プログラミングの未経験者は、今までの社会人経験を活かせますか?
記事の内容
それは今までの経験と心掛け次第です。
エンジニアの仕事の中には、今までの経験を活かせる機会は多くあります。
この記事では、「まゆ」さんのツイートを例に出して、「エンジニアではなかった頃の経験」を活かす方法を説明します。
あるフツーのOLのツイート
私と同じ《営業事務》の先輩と話して。
✅「お母さん」とよく言われる
✅「お母さん」になら何しても許されると思われてる
✅愛想良くして当たり前。ちょっと注意すると、すぐ《怖い》って言われる
✅ 営業事務は「花形」って持ち上げるけど、実際はただの「何でも屋」#転職を心に決めたきっかけ— まゆ*元フツーのOL(30) (@mayuowl) April 11, 2018
https://twitter.com/mayuowl/status/984034242249211904
特に気になったのは、この点です。
愛想良く・気遣いでき・男性が気持ちよく仕事をできる為に、サポートする事が求められる
まゆさんは、前職ではこれらについて若干、嫌気をさしていることが伺えます。
でも、その経験は今までのまゆさんが培ってきたものです。
それを捨ててもいいんでしょうか?
今までの自分を捨てて、自分をゼロベースにすることが未経験者の取るべき道なんでしょうか?
私はそうだとは思いません。
今までの経験を活かす方法もあるはずです。
開発には何が含まれている?
プログラミング未経験者の方は、一人で開発をすることが一般的です。
大人数で開発をした経験がある人は少ないはずです。
現場では、どうやって大人数で開発をしているのでしょうか?
開発とはプログラミングを書くだけではなく、チーム運営も含めて開発と呼びます。
マネージャーになるとわかるのですが、コードを書くこと以外の仕事は、意外と多いものです。
そのため、開発の仕事は「技術だけが大事」と思われがちですが、技術力を持っている人だけが重宝されるとは限りません。
チーム内の雰囲気を良くする人も重宝されます。
チームの雰囲気が悪くなる理由として、意見交換が多いことが理由の一つの理由にあげられます。
仕様の策定は、「お互いの意見を否定し合うこと」になることもあります。
また、ソースコードレビューも、見方を変えれば「相手(のソースコード)を否定する行為」です。
そのため、否定ばかりが続くと、チーム内に毒が溜まり始めて、段々と険悪な雰囲気になってきます。
相手への言い方や伝え方が非常に重要になってくるのは、このためです。
例えば、ソースコードレビューで、初心者に何でもかんでも、間違いを指摘していたら、未経験者はコードを書くことが嫌になってしまいます。
そういった時に、適度なタスクの切り分けや適度なソースコードレビューを考えられる人がチーム内には必要です。
また、チームの雰囲気が微妙な時に、ランチ会や飲み会で、チーム内の雰囲気をよくしようと努力してくれる人もチーム内にいてくれると助かります。
嫌なヤツだと思っていても、話していたら段々と打ち解けていくというのは、よくある話です。
そういった小さな取り組みの積み重ねが、チームの雰囲気をよくして、結果として素晴らしいプロダクトを世の中に送り出します。
プロジェクト管理について書かれた有名な本で、「ピープルウェア」というものがあります。
この本の一説に以下の文章があり、「触媒」となってくれる人の重要性を説いています。
彼女について 「プロジェクトで役に立っているとは思えない 。
開発をやらせても 、テストをやらせても 、その他の仕事でも 、決して優秀とは思えない 」と言った 。
少し調べてみると 、興味のある事実を発見した 。
同社での 1 2年間の在職中 、彼女が携わったプロジェクトは 、すべて大成功を収めていた 。
彼女が 、どんな役割を果たしたかははっきりしないが 、関係するとプロジェクトはいつもうまくいった 。
1週間 、受講中の彼女を観察して 、彼女の同僚と話したところ 、彼女はチ ーム内で 「触媒 」の役割をしているとの結論に達した 。
彼女がいるだけで 、チ ームの結束は固くなった 。
彼女がいると担当者間の意思の疎通が良くなり 、一緒にやっていこうという気になった 。
彼女が加わるだけで 、プロジェクトは楽しくなった 。
「触媒の役割」とは「他人への気遣い」で、その役割をこなしている人の重要性を、この本では説明しています。
まとめ
この記事では、まゆさんが過去の仕事でウンザリしていた、「他人への気遣い」が、実は開発で重要なスキルであることを説明しました。
ただ、私は実務未経験者に、「気遣いできる人」になれと言っているわけではありません。
「気遣いできること」が得意な人もいれば、苦手な人もいます。
そのため、気遣いにこだわらず、自分が過去に培ってきた得意分野を開発に活かしましょう。
きっと、自分では「こんなことが開発に役立つの?」と思うようなことでも、開発に役立つことがあるはずです。
開発できるエンジニアになりたいならば、スキルアップを目指すのは当然のことです。
でも、技術だけで勝負している間は、経験年数が多い人に対して、なかなか技術で追いつくことはできません。
そのため、意図して、「技術」+「何か」のポジションを狙っていくことは、実務未経験者としては非常にいい戦略です。
話しは少しずれますが、フィリピンでプロマネ(開発者ではない)をしているsuniさんの自己紹介文にはこう書かれています。
彼女はプロジェクトを進めるにあたって、「お母さんポジション」の重要性を認識しているからこそ、このような自己紹介を書いているのでしょう。
プロジェクト管理を知っている人であれば、これを見て「suniさんは何をしているんだろう?」などとは思わないはずです。
私もフィリピン人を管理していたことがあるので、彼女の気持ちはよくわかります。
「お母さんポジション」はフィリピン人だけでなく、日本人も含めて、どの国の人を管理する時も重要度が高いポジションです。
Good luck with your engineer life!