最近、叔父さんと話してショックを受けたので、その想いを書こうと思う。
そのショックな出来事の詳細は、いくつかあったけど、その中でも一番は「この人ほど幸せな人生を送っている人はいない」と私が思っていた叔父さんが、現在はそうでもなかったことだ。
なんというか、その人生の不思議さについて感じたことを、書き残しておきたい。
その叔父さんに関連するステータスは、第三者から見れば完璧だ。
- 職業は元自営業で、年齢は81歳
- お金を数億円は持ってるし、アパートも持ってる
- 息子は開業医で成功している
- 娘は勤務医と結婚
- 孫の一人は東大理3、もう一人は私立の医大
自分のキャリアも上手くいき、子孫も繁栄しているので、完璧なサクセスストーリーと言っても過言ではないだろう。
ただし、最近、75歳ぐらいの嫁(私の叔母)を亡くしてしまった。
それ自体は不幸なことではあるけど、寿命と考えれば仕方のないことだろう。
人は誰しも、いつかは死ぬのだから。
その叔母さんに焼香をあげるために、私は叔父さんの家に行ってきた。
多分、息子と孫の自慢を延々と聞かされるんだろうと思って、家に行ったのだけど、案の定だった(笑)
それは、そうだろう。
あれぐらい立派な子供や孫がいれば、自慢したくなる気持ちはよくわかる。
その自慢話を聞いて、叔母さんの思い出話をしてから、帰ろうと思っていたけれど、話はそれだけでは終わらなかった。
随分と、他の親戚に対する恨み節も出てきたのだ。。。
叔母さんが生きている間は、すごい寡黙な叔父さんだったので、正直、ビックリした。
大人として付き合うようになってから20年ぐらい経つけど、こんなにも話す叔父さんを見たのは初めてだったし、叔父さんから恨み節を聞いたのも初めてだった。
そして、その恨みは、割と広範囲に渡るものだった。
- 亡くなった叔母さんの姉妹への恨み
- 亡くなった叔母さんの兄弟夫婦への恨み
- 娘夫婦への恨み
具体的に何があったのかは、よくわからないけど、断片を聞くと以下のような話だっった。
- 入院しているのに、お見舞いにも来ない
- 親戚が電話で探りを入れてくる
- ガンの手術をした後なのに、「薬物治療をした方がよかったんじゃない」と提案してくる
- 「あなたの家は、子育てが上手くいった」と言われた
- 娘は、親の世話をしない
- 叔母さんの父(私から見た祖父)の遺骨を、長男の墓に入れないのはおかしい
- 息子が東大に入学したのに、「おめでとう」のお祝いもない
第三者目線で聞いていると、どれもこれも何となくニュアンスを理解できたものの、大した話には私には思えなかった。
相手サイドからの意見は聞けてないけれど、おそらく、原因はこんな感じだろう。
- お互いに健康状態が悪くて、会って話せない
- コロナ禍なので、お互いに気軽に会いにいけない
- 言い方にトゲがあった
- 無神経な言い方だった
- 説明不足
- 誤解が誤解を生み、疑心暗鬼になっている
どれもこれも、人間関係にはよくある話だ。
こんなレベルを気にしていたら、キリがないという類のものばかりだ。
そして叔母さんや叔父さんが若い頃だったら、そんなことは百も承知だったはずだ。
なにせ、自営業をやっていただけあって、人間関係の扱いにおいてはトップクラスだと、私が常々、思っていたぐらいの人達だからだ。
30年ぐらい前には、毎年、正月には叔母さん夫婦の家に、親族15人ぐらいが集まっていた。
多くの人達が集まる家で、みんなが叔母さん夫婦を慕っているように見えた。
でも、今では全員が全員ではないにしろ、一部の人達はいがみ合っている。
どうしてなのか、少し理由を考えてみた。
- 自分の子供達のステータス(学歴・就職先)で張り合い、妬むようになる
- 自分の孫たちのステータスで張り合い、妬むようになる
- 重い病にかかったあと、精神的に疲れて、周りが見えなくなる
- 年を取って人と話す機会が減り、負のエネルギーを発散できなくなる
おそらくは、こういった事柄が理由の一部なように、私には感じられた。
人間関係は、例え親族であっても(親族だから?)、似たようなレベル同士でないと、付き合いが難しいのかもしれない。
そして年を取ればとるほど、人間関係の維持は難しくなるのかもしれない。
そういうわけで、周りから見れば完璧な見えた人生でも、本人は、そうは感じていないようだった。
最後に、叔父さんのセリフの中で、妙に印象に残った言葉を紹介したい。
- 人間は、結局、最後は一人だ。
- 娘はほとんど親孝行をしないから、娘には大した財産を残さない。
- 他の親戚達と付き合ってきた時間は、何だったのだろうか?本当に寂しい。
叔父さんの場合は、人間関係が良いままで、人生を終えることができなかったことが、すごい悔しそうだった。
人生の幕引きとは本当に難しい。
どうすれば、好々爺のまま、亡くることができるのだろうか?
どうすれば、「自分の人生は最高だった」と思いながら、人生を終えることができるのだろうか?
自分の過去や将来に対する様々な想いが入り混じって、色々と考えさせられた一日だった。