)
格差の開きが少なく、公的な社会保障が整っていることは、大きな受益です。
でも、そのせいで家族の絆が弱まっていることも、また事実です
男女
- 男女が平等ではないと言われることもある(犠牲)
- 男性がよく働く(受益)
日本では男性がよく働くことは当たり前ですが、他の国では必ずしもそうではありません。
そのため、男性がよく働くということは、社会にとっては大きな受益です。
専業主婦が700万人もいる国は、日本以外には少ないはずです。
(というか、そういう国があれば教えて下さい。)
フィリピンの悪い所と良い所を書き出してみよう
次に、フィリピンの悪い所を書き出してみます。
悪い所
- 時間にルーズ
- 微妙なサービス精神
- 軽犯罪や殺人が多い
- 公務員の汚職が多い
- 格差の開きが大きい
- 公的な社会保障が少ない
- 医療が脆弱
- 男性が働かない
反対に良い所も書き出してみます。
良い所
- 税金が安い
- 時間に遅刻しても、大きな問題にはならない
- 仕事の納期などが厳しくない
- 接客中にお喋りをしていても、何も問題はない
- 家族の絆が強い
- 男女平等
次に、良い所と悪い所で関連する項目をグルーピングします。
時間
- 時間にルーズ(犠牲)
- 仕事の納期などが厳しくない(受益)
- 時間に遅刻しても、大きな問題にはならない(受益)
サービス精神
- 微妙なサービス精神(犠牲)
- 接客中にお喋りをしていても、何も問題はない(受益)
- 仕事の納期などが厳しくない(受益)
社会
- 軽犯罪や殺人が多い(犠牲)
- 格差の開きが大きい(犠牲)
- 公的な社会保障が少ない(犠牲)
- 医療が脆弱(犠牲)
- 公務員の汚職が多い(犠牲)
- 税金が安い(受益)
フィリピン社会には悪い所が多いのですが、その反面、税金が安いという特典があります。
正確に言えば、税金が安いというか、税金の捕捉率がかなり低いように見えます。
家族と社会保障
- 公的な社会保障が少ない(犠牲)
- 格差の開きが大きい(犠牲)
- 家族の絆が強い(受益)
フィリピンでは格差の開きが非常に大きく、社会保険はほとんどありません。
そのため、家族の絆は自然と強くなります。
男女
- 男性が働かない(犠牲)
- 男女平等(受益)
フィリピンでは男性は、あまり熱心には働きません。
それで女性が頑張るのことになるですが、その結果として男女平等な社会になります。
海外に出てから変わった考え方
私は海外に行く前は、社会の悪いところばかりを気にしていました。
そして、「どうすればその悪い所がなくなるのだろうか?」と考えていました。
私だけでなく、そのように考えている人は非常に多いと思います。
「どうやったら、日本企業のブラック体質はなくせる?」と考える一方で、「日本のサービス精神は素晴らしい」と言っている人は多いのではないでしょうか?
でも、それらは対になっています。
対になっているということは、「ブラック体質」をなくせば、「日本の素晴らしいサービス」も失くなるということです。
日本の税金が高いと思っている人も多いと思います。
でも、それは高度なインフラや綺麗な街、手厚い社会保障と対になっています。
税金を安くすれば、それらは失われます。
このような感じで、一方的な面から物事を見ることがなくなり、常に「悪い所と良い所」を対にして考えるようになりました。
海外に住み始めてから、世の中の多くのことは対称性をはらんでいるということに、私は気付くことができました。
まとめ
世の中の良い所と悪い所を並べてみると、その多くは対になっています。
対になっているということは、片方を消せば、もう片方も消えてなくなるということです。
このような現実があるにも関わらず、なぜか世の中で問題になる話は、その一方しか問題にはなりません。
でも、それでは決して問題解決にはなりません。
世の中を変えたいと思う時は、悪い所だけではなく、必ず対となる良い所にも目を向けましょう。
ちなみに、たまにパチンコみたいな悪い所しかないものもありますが、そういったものの大半は利権絡みです。
そういったものは、即座に失くしていきたいですね!
Good luck!
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