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エンジニアが経営者目線を持つべきではない理由

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記事の内容


「従業員は経営者の目線を持とう」という話をたまに聞きます。
この記事では、「エンジニアは経営者の目線を持つべきなのか」というテーマについて考えていきたいと思います。

経営者の目線とは何か?

よく、「経営者の目線で考えよう」というセリフを耳にします。
経営者目線とは、どういったものでしょうか?
経営者目線とは単純に言えば、「会社の利益を最大にするための目線」のことです。
そして、それは従業員が自発的に動くことを目的としています。

例えば、バイトの従業員の話を考えてみましょう。
バイトが休む時には、マネージャーに報告をして、マネージャーや経営者側が代わりの人材を探す必要があります。
でも、バイト同士が連絡を取り合って、休む日に代わりに働いてくれる別のバイトを探してくれれば、マネージャーとしては非常に助かります。
また、バイトが現場の問題に気付いて、勝手に問題を解決してくれたら、経営者側としては大助かりです。

従業員が自発的に動いて、現場の問題を解決することは、経営者側にとっては、なんと素晴らしいことなのでしょうか。
さらに幸運なことは、従業員が自発的に動いている時には、従業員自身も幸せを感じやすいという話もあります。
ただし、従業員が自発的に動くことで有名なディズニーは、やり甲斐搾取でも有名です。

経営者の目線と従業員の利益は相反する

従業員が自発的に動くことは、従業員の利益にはなっていないことがほとんどです。
なぜバイトが休む時に、代わりのバイトを準備しなければいけないのでしょうか?
代わりのバイトを探すのに時間がかかるのにも関わらず、そのバイトはお金を貰うことができません。

従業員が自発的に問題を解決することも同様です。
問題を解決するためには、余分の時間を使う必要がありますが、その時間分のお金を貰えるとは限りません。
そのため、問題の改善を行うにしても、上司と相談した上で、追加でやる仕事に関しては割増のお金を貰うようにしましょう。
そうでないと、現場は次第にブラックに変わっていきます。
日本企業がブラックになりやすい原因は、職務が曖昧でみんなが自発的に頑張るからでもあります。



経営者の目線から見たエンジニアリング

エンジニアリングに関して、具体的に経営者目線で考えてみましょう。
経営者は基本的には以下のものを望んでいます。

経営者が望むこと

  • 最新の安定した技術
  • 最高のプロダクト
  • 素早いリリース
  • バグはない
  • 素早い改善
  • 従業員の安い給料

しかし、エンジニアならば、それが不可能なことを知っています。
誰しもが、最新の技術を使えるわけではありません。
最新の技術を使うためには、それ相応の勉強をしなければいけません。
最高のプロダクトをリリースするためには、時間がかかります。
バグがない製品は、ほぼ、ありえません。
そして、エンジニアは安い給料で働きたくはありません。
もっとも、それはどの職種の人でも同じだとは思いますが。。。

そう考えると、経営者目線のエンジニアリングというものはありえないことがわかります。

プログラミングの世界は、突如、変化の波がやってくる

経営者目線を持つエンジニアリングは不可能だということは既に理解してもらえたと思いますが、もう少し突っ込んで考えてみたいと思います。

仮にエンジニアが、当時の最新技術であるPHPで開発をしていたとします。
エンジニアの努力のお陰で、しばらくは上手くいくかもしれません。
しばらくは、安定したプロダクトを素早くリリースできたとします。

しかし、エンジニアが頑張っているにも関わらず、その状態がある時を境に崩れることもあります。
なぜならば、環境は突如として変わる時があるからです。
iPhoneやAndroidが出てきた時が、まさにそれです。
ガラケーからスマホへの流れは、突如としてきました。

経営者は、自社のプロダクトにも、流行りであるSPA(Single Page Application)を使って欲しいと願うかもしれません。
また、iOSアプリやAndroidアプリも必要だと考えるかもしれません。

そこで経営者はエンジニアと相談をしますが、エンジニアは「そんな技術を使ったことがないので、今から勉強します」と言うしかありません。
技術について何もしらない経営者からしたら「このエンジニアのスキル不足のせいで、他社に顧客を奪われて、我が社のプロダクトが危機に陥る」と感じるかもしれません。

でも、エンジニアからしたら、「開発、保守、改善」で手一杯で、新しい技術を学ぶ時間はなかったというのが正直な想いです。

まとめ

どうすれば、こういった問題を解決できるのでしょうか?
これが、私の考える解決方法です。

解決方法!

  • エンジニアは普段から残業をしないで、家での勉強時間を確保する。
    例えば、残業をせずに、Androidの勉強をしておく。
    既存プロダクトの遅れは、人を雇って挽回する。
  • 新しい技術の波について、常日頃から経営者と相談をして、勉強する時間を業務時間内に組み込んでもらう。
  • 何でもかんでも引き受けようとしないで、「できること」と「できないこと」を丁寧に説明して実装の時期を決めていく。

上記のことは、短期的な視点から見ると、決して経営者の目線ではありません
経営者からすれば、ワガママなエンジニアに見えるかもしれません。
でも、長期的な視点で見れば、決して間違った戦略ではありません。
エンジニアは勇気を出して、エンジニア目線の話を経営者にしましょう。
長期的に見れば、エンジニア目線での利益が、経営者目線での利益にも繋がっていくはずです。

Good luck with your engineer life!

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