2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻した。
オリンピックが終わったタイミングでの侵攻で、かなり前から周到に準備されていたものだ。
私の中では、「悪のロシアがついに侵攻したか」という気持ちだった。
ロシアが他国へ侵攻するのは、今に始まったことではない。
昔からのことだ。
そんな折、フトしたことから、友人のロシア人とチャットで話した。
今、どんな気持ちなんだろう?
落ち込んでいやしないか?
生活は大丈夫だろうか?
そんな事を考えながら、チャットをしていた。
彼女から聞いた話は、耳目を驚かすものだった。
彼女は罪悪感だったり、申し訳無い気持ちでいるのかなと思っていたら、全くそんなことはなかったのだ。
彼女の意見を要約して説明すると以下のような話だった。
ロシアは、第二次大戦において、3千万人の戦死者を出しながらヒットラーに打ち勝った国だ。
そして、ヨーロッパをヒットラーの驚異から救った国だ。
そんな正義の我々が、今、ヒットラーのような悪者扱いをされていることは信じがたいし、耐え難い。
そもそも、ウクライナ人は私達の同胞であり、決して敵なんかではない。
それでもロシアがウクライナに侵攻したのは、「ウクライナにいる一部の悪い政治家と軍人」が、ロシア人を殺そうとしたからであって、我々は自衛のために侵攻しただけ。
なので、悪い政治家と軍人から、ウクライナ人を開放したいと思っている。さらには、悪い政治家は、囚人を開放するといった暴挙をおこない、その囚人達はウクライナで殺人や暴動を起こしている。
そして、その犯罪行為をロシアのせいにしている。
囚人が、戦争のために戦うわけないのにバカみたい!あと、ウクライナ人は退却する時に、自分の街を破壊している。
人道的にもありえない。
妙に筋道が通っている話なので、ゾッとしてしまった。
(囚人の犯罪行為が行われているかどうかは、私には判別がつかない。)
(自国の街を破壊する焦土作戦は旧ソ連軍がよくやる話だけど、それが今回、行われているかは、私には判別がつかない。)
なるほど、ロシアメディアは、国民に対してこの様に放映しているんだと感じた。
ロシア側も西側も、自分達の正義を微塵も疑っていない。
「正義の反対は、また別の正義」という言葉があるけれど、まさしくそのような状況だった。
歴史を知らない人が両方の話を聞けば、何がなんだかわからないだろう。
でも、歴史を知れば、ロシアは決して正義の国なんかではないことは明白だ。
ここ数百年間、ロシアは侵略ばかりしている。
元々、ロシアの前進であるモスクワ公国は小さい国だった。
この地図は1500年頃のモスクワ公国だ。
それから、ロシアは東へ東へと侵略して大国になった。
さらには1860年、ロシアはアヘン戦争に乗じて、中国から莫大な領土を奪っている。
そして1945年頃には、ロシアは樺太、千島列島、北方領土を日本から奪っている。
特に、第二次大戦が終わる数週間前に、ロシアが日本に宣戦布告したことは、日本人が決して忘れてはいけない蛮行だろう。
その時に、多くの日本人女性がレイプされて、約60万人もの日本人男性が奴隷としてシベリアに連れていかれたのだ。
ロシアというのは、基本的にクソみたいな国だ。
このような歴史的な事実を鑑みれば、今回のウクライナ侵攻もどちらが悪いのかは明白だ。
ロシアが領土的な野心を持って、ウクライナに侵攻したことは間違いない。
でもそういった事実は、多くのロシア人には受け入れられないだろう。
「建物が壊されたり、人が殺された」という事実があったとする。
ロシアでは、「ウクライナ人によって、建物が壊されて人が殺された」と報道される。
ウクライナでは、「ロシア人によって、建物が壊されて人が殺された」と報道される。
事実は一つなのに、現実世界では事実が二つになってしまう。
なんともし難い現実がここにある。
「正義とはなんだろうか?」「どうしたらこの問題を解決できるのだろうか?」と考えているけれど、未だにいい答えは見つかっていない。