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社内でエンジニアが育たない理由【制度と文化とお金が大事】

更新日:

社内でエンジニアが、なかなか育ちません。
どうしたら、社内でエンジニアが育ちますか?

記事の内容


社内で本当にエンジニアを育てる覚悟がありますか?
口ではエンジニアを育てたいと言っていても、実は安い給料でエンジニアを使いたいだけという会社もあります。
その場合だと、世間でエンジニアの待遇が上がってきているので、エンジニアを育てても、すぐに転職されてしまいます。
そうではなく、本当に社内でエンジニアを育てたいならば、この記事を読んで下さい。

CTOやリーダーから見直そう

社内でエンジニアを育成したい場合には、まずはCTOやリーダーが確かなスキルを持っている人かどうかを確認しましょう。
そして、もしスキルがない人だったならば、すぐに別のポジションに移ってもらうべきです。
エンジニアの教育をしたことがない人は、「エンジニアの育成は、組織体制に関わらず、簡単にできるもの」だと勘違いしています。
でも、実際のところは職人と一緒で、育成には信頼関係が必要なうえに、ものすごく時間と手間がかかる作業です。
よくあるダメな組織だと、こうなっています。

プログラムを書けないリーダー

プログラムを書ける上級エンジニア

新米エンジニア

そして、リーダーは手を動かさずに口だけを動かします。
実際に新米エンジニアを育成するのは、上級エンジニアです。
これはダメダメなパターンです。
何のためにリーダーがいるのかサッパリわかりません。
組織上の何らかの理由でこのようになっている場合には、すぐに見直しましょう。

くどいようですが、エンジニアを育てることは、職人を育てることと同じです。
仮に、寿司職人の親方に、寿司職人の育成を依頼するとします。
そんな時に、親方は「俺のやり方に任せて貰えるならば、育てるよ」と言うはずです。
エンジニアの育成も同じです。
リーダーが口をだすけど、育成をするのは部下のエンジニアという体制は決してうまくいきません。

エンジニアがエンジニアを育成するメリットはありません

「仕事の流儀」という本に、職人の世界が書かれています。

その中に、こんなくだりがあります。

私のところに弟子で入ると、最初の一年は工場の掃除です。
とにかく、預けられる仕事がありませんから、「暇なときに突っ立っていてはダメだ。
ホウキとチリトリを持って掃除をしろ。
そして、人の仕事を見ながら盗んで覚えろ」と言っていますね。
二年目になると、今度は現場に出します。
職人が何人もいる中に、一番下っ端として入るわけですから、買い出しをしたりアパートの掃除をしたり、食事を用意したりしなければなりません。
それを四年目ぐらいまで続けさせます。
そして五年目ぐらいになったところで、小さな建物の棟梁をさせるわけですね。
そうすると職人さんたちも応援してくれますし、先輩たちも仕事を教えてくれるんです。

これって、普通に考えて理不尽な扱いに見えませんか?
もし、私が教えられる側だとしたら、ブラックな環境だと感じます。
でも、教える側からすれば理屈にあっています。
一年目から技術を教えてしまって、3年後にでも辞められてしまっては、教える側には何のメリットもないからです。
メリットがないどころか、辞めた人が独立してライバル会社を作ったら、デメリットしかありません。
そのため、4年間は雑用をさせておいて、5年目に初めて、技術を教えるのだと思います。
この場合だと、仮に3年後に辞められても、ある程度の元は取れています。

これは、IT業界のエンジニアにも、そっくりそのまま当てはまります。
下手にエンジニアを育ててしまうと、将来的には給料の高い上級エンジニアがリストラされることもあります。
なぜならば、運用フェーズに入ったシステムには、意外と高い技術が必要とされないからです。
そのため、経営者からすると、給料の高い上級エンジニアよりも、普通に仕事のできるエンジニアを雇い続けた方がメリットがあります。

こういったことも、ある程度は経験で知っているエンジニアは、エンジニアの育成に関しては、あまり積極的ではありません。

では、どうすれば、上手くエンジニアを育成できるのでしょうか?

エンジニアを育てるインセンティブを与えよう

エンジニアがエンジニアを育てるような土壌を作るためには、インセンティブを与えるしか方法がありません。
考えうるいくつかの例を紹介します。

ストックオプション制度

ストックオプションを与えて、企業の業績が上向けば、社員全員が儲かる仕組みを作りましょう。
その場合だと、エンジニアもムリのない範囲でエンジニアの育成に協力してくれそうです。

評価軸に育成を組み込む

育成の項目を、エンジニアの評価軸に組み込むのも一つの手です。
ただ、その場合は形骸化しないような仕組みを作ることが大事です。
例えば、「売上に貢献すること > エンジニアの育成」という評価軸では、誰も本気でエンジニアを育成しようとは思いません。
「エンジニアの育成は本当に大事である」というメッセージを、評価軸に本気で組み込む必要があります。
同時に、社員のエンジニアが育ったとしても、給料の高いエンジニアをリストラしないような仕組みを作ることも大事です。

ライトニングトークなどの文化の醸成

ライトニングトークとは、エンジニアが普段、何をやっているのかを発表する勉強会の場です。
そういった場があることで、エンジニアの勉強に対するモチベーションが少なからず上がります。
業務時間を使って、ライトニングトークのプレゼンを作ることを許可するといったことも、文化の醸成という意味では、大事なことです。
会社が、そういう場に対して評価をしないと、次第にエンジニア同士の交流が疎になり、育成自体も上手くいかなくなります。

まとめ

それぞれの会社に、色々な事情があることは理解できます。
それでも、徐々に、組織をあるべき姿にもっていくように努力しましょう。
そうすれば、次第にエンジニアの組織はよくなっていくはずです。

Good luck with your engineer life!

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