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振り込め詐欺とは現代の「罪と罰」なのかもしれない

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「振り込め詐欺」のニュースをよく耳にするようになった。
「一人の女性の被害総額が2億円」「受け子(お金を受け取る役割の人)が逮捕された」「振り込め詐欺を疑ったので老人に声をかけて未然に防いだ」といった類のニュースは、ちょくちょく目にする。
それほど、「振り込め詐欺」は社会の注目が大きいのだろう。
もしくは、政府が「振り込め詐欺」を世間に認知させたいのかもしれない。
2019年の振り込め詐欺の件数は1万6千件で、被害総額は約301億円なので、金額だけを見ればなかなかの金額だ。

しかし、振り込め詐欺とはそんなに悪い犯罪なんだろうか?
「特殊詐欺(受け子、出し子)を始めようとしているあなたへ」」という記事を読んだけど、記事を書いた人は普通の人に思えた。
他にも出し子について書かれている記事を読むと、特別に悪い人には見えない。
どこにでもいるような普通の若者がたまたま道を踏み外して、出し子になってしまったという印象だ。
もっと言えば、私だって何かのキッカケで振り込め詐欺の出し子になってしまっていたかもしれない。
誰でもちょっとしたキッカケで、振り込め詐欺の出し子になってしまうんじゃないだろうか?

そんなことをボンヤリと考えていると、1866年にロシアで書かれた「罪と罰」という小説がフト、頭に浮かんだ。
念のために小説の簡単なあらすじを説明しておくと、罪と罰とは「自分は賢いと思っている若者が、自分や家族の将来のためには裕福な老婆を殺してでもお金を奪ってもいいと考えて、実際に強盗殺人を犯してしまう話」だ。
「自分の才能を活かすためには他人の未来を奪ってもいい」というのは若者にありがちな自分勝手な妄想だけど、ありがちな妄想だからこそ、世界的なベストセラーになったのだろう。

この記事では、振り込め詐欺から「罪と罰」を私が思い浮かべた理由を述べたいと思う。
ただ、データから見えてくる事実は、「罪と罰」よりもっと悲惨な現実のようにも見えてくる。。。
「罪と罰」に、もし、こんな話を追加したらどう思うだろうか?

若者は毎月、自分の収入の半分を老婆の生活のために差し出していた。
若者は、「なぜ、すでにお金持ちの老婆にさらなるお金を差し出さなければいけないのか?」と常に考えていた。
もし老婆さえいなくなれば、私の生活はもっと楽になるに違いない。。。

きっと多くの人が、老人を殺した若者に賛同するに違いない。

各国の犯罪件数の比較

今の日本の犯罪状況の概要を知るために振り込め詐欺以外の犯罪にも目を向けてみると、窃盗は53万2千件で強盗は1,787件ある。
殺人事件は950件だけど、実際に人が死んだのは400件ぐらいらしい(わかりづらい定義だ)。
この数字が大きいと見るか少ないと見るかは判断に迷うところだけど、「日本に住んでいる人達は、他人を傷つけたくないと思っている」という風に読み取れる。
犯罪者の多くは、「他人からお金は取ってもいいけど他人を傷つけるのはよくない」と考えているのだろう。
日本に住んでいる人は例え犯罪者であっても、多くの人は優しいのだと思う。

比較するために他の国も確認してみる。
アメリカでの窃盗は906万件で強盗は31万件、そして殺人は1万6千件
途方もなく大きな数字なのでビックリする。
アメリカの人口は3億3千万で日本のおよそ3倍の人口だとしても、圧倒的に殺人事件が多い。

フィリピンも見てみよう。
フィリピンでの窃盗は6万5千件ぐらいで強盗の数は2万件で、殺人は8千件。
統計自体がいい加減な国なので、実際はもっと多いと考えるのが妥当だろう。
特に窃盗に関しては「報告されていない窃盗」もかなりあると思うので、実際は10万件ぐらいあっても何ら不思議ではない。
残念なことだが、私の知人にも「フィリピンで物を盗まれた経験をしている人」はかなり多い。。。

ちなみに、こういった統計で最も信頼できる数字は殺人らしい。
なぜならば、各国で犯罪における統計の定義が曖昧だし、統計をちゃんとつけてない国もあるからだ。
でも、殺人の定義だけはシッカリしているし、各国とも漏れが少ない。
アメリカの暴動の映像がSNSなどで流されているのをたまに目にするが、あれらが窃盗や強盗にカウントされているようには思えない。
ということは、アメリカの実際の窃盗や強盗の件数は、下記の数字を大幅に上回っていることがわかる。
そして、日本で暴動をやれば確実に強盗にカウントされるのは言うまでもないことだ。

そういった現実は別にして、とりあえず犯罪数を比較してみると、アメリカは圧倒的に数が多くて、次にフィリピン、最後に日本だ。
日本の殺人件数はアメリカとは桁が異なり、およそ40倍もの開きがある。
日本は本当に安全な国なんだなと改めて感じさせてくれる資料だ。

国名(人口) 窃盗 強盗 殺人 振り込め詐欺
日本
(1億2千万)
532,000 1,787 400 16,000
アメリカ
(3億2千万)
9,060,000 310,000 16,425 不明
フィリピン
(1億)
20,000
(実際はもっと多い)
65,000 8,000 不明

治安維持を担う警察官の人口についても見てみる。
人口比で比較すると、日本はアメリカよりも多くの警察官を雇っていることがわかる。
日本基準で考えると、アメリカの人口ならば87万人の警察官が必要になる。
アメリカは各自が銃を持っており、「自分達の身は自分自身で守る」という理念を持つ国だ。
別の見方をすれば、国民は「自分達の身は自分自身で守るから、警察のために多くの税金を使わないでくれ」と考えているんだろう。
この治安の悪さでも国民がそう考えているのは、ある意味でスゴイことだ。。。

