でも、そもそもブロックチェーンとは何でしょうか?
記事の内容
ブロックチェーンやビットコインという言葉を聞いたことはあっても、その仕組みについてはよくわからないという人も多いはずです。
この記事では、初心者でもわかるように、ブロックチェーンやビットコインについて説明をします。
また、ブロックチェーンの活用例も合わせて紹介します。
目次
ブロックチェーンとは何か?
ブロックチェーンとは、分散型台帳技術と言われています。
簡単に言えば、データを保存するものでデータベースの一種だと言えます。
分散型なので、公に公開すべき情報を保存するのに適しています。
例えば、食品流通と食品偽装について考えてみます。
現状では、各々の会社が自社のデータベースで情報を管理しています。
しかし、各々の管理に任せてしまっていては食品偽装なども起こってしまいます。
そこで、ブロックチェーンの出番です。
ブロックチェーンの技術を使用して、食品情報を公の場で管理すれば、食品偽装が起こることはありません。
消費者も安心して、食料品を購入することができます。
ただし、みんなでデータを管理するため、データの整合性を確認するために時間がかかることもあります。
ブロックチェーンの特徴
次に主な三つのブロックチェーンの特徴について説明します。
ここがポイント
- 情報を改ざんすることができない
- 単一障害点がない(多くのPCで動作している)
- ビザンチン耐性(いくつかのPCが嘘をついても判別できる)
情報を改ざんすることができない
各データは連続したブロックに格納されます。
そのブロックには依存関係があるので、過去の一部を改ざんした場合は、それ以降のトランザクションをすべて改ざんする必要が出てきます。
ということは、改ざんは事実上不可能ということを意味しています。
単一障害点がない(多くのPCで動作している)
従来型のシステムでは、どこか一つのデータベースが壊れたらデータが失われてしまいます。
しかし、ブロックチェーン技術を使えば、いくつかが壊れたとしても、どれか一つさえ残っていれば、復元することができます。
上の例で言えば、仮に生産会社がデータベースを失ったとしても、ブロックチェーン技術を使っていれば、他からのデータを使ってデータを復旧することができます。
ビザンチン耐性(いくつかのPCが嘘をついても判別できる)
「嘘つき」、もしくは「故障したコンピューター」が一定数存在しても、ブロックチェーンは正しく動き続けます。
ブロックチェーンが使われている最も有名なプロダクト
現在、このブロックチェーン技術が使われているプロダクトで、最も有名なものは、ビットコインです。
ビットコインとはお金そのものであり、ビットコインを使って実際にヨドバシカメラやビックカメラで買い物をすることができます。
ビットコインができたのは2009年ですが、10年後の2019年には20兆円ぐらいの価値を前後しています。
20兆円の価値とは、トヨタ自動車と同じぐらいの価値です。
ブロックチェーンという概念と技術を使うことで、わずか10年でトヨタ自動車と同じぐらいの価値が生み出されたことになります。
中国も注目しているブロックチェーン
中国のインターネット事情は、閉鎖的なことで有名です。
例えば、中国の国内ではGoogleやFacebookを使うことはできません。
そんな中国では、ビットコインやブロックチェーンにも否定的かと思っていましたが、ブロックチェーンに関しては異なります。
2019年に、中国の習近平国家主席は、中国がブロックチェーン技術への投資を拡大すると表明しました。
噂では、中国がブロックチェーン技術を使うことで、独自の電子マネーを発行するとも言われています。
ブロックチェーンのビジネス例(2019年最新)
でも、ブロックチェーンの成功例は、ビットコインしかないんじゃない?と疑問に思っている人もいるはずです。
他にもブロックチェーンが使われているサービスはあるので紹介します。
ウォルマート
アメリカの小売大手であるウォルマートは、ブロックチェーンを利用した配送システムの特許を出願しています。
ブロックチェーン技術が、「荷物の中身」「荷物の場所」「荷物の周りの環境」などを記録しておくことで、ドローンのような自動配達システムと連携することを可能にするようです。
荷物の配送において、荷物が雑に扱われないかと不安に感じたことは、誰にでもあるはずです。
もしくは、夏の暑い時期には外気温が気になることもあるはずです。
そんな時に、荷物への衝撃や外気温がブロックチェーンに記録されることで、自動的に中身を守るような仕組みがあれば、配送の世界は大きく変わるはずです。
デンソー
自動車部品大手のデンソーは、ブロックチェーンが組み込まれた車載を考えています。
自動運転化が進んださいに、ブロックチェーンを使って車や周囲の情報を保存します。
そうすることで、その情報が改ざんされることを防ぎます。
車の運転の仕方を記録することで、それを保険料金に使うことができるかもしれません。
また、中古で車を買う際には、改ざんされていない「走行距離」や「修理履歴」を見ることができるので、安心して車を購入することができます。
ソニー
ソニーは、ブロックチェーン技術を利用してデジタルコンテンツの権利情報処理を行うシステムを開発しています。
今は、誰もがクリエイターになれる時代になりましたが、その著作物の権利を適切に管理できるシステムは存在していません。
そこで、そういった著作物を管理できるシステムを作っているようですね。
岐阜大学
岐阜大学とテックビューロは、ブロックチェーンを使って歯髄細胞流通管理システムを作ることを発表しました。
歯髄細胞の製造品質管理、流通経路、利用実績などを記録管理して、再生医療に利用するそうです。
細胞資源の製造や流通にはこれまでの医薬品製造の常識が通用しません。
なぜならば、すべての細胞は「生きた」状態で製造され輸送されるからです。
つまり、デリケートで変化しやすいので、粒度の細かい正確な記録を残さなければいけないということです。
そして、それに最も適した技術は、ブロックチェーンですね。
マレーシアの教育省
マレーシアの教育省は学位証明の偽造に対する対抗措置として、ブロックチェーンで大学の学位を発行・検証できるシステムe-Scrollシステムを発表しました。
マレーシアでは学歴詐称が問題になっています。
そこで、政府は改ざんができないブロックチェーンの技術を利用して、その問題を防ぐことにしたようです。
オーストラリアのワインメーカー
オーストラリアのワインメーカーは、Guardtimeという会社の製品を使ってワインの流通と認証を管理しているそうです。
オーストラリアのワイン会社は、中国にワインを輸出していたものの、偽造のワインに苦しめられていたそうです。
それを解決するために、ブロックチェーンを利用し始めたみたいです。
ブロックチェーンが適さないケース
ブロックチェーンの将来性について説明しましたが、ブロックチェーン適さないケースについても説明します。
これは、ブロックチェーンのデメリットとして考えて貰っても大丈夫です。
限られた組織内だけで使う
限られた組織で使う用途ならば、ブロックチェーンを使う必要はありません。
普通のデータベースで十分です。
なぜならば、データの公開範囲は狭いし、データを必要に応じて改ざん(履歴を残さずに変更)することもあるからです。
さらに言えば、ブロックチェーンを使えばデータは増え続けますし、高速な処理にも向いていません。
例えば、一社だけの閉じられた世界だけで使うポイントシステムなどを作るならば、ブロックチェーンよりもデータベースを使う方が適しています。
まとめ
この記事では、ブロックチェーンの基本的な情報を紹介しました。
これから、ブロックチェーンを使って、どのようなプロダクトが生まれてくるか楽しみですね!
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