無料のプログラミングスクールは、お得そうに見えますが、実際の所はどうですか?
メリットやデメリットなどがあれば教えて下さい。
記事の内容
最近、友人から、下記のような相談を受けました。
- 「プログラミングを始めて、手に職をつけたい」
- 「プログラミングスクールに行くことを検討しているけど、有料・無料のスクールが多すぎて、どこがいいのかわからない」
- 「エンジニア視点のアドバイスが欲しい」
その時に、友人に向けてアドバイスをした内容に沿って、この記事を書いています。
前提として
この記事は、エンジニアになろうか迷っている人達に向けたものです。
もう少し噛み砕いて言うと、対象読者は以下のような人達です。
対象読者
- 仕事を辞めてプログラミングスクールに通える人
- なんとなくエンジニアになってみたい人
- 自分にIT業界が向いてるかはわからないけど、興味があり、そして手に職をつけたい人
- 少なくとも最初の時点では、あまり高いお金を払いたくない人
- プログラミングスクールに通うために、指定の地域に引っ越しできる人(学校によって異なります)
仕事をしながら、プログラミングを学びたいという人は、この記事を読んで下さい。
無料のスクールを推す理由
まず最初に、「無料のプログラミングを推している理由」を説明したいと思います。
IT業界の未経験者は、業界のことをよくわかっていない
IT業界の未経験者は、IT業界のことやプログラミングのことを、あまりよくわかっていません。
それはつまり、「自分のIT業界への適正を理解していない」ということを意味しています。
でも、それは当たり前のことなので、決して責められるポイントではありません。
むしろ、何もわかっていない状態にも関わらず、IT業界に未来を感じてくれているのは、嬉しいことです。
確かに、IT業界には未来があります。
しかしながら、門戸が全員に開いているかといえば、それは違います。
特にエンジニアリングに関しては、人を選びます。
そのため、プログラミングが好きな人は圧倒的なスピードで成長しますが、そうでない人は諦めてIT業界から退場していきます。
そのような人を選ぶ業界に入るために、自分の適正がわかっていない状態で、50万近くもの大金を払うことは、全くオススメできないというのが、私の正直な想いです。
例えば、これからIT業界に入る人が、自分の彼女だったとします。
彼女が、「プログラミングに興味があるから、50万円を払ってプログラミングスクールに行くことにした」と発言した時に、私は気軽には「そっか、頑張ってね」とはいえません。
でも、それが無料のプログラミングスクールであれば、「とりあえず、行ってみたら?」ということができます。
なぜならば、彼女のIT業界に対する適正は、試してみないとわからないからです。
仮に彼女に適正がなければ、諦めて他の道に進めばいいだけです。
講師は有料でも無料でも、大して変わらない
有料のスクールだろうが、無料のスクールだろうが、講師の質は大して変わりません。
これは、全てのプログラミングスクールを見たわけではないので、憶測も入っています。
ただし、根拠はあります。
現在、IT業界は未曾有のエンジニア不足が叫ばれています。
都内だと、2019年12月では有効求人倍率が11倍を越えており、一人のエンジニアに対して11の求人がある状態です。(dodaの調査)
そのため、エンジニアの給料も安くはなく、そこそこ経験のあるフリーランスだと、月額で80万円以上は普通です。
そんな状況の中で、プログラミングスクールの講師に、いいエンジニアが集まるはずもありません。
プログラミングスクールの講師の給与はいくらでしょうか?