国名(人口) 警察官の人数
日本
(1億2千万人)
290,000
アメリカ
(3億2千万人)
690,000
フィリピン
(1億人)
140,000

日本で振り込め詐欺が起きている理由

そして、本題の振り込め詐欺についても説明する。
日本では話題性のある振り込め詐欺だが、アメリカやフィリピンでは驚くほどニュースになっていない。
(もし、そういったニュースがあれば教えて下さい)
最初は不思議だったが、犯罪数を調べるにうちにその理由がわかってきた。
アメリカでは他の犯罪が多すぎて、とてもじゃないけど、振り込め詐欺なんかを相手にしてられないのだろう。
窃盗や強盗以外にも多くの犯罪はある。
それらを考慮すれば、話術だけの振り込め詐欺に手が回るはずもないのは自明だ。
それよりも、もっと多くの危険な暴力事件がある。

フィリピンのケースだと、お金を持つ老人が孤独に暮らしていることはまずない。
お金を持つ人の周りには多くの親族が集まってくるのがフィリピンだ。
そういった意味で、振り込め詐欺は起こらないのだろう。

他国を観ることで、日本で振り込め詐欺が話題になっている理由がわかる気がする。
日本にはいくつかの特徴がある。

  • 「国民の身はお上(警察や自衛隊)が守るべき」という理念がある
  • 子供たちは自立して暮らすべきで、子供は親にあまり頼るべきではない
  • 老人はお金を持っている
  • 日本は犯罪が少ないので、警察のリソースに余裕がある

これらの特徴が無くなれば、日本で振り込め詐欺が話題に上がることは無くなるとも言える。
どういうことか?

  • 「自分達の身は自分で守る」という理念にする(暴力的な意味は別にしても)
  • 子供はお金がある親と一緒に暮らす
  • 老人はお金を持たない
  • 日本で犯罪が多くなる

上記の条件のいくつかを満たせば、振り込め詐欺が日本で話題に上がることはなくなるだろう。
これは何も特別に不思議なことを言っているわけではない。
年配の世代は早々に引退して、子供夫婦と一緒に暮らせばいい。
その上で、「自分達の身は自分で守る」という意識を普及させるだけだ。
世界では当たり前のことではないだろうか?
(もし、違う国があれば教えて下さい)
日本のように、判断能力の落ちた老人が一人暮らしをしながら大金を持っていることが、私には不思議でならない。
日本では、なぜ、このような特殊な体制が維持されているんだろうか?と考えたが、その理由は簡単だった。

政府が異常なまでに老人を保護しているからだろう。
老人は今までに稼いできたお金がある。
それはどこの先進国でも同じだ。
でも、老人達に「医療費」「年金」「生活保護費」をこんなにも費やしている国は他にはないだろう。
そして、そららの原資は若者の給料からきている。
今、若者の給料の50%ぐらいは国に召し上げられている。
社会保障費の会社負担分や消費税を計算すると、税金は給与のおよそ50%前後の数字になる。
そしてその50%の全てではないにしろ、若者の稼いだお金の多くが金融資産の7割以上を持つ老人達の生活費に回っているというわけだ。
「所得の再分配をすることで格差がさらに拡大する」という国は世界中で日本ぐらいだろう。

そんな国では、多くの若者が疲弊してしまうのは当然のことだ。
その結果、軽犯罪を犯す若者が現れてもなんら不思議ではない。
若者が「お金を持っている老人からならば、お金を盗んでも問題はない」と考えることもなんら不思議ではない。
国家の重税により追い詰められて追い詰められて、その結果として振り込め詐欺のようなハードルが低い犯罪に手を出してしまう。
これはまさしく、現代版の「罪と罰」だろう。
しかも追い詰められたからといって、強盗や殺人をして人を傷つけるわけではない。
アメリカ人のように暴動を起こしてショーウインドウを割って商品を盗んだり、火炎瓶を投げるわけでもない。
判断能力が落ちた老人を騙すような、他国では大して話題にもならないような犯罪に手を出してしまうのだ。
これではまるで、国家が間接的に若者の中から犯罪者を作り出しているようにも見えてくる。
なぜ、そこまで私は言うのか?
それは、国家が配分しているお金の流れを「若者→老人」という流れから「老人→若者」という流れに変更すれば、今の犯罪の被害者と加害者の立場は逆転すると考えているからだ。
きっと老人が今よりも多くの犯罪を犯すようになり、振り込め詐欺をやる若者は減るだろう。

政府は「所得の再分配」をコントロールするだけで、犯罪の加害者や被害者をもコントロールすることができる。
それならば、そのコントロールは、世の中の低所得層を救うために使われるべきだ。
お金が困っている人にお金を配ることで、犯罪者を減らすように使われるべきだ。
ただ老人にお金を配るという政策は確実に間違っている。

今、日本で起きている現実は「罪と罰」より、もっとヒドい話だろう。
老人にお金を搾取されることで追い詰められた若者達が、老人を騙してお金を奪い取る。
でも元々は善良な若者達だから、決して老人を傷つけたり殺したりはしない。
ただ、老人を騙してお金を奪う。
そうして最後には牢獄に繋がれていく。

この壮大な悲劇のストーリーは、どうやって終わらせればいいのだろうか?
願わくば、国は重税から若者を開放することで、振り込め詐欺に走る若者を減らして欲しい。

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