「幸せとは何か?」と考えたことがない人は、日本にはいないだろう。
「何が幸せなの?」とは、みんながみんな考える疑問だ。
私もそれについては、ずっと考えていたし、フィリピンに来た理由の一つは、その答えを知るためだった。
フィリピンのほとんどの地域には電車もないし、新幹線はもちろんない。
インターネットは遅いし、食事も不味い。
お金もないし、平均寿命も短い。
でもフィリピン人は、意外と幸せそうにしている。
実際の所、フィリピン人がどう感じているかは知らないけれど、日本人より幸せそうにしている人も少なくない。
日本はフィリピンに比べて、多くの点で優っているはずなのに、あまり幸せそうにはしていない。
ということは、それらの点は、幸せにはあまり関係のないことがわかる。
- 電車
- 道路の整備
- 高速道路
- インターネットのスピード
- 貯金額
- 平均寿命
- 医療
- 食事の美味しさ
- 自動車やバイクを作ることができる
- 原子力発電所を作ることができる
これらの点は、一見すると人の幸せに関係しているように見える。
でも、現実としては、ほとんど関係していない。
なぜならば、これらを作るためには対価を求められるからだ。
それに人は物質には慣れる生き物だから、物資的に満たされても、幸せになれるのは一瞬だけだ。
例えば、インターネットがない時代と、インターネットがある時代の日本人の幸福度を調べても、何も変わらないだろう。
それと同じことだ。
では、何が幸せに関係しているのだろうか?
私の予想する答えは、2つだ。
- 暖かい
- 人間関係の距離が近くて豊富
暖かいというのは、素晴らしいことだ。
それだけで、穏やかな気持ちになれる。
気候は、確実に幸福度に影響しているだろう。
人間関係の距離が近くて豊富というのは、厄介ではあるけど、素晴らしい事だ。
わかりやすく、もう少し分類してみる。
- みんな結婚して子供がいる
- (日本とは反対で)成人した子供が、親にお金を渡す
- ご近所さんや店員と友達になりやすい
結婚して子供を作るというのは、日本では、それなりに敬遠されている。
男性の生涯未婚率が3割ということは、最終的には女性の独身率も3割になるということだ。
一方のフィリピンでは若くして、ほとんどの人が結婚をして子供を産む。
日本は大きな社会保障の国なので、政府が勤労世帯から税金を徴収して、それを老人に配る。
そのやり取りには政府が介在するので、そこにあるのは、お金のやり取りだけで、心のやり取りはない。
フィリピンは、社会保障が充実していないので、子供が年老いた親にお金を直接、渡す。
フィリピンでは、親子で「お金と心」の譲受をする。
そうすることで、親子関係においても、子供の立場が強くなる。
ちなみに、兄弟や姉妹同士でお金をやり取りするのも、よく見る光景だ。
フィリピンではご近所さんや、店員とも仲良くなりやすい。
なぜだか知らないけど、普通に友達になれる。
浅い関係かもしれないけれど、そういう関係の人達も、人間には大切だと私は考えている。
以前、台風で災害にあった時に、人と話す機会が失われたことがあった。
そして2週間ぶりぐらいに人と話した時、妙に嬉しかったことを覚えている。
人には、ちょっとしたコミニケーションも大事なんだろう。
そのため私は、日本では、好んでシェアハウスに住むことにしている。
これら3つの点において、日本とフィリピンは大きく異ることがわかる。
フィリピン人は、多くの人達とコミニケーションを取り、日本人はあまり取らない。
これが、幸せに影響しているとの答えを私は出していた。
そんな時に、出光佐三さんの著書を読んだのだが、似たような事が書かれていた。
- 互譲互助の精神
- 離れ小島で一人では幸せを感じられない
- 二人以上いて、そこで仲良くしてこそ、始めて幸せを感じられる
それらをベースに、日本とフィリピンについて考えてみる。
これほど物資的に豊かな日本人が、なぜあまり幸せを感じていないのか、わかる気がする。
今、日本人に必要な事は結婚であり、コミニケーションだろう。
日本 | フィリピン | |
互譲互助 | 政府が一方的に助ける形 (本当は助け合ってるけど) |
身内で助け合う |
独り | 3割が独り | 家族や親戚が多い |
コミニケーション | 他人に話しかけるのは駄目 | 気軽に他人に話しかける |
この記事は、この本を参考にして書きました。