勿論、例外的にいいエンジニアがいることもあるはずです。
でも、それが一般的かと言われれば、それは違うと言わざるを得ません。
講師の経歴やGithubのアカウントなどがあれば、それをチェックして見て下さい。
そして、それが素晴らしいモノであれば、お金を払ってでも行く価値はあると思います。
そういう状況の中で、本当に有料のスクールを選ぶ必要があるのか、もう一度、よく考えてみましょう。
人気の無料プログラミングスクール7選
では、私が調べた7つの無料プログラミングスクールを紹介します。
基本的には、「42 Tokyo」を推しているのですが、残念ながら様々な理由で入学できない人もいると思いますので、他の無料スクールも紹介しています。
42 Tokyo(フォーティーツー)
他のスクールとは毛色が少し違うのですが、DMMさんが「42 Tokyo」という無料のプログラミングスクール?を始めました。
気になっている方も多いと思うので、簡単に説明します。
42 Tokyo(フォーティーツー)は、フランス発のエンジニア養成機関です。
「挑戦したいすべての人に質の高い教育を」を理念にシリコンバレーをはじめ、世界各国でエンジニア教育をおこなっています。
42 Tokyoの主な特徴は以下の通りです。
ここがポイント
- 応募資格は16歳以上
- Piscine(ピシン)と呼ばれる4週間続く入学試験がある
- 学費が完全に無料
- 学生同士で教え合う
- 24時間365日、施設がオープン
- 一人一人のライフスタイルに合わせた学習が可能
42 Tokyoに入れるチャンスを得た人は、絶対にこのスクールでいいと思います。
他のスクールを検討する必要はありません。
ただし、入学するには、Piscineと呼ばれる4週間続く試験を突破する必要があります。
事前に独学しておいたり、他の無料のプログラミングスクールに通ってから、改めて42 Tokyoに通うのもアリかもしれません。
DMM WEBCAMP(就職できなかったら無料)
「42 Tokyo」とは別に、DMMが運営しているプログラミングスクールです。
3ヶ月という短期間で、エンジニアスキルを身に付けることができて、さらに転職・就職保証も付いているスクールです。
学べるスキルは、主にサーバーサイドエンジニアになるためのスキルです。
受講完了後、3ヶ月以内に転職・就職できない場合は全額返金してくれます。
ちゃんと就職できた場合にはお金を払う必要がありますが、駄目だった場合には無料になるので、これからIT業界に入ってみたいという人にはオススメできるスクールです。
DMM WEBCAMPは、国の「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」に認定されており、また教育訓練給付制度にも認定されています。
条件を満たせば、最大で受講料の70%を国から受け取ることができます。
自分の条件をよく確認しましょう。
詳細な情報は、こちらに書かれています。
私が聞いたところによると、DMM WEBCAMPは、生徒の質も悪くはありません。
やる気のある生徒さんを集めるために、頑張っているそうです。
こんな人にオススメ
- 教育訓練給付制度の条件を満たしている人
- 絶対にエンジニアとして就職したい人
- お金にある程度の余裕がある人
ProEngineer(プログラマカレッジ)
プログラマカレッジは、Webエンジニア(サーバーサイドエンジニア)になるための学校です。
Linux、Java、PHP、データベースなどについて学習します。
企業からの協賛金を得ることで、無料のスクールが成り立っています。
勉強時間はコースによってまちまちですが、3ヶ月目間の研修の後に、就職先を斡旋してもらえます。
また、三ヶ月後に、自分がエンジニアとして向いてないと思った場合に、ムリヤリに就職させられることはないそうです。
こんな人にオススメ
- なんとなく、エンジニアになってみたい人
- PHPやJavaを勉強して、サーバーサイドのエンジニアになりたい人
- あまり、お金に余裕がない人
- 19歳から29歳までの人
- 東京、神奈川、埼玉、千葉に在住の人
0円スクール
サーバーサイドのエンジニアになるためのスクールで、主にJava言語を習います。
Javaは少し固い言語なので、人気は下降気味ではありますが、シッカリとプログラミングの基礎を学べる言語だとも言えます。
基本情報技術者試験の、選択問題にも選ばれている言語です。
まだまだ、現場では幅広く使われている言語です。
「入学金」「受講料」「教材費」等一切かからず、途中で退校しても違約金等もありません。
就職するつもりがあれば正社員への道もありますし、反対にムリして就職する必要もありません。
かなり良心的なプログラミングスクールです。
都内だけでなく、札幌、仙台、大阪、名古屋、福岡にも校舎があるのは嬉しいですね^^
こんな人にオススメ
- なんとなく、エンジニアになってみたい人
- Javaを勉強して、サーバーサイドのエンジニアになりたい人
- あまり、お金に余裕がない人
ネットビジョンアカデミー
ネットビジョンアカデミーは、未経験からITエンジニアを目指す方に、ネットワークエンジニアになることを推奨している学校です。
就職する前提ですが、講座代、テキスト料等は一切無料で受講できます。
最初に保証金などを3万8千円払うだけで、研修、就職活動中の2ヶ月間、シェアハウスの賃貸も無料です。
無料でITに関する知識や資格の勉強もできる最高のアカデミーです。
そして、3ヶ月目には就職先も斡旋してもらえます。
個人的には、ネットビジョンアカデミーを経て、ネットワークエンジニア、クラウドエンジニアというキャリアパスを積んでいくのが、いいパターンかなと思います。
勿論、ネットワークエンジニアからWebエンジニアというのもアリです。
