学生の頃は、努力をすれば報われると信じている人達が多い。
なぜならば、親や先生が「努力をすれば報われる」と子供たちに教えるからだ。
その言葉自体が間違っているとは思わない。
でも、学生を卒業すると、その言葉は毒になってしまうこともある。
なぜ、毒になってしまうのだろうか?
学生の頃の努力は、わかりやすいし報われやすい。
特に勉強に関する努力の大半は報われる。
なぜならば、回答が決まっているからだ。
回答が決まっているならば、ゴールへの道筋も明らかになる。
それを端的に図にすれば以下のようになる。
ところが社会人になると、ゴールへの道はわかりやすい一本道ではなくなる。
一つのことだけでは目的を達成できなかったり、ルートが一つだけではなかったりすもする。
例えば、社長を目指す時のことを考えてみよう。
勉強や仕事で成果を出すことだけではなく、人付き合いも必要かもしれない。
かと思えば、先代社長の娘と結婚するだけで社長になれる可能性もある。
仕事で成果を出しているだけでは社長にはなれないだろうし、娘婿になってアッサリと社長になれる場合もある。
「仕事で成果を出すこと」だけを努力と思っている人は、社長になることは難しいだろう。
その辺りの生々しい話は、「島耕作シリーズ」を読めば理解できると思う。
こういった話は様々な局面であると思う。
例えばアメリカで働きたいとする。
その場合にも、いくつかのルートがある。
地道にアメリカの大学を卒業する方法もあれば、アメリカ人と結婚する方法もある。
もしくは、日系企業に勤めて渡米するのもアリだろう。
アメリカで働くにしても、いくつものルートがあるということだ。
「英語の勉強をすること」だけを努力と思っているとしたら、いつまでたってもアメリカでは働けない。
日本の元総理大臣で有名な田中角栄の漫画を読んでいたら、似たような話があった。
彼は仕事を受注するために、土木の勉強や普通の営業努力だけをしているわけではなかった。
大物がよく行く料亭にあししげく通って、仕事を受注していたのだ。
田中角栄は、物事を成し遂げるために必要な努力の本質がよくわかっている人だったのだろう。
田中角栄の話は本当に面白いです。
最近、DMMで42Tokyoの責任者の話にも、そういう話がありました。
それをスタートアップをやってる友達に話したら「亀山さんと『偶然』フランスで会えばいいんじゃない?」って言ってくれて、確かに!と思って。
でも、さすがに怖かったから、出発数日前に声を震わせながら亀山さんに「そういえば僕もフランス行くんです、同じ便ですね」みたいな。
そしたら「やりやがったな」みたいな感じだったんですけど、視察にもついていけて、「42」分かるやつっていう立ち位置で、立ち上げメンバーに入れてもらえました。
上記の例を見てもらえばわかるように、社会人になれば目的を達成するためのゴールは一つだけとは限らない。
勉強をすることだけがゴールとも限らない。
きっと様々なルートがあるはずだ。
もし「こんなに努力をしているのに、なぜか報われない」と悩んでいる人がいたら、この記事を思い出して欲しい。
今のあなたに足りていない努力は、勉強ではなくて飲み会かもしれないし、はたまたゴルフかもしれない。
少し立ち止まって、周りをよく見回してみよう。
他人からのアドバイスを素直に聞いてみよう。
ひょっとしたら、何らかの答えが落ちているかもしれない。