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日本人に降りかかる5分前出社の呪い【一方のフィリピンでは?】

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日本で働いたりバイトをしたりしたことがある人ならば、まず間違いなく聞いたことのある言葉が、「5分前出社」だ。
始業開始が9時からならば、8:55分までには出社をして準備もして、9時からはすぐに仕事を始めましょうという意味を表す言葉だ。
別に詳しく説明する必要もないだろう。
日本人ならば、誰でも知っている内容だ。
そして「5分前出社」のすごい所は、あらゆる状況に対応しなければいけないことだ。
「5分前出社」では電車やバスが遅れたり、天候が悪いことを言い訳にしてはならない。
何があったとしても、会社には5分前に出社しなければいけないのだ。

  • 電車やバスは常に遅れる可能性があるのだから、常に30分ぐらい時間に余裕を持つべき
  • 天候が悪いことは前日の天気予報を見てわかっているのだから、天候は言い訳にならない

そうなると、社会人は5分前出社のために、30分から1時間ぐらい余分の時間を会社に取られてしまうことになる。
さらにスゴい会社だと、こんな意見もある。

  • 会社の近くに住めばいつでもすぐに出社できる

こうなって来ると若干、宗教っぽいけど、東京のITベンチャーでは、「会社から3駅以内に住む従業員」には家賃手当を数万円ぐらい出すことは一般的だ。
それほど、「5分前出社」や「会社のために働くこと」が重要視されているということだろう。
最近になって、「働き方改革」や「コロナ禍」の影響が出てきたらから、少しは日本も変わって来たとは思うけど、5年ぐらい前まではこれが当たり前だったと思う。
台風や大雪の日でも、出社しているサラリーマンの映像がたまにTwitterなどで話題になっていた。
その行動様式は、「5分前出社」の精神から来ている気がする。
私の周りが全てではないにしろ、「わかるよ」と頷いてくれる人も多いのではないだろうか?

ここまでの所で、私は「5分前出社」の微妙?なところを説明しているが、もちろん、いい面もある。
実際の5分間にそこまでの価値があるわけではないが、その精神性が非常に尊いのだ。
何があっても「5分前出社」できるぐらいの精神性があれば、会社の仕事もシッカリとこなすことができるというわけだ。
そうして、「5分前出社」の精神は、「残業をやる精神」や「土日に家族も顧みず仕事をやる精神」に繋がっていくことになる。
それは日本経済の躍進に大きく貢献したことだろう。
「エコノミックアニマル」、「企業戦士」、「ワークホリック」と呼ばれるに相応しい働き方だ。
もちろん、その弊害として家庭環境の悪化があったことも決して忘れるべきではない。

では、その働き方は良いのだろうか、それとも悪いのだろうか?
少し話は変わるが、最近、「エミリーパリに行く」というドラマを見た。
エミリーというアメリカ人が、フランスのパリに行って働く生活を描いているドラマだ。
その中で、あるフランス人のセリフが印象的だった。

あなた達、アメリカ人は「働くために生きているんでしょ?」
私達、フランス人は「生きるために働いているの」

英語で言えば、「live to work」と「work to live」の違いで表現されていた。

これらのセリフは、多くの日本人にも響くだろう。
「企業戦士」であるならば、「live to work」でなければならない。
そして、その象徴の一つが、いついかなる時にでも「5分前出社」の精神だ。
私達、日本人はこれからもその行動様式を続けていくつもりなんだろうか?

所変わって、フィリピン社会では「5分前出社」という行動はない。
絶対にないというわけではないけど、日本ほどは決して根付いていない。
その行動がある会社もあるだろうけど、店が開店時間に正確に開くことを期待してはならない。
基本的には、フィリピン人は時間には遅れることが当たり前だと、常に考えて行動するべきだ。
それは、「フィリピン時間」と揶揄されていて、「遅れることが当たり前」という現象のことをフィリピンでは指している。

でも、その代わりに、フィリピンでは別の一般的な行動様式がある。
「5分前出社」の行動様式の反対である「5分前退社」の行動様式だ。
終業時間きっちりに帰るために、「5分以上前から準備しよう」という行動である。
それをわかりやすく説明したいので、まずは下記の写真を見て欲しい。

この半分、シャッター?がおりた写真は、開店前の様子を撮ったものではない。
閉店後の様子でもない。
閉店、10分前ぐらいの様子を撮影したものだ。
閉店時間が19時だったから、18時50分ぐらいに撮影したものだったと思う。

この写真を見て状況がつかめただろうか?
「閉店前にシャッターをおろす」ということは、日本では決して考えられないはずだ。
でも、フィリピンではそれが頻繁に起こる。
LEVI'Sという超有名ブランドでも起こる。
そしてその理由は、店員が閉店時間きっちりに帰宅したいからだ。
10分以上前にシャッターをおろしておけば、新しい客は入ってこないので、自分達は定刻に帰宅できる。
これがフィリピンの「5分前退社」の行動様式で、服飾店だけではなく飲食店でもよく見る光景だ。
閉店時間ギリギリにレストランに駆け込んでも、店員から断られることは日常茶飯事。
そのため、客はそれを見越して、閉店30分前には飲食店に行かなければならない。

「こんなことをやっているから、フィリピンは発展しないんでしょ(笑)」という意見が、今にも日本人から聞こえてきそうだ。
それは最もな意見だろう。
でも、なぜ、彼らはそのように行動するのかも考えてみて欲しい。
それは、フィリピン人がプライベートを大切にしているからだ。
彼らは、「生きるために働いている」のだ。
それであれば、彼らの行動は理に適っている。

私達、日本人は彼らの行動を見て笑ってしまうかもしれないが、実はそんなに笑える話でもないだろう。
フィリピン人からすれば、日本人の行動の方がよっぽど可笑しい。
フィリピン人と日本人が一緒に働いていると、彼らは日本人の勤勉さにビックリする。
でも、冗談まじりに、「日本が少子化の理由は、日本人が働きすぎだからだよ」と笑って言う。
少子化の原因はそれだけではないものの、的を得ている意見だろう。
日本人は働きすぎてプライベートを犠牲にしているから、少子化が進んでいるのだ。
働くために生きていては、結婚や子育てなどができるはずもない。

「5分前出社」の精神で働き、経済は発達したものの、少子化のせいで移民なしには経済が立ち行かなくなっている日本。
「5分前退社」の精神で働き、経済はあまり発達しないものの、なんとか経済は回っているフィリピン。

どちらも大した差はない。
むしろ一国の経済だけで考えれば、フィリピンの方が経済的にも正しいという気がしてくる。
日本人は、「働くために生きる」のか「生きるために働く」のかを改めて考えるべき時期だと私は思っている。
あなたは、「5分前出社」と「5分前退社」のどちらを選びますか?

-フィリピン, ポエム, 社会

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