こんな人にオススメ
- ネットワーク(クラウド)エンジニアとして就職したい人
- 地方から上京したい人
- あまり、お金に余裕がない人
Geek Jobについて
Geek Jobは、サーバーサイドエンジニアになるための学校です。
こちらは、生徒が就職した際に、成果報酬として企業からお金を貰っているので、無料のスクールが成り立っています。
勉強時間はコースによってまちまちですが、1ヶ月目間の研修の後に、就職先を斡旋してもらえるようです。
夜間だったり、土日だけの通学も可能なのは嬉しいですね^^
オンラインでも学習できます。
こんな人にオススメ
- なんとなく、エンジニアになってみたい人
- PHP、Java、Rubyを勉強して、サーバーサイドのエンジニアになりたい人
- あまり、お金に余裕がない人
- 関東圏に在住で都内に通える人
- 20代
みんスク
みんスクは、完全未経験からプロのエンジニアを目指す方のための「無料エンジニアスクール」です。
プログラミング学習だけでなく、キャリア相談や選考応募書類の作成・添削、企業ごとの面接対策といったサポート体制が整っています。
学習方法は、「自己学習形式」です。
でも、教室には常に専門の講師が常駐しているので、自由に質問をすることができます^^
そして、最悪、プログラミングが合わなかった場合は、途中で辞めることもできます。
ただし、こういった規約に関連することは変更する可能性もあるので、スクールに通う前に改めて確認してみて下さい。
こんな人にオススメ
- なんとなく、エンジニアになってみたい人
- JavaやPHPを勉強して、サーバーサイドのエンジニアになりたい人
- あまり、お金に余裕がない人
LIKEIT
無料のプログラミングスクールです。
無料で受けられる上に、さらに転職相談もできるそうです。
また、無理に就職をしなくても大丈夫です。
こんな人にオススメ
- なんとなく、エンジニアになってみたい人
- Javaを勉強して、サーバーサイドのエンジニアになりたい人
- あまり、お金に余裕がない人
- 19歳から29歳までの人
- 東京、神奈川、埼玉、千葉に在住の人
無料のスクールが駄目だと言われる理由
ここまで読んできても、なんとなく、「無料のプログラミングスクールはコワイ」と思う人もいるはずです。
その理由に対する反論を一つ一つ、説明していきたいと思います。
SESに就職させられるんでしょ?
SESとは、簡単に言えば、「エンジニアの派遣サービス」です。
一昔前だと、「特定派遣」とも呼ばれていました。
例えば、A社に正社員として所属しながら、仕事の現場はB社という感じです。
これは、半分以上は事実だと思いますが、有料のプログラミングスクールに行ったとしても、就職先は大して変わらないと思います。
イケてる企業は、「実務が未経験のエンジニア」を雇いたいとは思いません!
つまり、経験の浅いエンジニアを雇う企業には、理由があるということです。
それならば、経験が浅い間は、就職先を選り好みせずに、自分の経験を積むことに専念しましょう。
数年後、経験とスキルが身についた後ならば、いくらでもイケてる企業に転職することができます。
かくいう私も、そうやって特定派遣の会社から数社を経て、メガベンチャーに転職しました。
たまに、「運良くイケてる企業に就職できた」という話を聞くことがあるかもしれません。
でも、私の10年以上の経験から考えるに、その人も将来はどうなるかはわかりません。
IT業界では、「スキルがあること」が安定への近道で、「イケてる企業に入ること」は、安定に見えるようで、地獄へ続く道かもしれません。
一緒に勉強する生徒の質が低いんでしょ?
お金を払って有料のスクールに通っている人に比べて、無料のスクールに通っている人のやる気と質は、確かに低いかもしれません。
でも、それが自分のモチベーションに関係するかどうかは、自分次第です。
これから、IT業界に飛び込もうと考えている人には、是非、その程度の障壁は乗り越えて欲しいと思います。
IT業界でエンジニアとして働くということは、「生涯、ずっと勉強をし続ける」ということを心に留めておいて下さい。
ブラック企業に就職させられるんでしょ?
ブラック企業に就職させられる可能性はあります。
でも、その場合は、サッサと会社を辞めればいいだけです。
数ヶ月間、お小遣い稼ぎをしたと思えば、ただのラッキーでしかありません。
無料のプログラミングスクールで得た知識と、就職して得た給与で、有料のプログラミングスクールに通い直してもいいと思いますし、改めて就職活動をしてもいいと思います。
同じ有料のプログラミングスクールに通うにしても、知識を得てから通う場合と、何もわからない状態で通う場合とでは、得られるものは天と地ほどの差があります。
ただし、無料のプログラミングスクールに通う前に、何が規約違反になるのかはシッカリと確認しておきましょう。
具体的には、以下の内容です。
注意事項
- 途中で、プログラミングスクールを辞めたらどうなるか?
- 斡旋先の会社に就職しなかったらどうなるか?
- 斡旋先の会社に就職した後で、すぐに会社を辞めたらどうなるか?
まとめ
この記事では、「無料のプログラミングスクールを推す理由」について書きました。
もし、この記事を読んでいるあなたがお金に余裕があり、「50万円ぐらいならすぐに出せる」と考えているならば、有料のプログラミングスクールに通っても何も問題はありません。
でも、「50万は大金で、すぐに出すことはできない」と考えているならば、迷うことなく無料のプログラミングスクールに通いましょう。
無料のプログラミングスクールに通っても、失うものは時間だけです!
Good luck with your engineer life!
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