記事の内容
日本人は、感情表現をストレートに伝えることを、伝統的に避ける傾向にあります。贈り物を渡すときに、「つまらないものですが、」と言ったり、「愚妻」という自分の妻をへりくだっていう言葉もあります。このさいの「愚」は、夫側を貶めている意味だそうですが、いずれにせよ意味がわかりづらく、誤解を招きやすいことは間違いありません。
この記事では、こういったことは止めようという話を書きます。
月が綺麗ですね
「I love you」を「月が綺麗ですね」と翻訳したことで有名なのは、明治の大文豪である夏目漱石です。
100年前の日本は、まだまだ以心伝心が美しいという時代だったのでしょう。
私もその翻訳は美しいと思います。
なぜならば、隣にいる人が、恋人か友人かはわかりませんが、「月が綺麗ですね」という言葉には、以下のような様々な意味が含まれている可能性があるからです。
- 月が綺麗ですね
- あなたと一緒に、綺麗な月を見る時間を共有できて嬉しいです
- あなたが好きです
「月が綺麗です」という言葉で、これらの想いが伝わるならば、その一言だけで十分な気もします。
でも、相手に伝わるかわからないならば、それぞれを分けて言うべきです。
「つまらないものですが」
贈り物を渡す時に、「つまらないものですが」と言うのは日本人によくある話です。
最近だと、どこまでそれが一般的なのかはわかりませんが、それでも少なくない人達が、未だにこの言葉を使っているのではないでしょうか?
「つまらないものですが」と言っている人が、本当につまらないものを送っているとは、勿論、私も思ってはいません。
多くの人は、そう言いながらも、きっと相手のニーズにあったものを選んでいることでしょう。
でも、それなら、以下のような旨を相手に伝えるべきです。
- あなたの欲しそうなものを想像して選びました
- この素敵なプレゼントは、きっとあなたに似合っているはずです
フィリピンの誕生日パーティ
私は、しばらくフィリピンに住んでいるのですが、フィリピンでは誕生日を盛大に祝います。
下記の写真は会社の中で、同僚の母親が息子の誕生日に「豚の丸焼き」を会社に送ってきてくれた時のものです。
その素敵なプレゼントのお陰で、仕事後にささやか?な誕生日パーティが社内で行われました。
最初は、フィリピン人のストレートな感情表現には驚いたし、「あの〜、ここは職場なんですけど?」とも思いました(笑)
でも、フィリピン社会に慣れてくると、仕事後に同僚から誕生日をお祝いして貰えることは素晴らしいことだと考えるようになりました。
同僚や友人をお祝いしたり、感謝の意を伝える機会を定期的に持つのは、素晴らしいことです。
日本でも、このような文化が一般的になって欲しいものです。
「if only」という映画
私が好きな映画の一つに、「if only」があります。
この映画の概要は、倦怠期になっているカップルが、「彼女が一度、死んでから生き返る?」ことをキッカケにして、二人の時間の過ごし方が180度、変わるというものです。
男性は、現在の時間を大切にして、常に彼女に「感謝の気持ち」を伝えるようになり情熱的に生きるようになります。
身近な人が、事故で突然、亡くなる可能性は少ないにしても、それが現実に起こる可能性は十分にあります。
その何かが起こった時にも決して後悔しないように、常に相手に100%の気持ちを伝えておくことが良いのではないでしょうか?
まとめ
この記事では、いくつかの例を出しながら、「より直接的な表現で、他人に自分の気持ちを伝えよう」という話を書きました。
伝統的な日本文化では、直接的な表現はあまり良くないものとされていました。
それは、それで美しい日本文化の一つなのかもしれません。
でも、そういった想いは一部の日本人にしか理解して貰えませんし、外国人には全く通じないと思って差し支えありません。
これからの日本人は、良くも悪くも、多くの外国人と接していくことになります。
外国人にも、わかりやすく自分の意図を伝えるために、できるだけ直接的な表現を使うようにしましょう。
それこそが、これから求められる大事な異文化コミュニケーションの一つになるはずです。
そしてそれは、あなたの人生をも豊かにしてくれるものです。
Good luck!
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